'05-06 Serie A1 Women ("Shin" Takahashi Special)

第1節(10/9)
第2節(10/12)
第3節(10/16)
イタリアスーパー杯(10/22, 23)
第4節(10/30
第5節(11/6)
第6節(11/27)
第7節(12/4)
第8節(12/11)

Ranking
Match Result
Teams / Players (Japanese Only)
Regular Season Highlights (Japanese Only)
Statistics (Japanese Only)
Play-Off


各チームの印象

Original Marines Arzano
チェッラ−シスコビッチ、トーマス−Liesbeth Mouha、メトカフ−カッチャトーリ
意外と見たことのある選手が多いチーム。とはいってもメトカフが絶対的エースというのでは苦しそうだ。カッチャトーリの力がどれくらい戻っているだろうか。

Radio105 Foppapedretti Bergamo
ピッチニーニ−Manuela Secolo、パッジ−バラッツァ、グリューン−ロビアンコ
ここ2年の最強時代の屋台骨だったソコロワが移籍で離脱、一気に小粒な印象になってしまった。セッターはロビアンコに代わっている。ほかにもLehtonen・オルトラーニとアタッカーの頭数はそろっているけれども、絶対的という存在がいない。

Bigmat Kerakoll Chieri
パハーレ−フィオリン、スコット−Cristina Vincenzi、ゴディナ−フェレッティ
サイドの高さと破壊力は、Jesiと並び今回リーグ最強の部類に入る。スコットも昨シーズンは緊急にスーパーエースポジションに入ったほどの攻撃力がある。この分厚い攻撃陣をフェレッティがどこまで使いこなせるか。Perugia, Jesiあたりに比べると守備力ではやや劣るように思われ、特にフィオリンが守備でどこまで踏ん張れるかが大きな鍵の一つ。このあたりの課題をクリアできれば、優勝のチャンスもある。

Infotel Forli
今のところ全く勝手のわからないチームの一つ。セッターのサンジュリアーノ以外は全く見たことがない。現在発表されている戦力からかなり上積みしなければ、残留も苦しいように見える。

Monte Schiavo Banca Marche Jesi
ソコロワ−ミフコバ、リチェロバ−Iliana Petkova(?)、トグット−マリノバ
毎年優勝候補の一角と思われながらなかなか目立った成績を残せないJesi、今シーズンはさらに強烈な増強をかけてきた。サイドに比べるとセンターは多少手薄に見えるけれども、Perugiaに対抗する最有力。

Sant'Orsola Asystel Novara
Pirv−Spasojevic(or レト)、アンザネッロ−Furst(?)、アゲロ−何キ
ここ数年、とにかくサイドを高く分厚くというチーム構成だったが、de Carneとグリンカという大砲2枚がいずれも抜けた。スーパーエースのポジションにアゲロを獲得したものの、スケールが小さくなったことは否めない。昇格初年度の躍進の立役者のレトが戻ってくるなど、その時の手堅いチームに回帰しようとしているようにも見える。

Megius Volley Padova
Mirela Corjeutanu−?、レッジェーリ−トレス、チェントーニ−グリゴロビッチ
20世紀最優秀選手にも輝いたあのトレスが復帰。まともに力が戻っているとしたら、攻撃面ではかなりの迫力のある布陣である。しかし、誰がまともにレシーブをするのかさっぱり不明である。

Despar Perugia
フランシア−シュヴェニヴィチ、バレウスカ−ジョーリ、ゼトバ−ソウザ
手堅く隙のないバレープラスサーブの強さで昨シーズン優勝、そのメンバーがほとんど全員残っている。唯一の大きな変化は、セッター対角が長年在籍したアゲロからゼトバに変わったこと。これは一抹の不安がある。ゼトバも全盛期は過ぎているだろうし、しかも長年連れ添ったマリノバと初めて離れることになる。とはいえ、今シーズンも優勝本命と言えるだろう。

Scavolini Pesaro
リニエーリ−デルコーレ(or コスタグランデ)、Dushkyevich−グイッジ、Sheilla Tavares−バーグ
昨シーズンの主力はほぼ全員残っている。唯一の大きな入れ替わりは、セッター対角がチェントーニからブラジルのシェイラに変わったことだが、チームカラーは変わらないだろう。絶対的な高さや破壊力はないものの、イタリア風の手堅く隙のないチーム。優勝は難しいように思えるが上位半分には確実に入るだろう。

Alfieri Volley Santeramo
名前を知っている選手がCarmen Turleaくらいしかいない、ここも全くわからないチームの一つ。特にセッターがあまりにも正体不明すぎる。

Terra Sarda Tortoli
フレデルスとかフラトチャクとか、見たことのある選手は何人かいるけれども、戦力的には非常に苦しそうだ。プエルトリコのAurea Cruzが目玉とは、それはないだろう。

Minetti Infoplus Vicenza
Djerisilo−アダムス(or 高橋)、Paccagnella−?、スコブロニスカ−シュリワ
今シーズンは高橋へのラブコールが実り、高さを下げても守備重視の布陣に大きな方向転換を果たした。ここ2,3シーズン、Vicenzaは、守備の荒さとミス失点の多さが大きな弱点となっており、本格的に軌道修正してきた。
高橋の活躍にはもちろん期待したいが、各チームの戦力を見てみると、やはり上位の壁は厚いと予想される。とにかくレシーブをきちんとセッターに返して、高橋やスコブロニスカの絡みを生かすコンビバレーで活路を見いだしたい。

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第1節(10/9)

Vicenzaの開幕戦はChieriとの対戦である。Chieriは大型のアタッカーをそろえて優勝争いにも絡むと思われるが、この時点では絶対的エースのゴディナが参戦していない。Vicenzaにも大砲はいないから、お互いに決め手に欠く印象である。その中で、VicenzaのBorreliが18得点でアタック15/33(45%)と活躍し、試合のMVPにも選出された。試合はフルセットでVicenzaの勝ち、上位が予想される相手から大きな勝点2を獲得した。高橋はこの試合交代出場のみ(後衛で守備固め?)で、得点はなかった。

Chieriを除き、優勝争いに絡むと思われるチームは全てストレートで勝ち、全く無風の開幕となった。それも極端に一方的な試合が目立った。

Vicenza 3-2 Chieri (25-20, 19-25, 25-22, 22-25, 15- 8)

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第2節(10/12)

この日、VicenzaはTortoliと対戦している。戦力的にもVicenzaが有利の対戦だが、セットカウント3-1で順当に勝っている。この試合では、サイドとセンターが極めてバランス良く得点している。高橋は、この試合も交代出場のみで、得点もない。

この週はChieriを含め上位予想のチームは全て勝点3で勝っており、開幕戦からのべた凪が依然として続いている。その中で予想外にもつれたのはArzano対Bergamoである。Bergamoに極端にミスが多いことと、ArzanoのQuarantaという選手の活躍が、その要因となったようである。

Tortoli 1-3 Vicenza (25-27, 25-20, 15-25, 21-25)
Arzano 1-3 Bergamo (26-24, 19-25, 22-25, 23-25)

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第3節(10/16)

Vicenzaはこの週はPesaroと対戦した。Pesaroは、リニエーリ・コスタグランデ・シェイラといったメンバーをそろえた手堅い印象のチームである。Vicenzaにとっては、今シーズン、メンバーがそろった上位予想のチームとは初めての対戦である。試合は、第1セットをVicenzaがとった後、第2セット以降3セット連続デュースという熱戦となった。しかしその3セットはいずれもPesaroがものにして、セットカウント3-1でPesaroの勝ち。Vicenzaとしては、いったんは逆転しセットポイントも先に迎えた第4セットを失ったのが非常に悔やまれる。Vicenzaでは、センター2人あわせて33点と活躍が非常に目立ち、センター線を有効に使えていることが善戦の要因だろう。Pesaroでは、シェイラ以上にリニエーリが目立ち、アタック23/51(45%)で24得点をたたき出している。なお、高橋はこの試合は交代で短時間の出場のみ、得点もなかった。
Jesi対Chieriは、今シーズン初めての優勝候補と思われるチームどうしの対戦である。しかし結果は予想外のJesiの一方的勝利。Jesiがチームのアタック決定率が66%という猛攻でChieriを粉砕した。第2セットには、Jesiのアタック17打数16決定で決定率94%という異常な数字が残っている。

Vicenza 1-3 Pesaro (25-22, 30-32, 26-28, 26-28)
Jesi 3-0 Chieri (25-19, 25-13, 25-20)

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イタリアスーパー杯(10/22, 23)

この週はイタリアスーパー杯が行われた。これは昨シーズンの上位4チームによる対戦であるため、Vicenzaは参加しない。
Perugia対Novaraはセットカウント3-1でNovaraが勝っている。NovaraではアゲロとPirvの看板エースが順調に得点を重ねた一方、Perugiaではシュヴェニヴィチとゼトバの決定率が30%程度と決まらなかった。
Bergamo対Chieriの試合で、Chieriはゴディナをレフトで起用しフィオリンをライトに回したものの、これは大失敗。ゴディナ5/30、フィオリン6/25と、全くアタックが決まらず、Bergamoのストレート勝ちとなった。BergamoではPaggiがブロック6本、ポリャックはアタック10/15と、センターの活躍が目立っている。
3位決定戦のPerugia対Chieriの試合、Chieriは前日のBergamo戦と同じポジションで戦ったところ、今回はついにゴディナの強打が炸裂。アタック25/46と打ちまくり、セットカウント3-1でChieriに勝利をもたらした。
決勝のBergamo対Novaraの試合はフルセットでNovaraが勝っている。昨シーズンのこの対戦はいずれも一方的にストレートでBergamoが勝っていたところ、久しぶりにもつれた試合となった。

Perugia 1-3 Novara (16-25, 25-23, 22-25, 17-25)
Bergamo 3-0 Chieri (25-21, 25-23, 25-15)
Perugia 1-3 Chieri (25-23, 18-25, 23-25, 20-25)
Bergamo 2-3 Novara (25-27, 24-26, 25-20, 25-23, 6-15)

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第4節(10/30)

今週、Vicenza対Santeramoの一戦で、ついに高橋がスタメン入りを果たした。第1,2セットは先発、第3セットは途中出場である。アタック7/14・サービスエース2本の合計9得点となかなかの活躍だったようだ。
Vicenzaは、第3セットは高橋の代わりにBorelliを先発し、それで一方的にセットを落とすと第4セットはアダムス先発と、いろいろと手を変えながら、セットカウント3-1で勝ち。この時点で最下位の相手とはいえ驚くほど余裕を持って勝っている。

この週から少しずつ上位どうしの対戦が増えてくる。Pesaro対Perugiaの一戦は、セットカウント3-1でPerugiaが勝った。Perugiaの絶対的エースのフランシアがアタック18/35で21得点の大活躍の一方、Pesaroのシェイラはアタック6/21でわずか7得点と完璧に押さえ込まれ、エースの活躍の差がそのまま結果につながった。
ChieriがNovaraをフルセットで下している。Chieriは、ゴディナの合流が遅れたこともありスタートで大きく後れをとってしまった。しかし、前週のイタリアスーパー杯3位決定戦とあわせて、ようやく本領発揮である。

この時点でも、Perugia, Jesi, Bergamoの3チームが勝点を全く落とさず4連勝としている。ここまで激しい上位のマッチレースとなるのも珍しい。優勝候補の対戦が序盤にほとんどないという組み合わせの要因もあるけれども、それだけ優勝を争うチームと下位のチームで戦力の差が開いている。

Santeramo 1-3 Vicenza (20-25, 14-25, 25-15, 15-25)
Pesaro 1-3 Perugia (17-25, 23-25, 25-17, 21-25)
Chieri 3-2 Novara (25-23, 18-25, 17-25, 25-16, 15-13)

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第5節(11/6)

この週、Vicenzaはここまで8位のPadovaとの対戦である。Padovaは、噂のトレスはまだ出場していないけれども、セッターグリゴロビッチも含めてかなり高さのあるチームという印象だ。そのPadovaとの対戦でセットカウント1-3で負けてしまった。高橋はこの試合は交代で短時間の出場のみ、得点も1だった。
今回は上位と下位が極端に分離するリーグになりそうだが、その中間に位置しそうなのが、Vicenza、およびこの週対戦したPadovaである。その同じグループの相手に、それもホーム戦で勝点を全くとれなかったのは極めて痛い。特に第4セットは、20-14くらいVicenzaリードから一気に逆転を食らうという痛すぎる落とし方だった。
この試合、Vicenzaのミス失点は実に34点。ここ2年ほどのVicenzaは、とにかくミス失点が多く、格下と思われた相手にミス連発で落とすという試合が目立った。それが低迷の大きな要因となっていた。今シーズンに入ってからはそれがなくなり好調なスタートにつながっていたけれども、この試合で出てしまった。

ここまで4試合は優勝候補の直接対戦は少なかったけれども、この週はビッグカードがいきなり2試合組まれている。中断直前にリーグの大きな山場の一つを迎える。
Novara対Bergamoは大熱戦のフルセットの末Bergamoの勝ち。Bergamoではピッチニーニが24得点10ブレークをたたき出した。ピッチニーニは2005年の代表からは外されてしまったものの、このリーグとか欧州CLを見ていると、オルトラーニだのフィオリンだの若造とは攻守ともまだまだ格が違う。来年には代表にも戻ってくるのではないか。一方負けたNovaraだが、レトが21得点アタック48%サーブレシーブもミス0と大活躍で、これは明るい材料だろう。4シーズン前の同じカード、ミラノでの死闘(25-22, 25-23, 31-33, 19-25, 26-24でNovaraの勝ち)を思い出させる試合だった。
JesiはPerugiaをフルセットで下し、Bergamoとともに首位で並んでいる。Perugiaはゼトバがまだ出場せず、スーパーエースポジションは先発がUsicで途中からCrisantiという選手を出したけれども、そもそもソウザがトスをあまり回していない。フランシアがアタック55%(30/55)と打ちまくったけれども、勝利に届かなかった。もう一つこの試合で問題だったのはサーブレシーブの乱れで、サーブレシーブミス10本に及んだ。一方のJesiも、2枚看板のうちリューバが押さえ込まれたが、トグットがアタック52%(28/54)と打ちまくった。
これまで、Jesiは毎年大がかりな増強をしながら、序盤で出遅れてその遅れを挽回できないまま終わるシーズンが多かった。しかしついにリューバまで獲得した今シーズンは違う。リューバとトグットの大砲2枚の破壊力は圧倒的で序盤から快進撃を続けている。

Vicenza 1-3 Padova (25-23, 12-25, 23-25, 23-25)
Novara 2-3 Bergamo (22-25, 23-25, 25-21, 32-30, 11-15)
Perugia 2-3 Jesi (16-25, 25-23, 23-25, 25-18, 13-15)

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第6節(11/27)

3週間の中断が明けて主要国のリーグがそろって再開である。
Vicenzaは今週はFoliとの対戦、Forliは残留争いグループの1チームでここまでわずか1勝である。Vicenzaはこの試合に高橋を先発し、順当に2セットを先取した。しかし、第3セットを落としたあと、第4セットもなぜか高橋を出さない。第4セットも落としてフルセットに突入してしまい、最終セットも中盤までForliにリードを許しながら最後に逆転するという危うい展開で何とか勝った。第3セット流れが悪くなったところで交代はありうるにしても、第4セット以降なぜ高橋を戻さなかったのかわからない。
この後の順位争いを考えると、ここで落とした勝点1も痛いかもしれない。この試合は2セットを連取したのだから、勝点3をものにしたかった。

今週も、Jesi対Novara、Chieri対Perugiaと、ビッグチーム直接対決が相次いで組まれた。
Jesi対Novaraは、やや予想外にもNovaraのストレート勝ち。Jesiはリューバ以外は全く攻撃が決まらなかったのに対し、Novaraはチームのアタック決定率59%と、「誰に上げても決まって」いた。Novaraは上位相手にフルセットで2試合敗戦、苦しくなったかのように見えたが、これで息を吹き返した。サーブレシーブも安定し、4シーズン前、昇格初年度の一番勢いのあった時を彷彿とさせる戦いぶりである。
Chieri対Perugiaは、フルセットでPerugiaが勝った。フェレッティが手術のため離脱したChieriは、この試合は本来控えのセッターMariで戦っている。Chieriにとって、フェレッティ離脱に加えてもう一つの大きな不安材料は、フィオリンの大スランプである。この試合もアタック5/17、もはやセッターがトスを回さない。結局打数が集中したゴディナが思うように決められなかった。一方のPerugiaは、フランシアがアタック26/47と2試合連続の大当たり、今度は勝ったものの依然としてサーブレシーブが落ち着かない。
これでBergamoが唯一無敗で単独首位となった。しかし、Bergamoは上位との対戦をほとんど残しているため、これを無傷で乗り切れるとは思えない。優勝戦線は久しぶりにビッグ4チームが絡む激しい争いとなりそうだ。ここ2年は優勝争いが早々と絞られるパターンが続いていた。(というかリューバのいたBergamoが勝ちすぎた)

PesaroはPadova相手に、第3,4セットと連続のデュースをものにして3-1で勝った。シェイラがアタック24/41と大活躍し試合のMVPにも選出されている。Padovaでは第2セットからトレスがついに登場、いきなりアタック13/17という超高率をマークしている。しかしPadovaは、当初から不安に思われたサーブレシーブが致命傷になった。サーブレシーブミス15本で成功率(Positive以上)44%という歴史的なひどさである。
ArzanoがTortoli相手のホームゲームで昇格初勝利をものにした。アメリカの大砲メトカフがようやく本領発揮、アタック決定率54%(19/35)ブロックも6本という活躍だった。残留争いは残留争いで例年になく泥沼化しそうだ。

Forli 2-3 Vicenza (23-25, 16-25, 25-23, 25-20, 13-15)
Chieri 2-3 Perugia (25-20, 23-25, 25-13, 19-25, 8-15)
Jesi 0-3 Novara (20-25, 18-25, 18-25)

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第7節(12/4)

Vicenzaは昨シーズン優勝のPerugiaと対戦した。Perugiaはもちろん今期も優勝有力候補、しかもアウェーの試合でありながら、フルセットの末Vicenzaが勝ってしまった。それも最終セット1-6Perugiaリードの場面があり、そこから高橋が交代で投入され逆転したとのことである。高橋の先発を期待したいが、スーパーサブ起用というのもしゃれている。Vicenzaは昇格初年度以来、毎シーズン1回か2回は優勝候補のチームから金星を挙げている。(その一方で下位への取りこぼしも極端に多くはらはらするチームである。)大物食いの伝統は今年も受け継がれている。
一方のPerugiaは、欧州CLのバクー戦もそうだが、どうにも詰めが甘く、らしからぬ敗戦となっている。10月の後半からArcangeliが何試合か抜けてから、依然としてサーブレシーブが落ち着かない。この試合はそもそもリベロがDi Iulioという選手である。さらに、第2セット途中でシュヴェニヴィチをUsicと交代させて第3セット途中に戻し、セッター対角は先発Crisantiで第3セット途中からゼトバに交代している。ここまで首位争いを続けているが、戦い方は暗中模索のようだ。

BergamoがJesiを3-1で下した。Jesiは連敗で優勝戦線から大きく後退。リューバとトグットの大砲2枚を両方止められてはいかんともしがたい。Bergamoは、絶対的エースのリューバが抜けたことでスケールが小さくなった印象を受けた。しかしふたを開けてみればここまで7連勝で単独首位に立った。レシーブ・サーブレシーブ・ブロックと、守備に関連する数字はいずれも断然のトップで、守備力は飛び抜けている。イタリア流の堅いバレーの完成度を徹底して高める方向がここまではうまくいっているようだ。
PesaroがフルセットでChieriに勝っている。この試合、キリロワがついにセリエ復帰。しかし、まだチームを立て直せなかったようだ。フィオリンもスランプから脱出せず、パハーレはそのフィオリン以上の極度の不出来。必然的にゴディナにトスが集まったが、そのゴディナも決定率38%と思うように決められない。Chieriとしては、これだけ悪くて勝点1をとったことはむしろよしとすべきかもしれない。Pesaroもアタックミスが23本と極端に多く、そのためにすんなりと勝てなかったようだ。
残留争いの重要な一戦、Santeramo対Tortoliの試合は、Santeramoが2セットダウンから3セットを連取して逆転勝ち。SanteramoのCarmen Turleaが31得点をマークして今シーズン初勝利の原動力になっている。

Perugia 2-3 Vicenza (20-25, 25-19, 19-25, 25-17, 13-15)
Pesaro 3-2 Chieri (23-25, 25-19, 18-25, 25-21, 15-10)
Bergamo 3-1 Jesi (25-21, 23-25, 25-16, 25-20)
Santeramo 3-2 Tortoli (22-25, 15-25, 25-21, 25-12, 15-11)

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第8節(12/11)

VicenzaはNovaraと対戦、前節に引き続き優勝候補との対戦である。第1セットを簡単に奪いながら第2セット以降3セット連取され、2つ目の金星はならなかった。高橋は途中交代で出場したものの、いったんNovaraに傾いた流れを戻すことはできなかった。Vicenzaとしては、スコブロニスカのアタック決定率24%まで封じられたのが決定的である。NovaraはSpasojevicを先発したけれども極度の不振で第2セット途中レトに交代、レトもそれほど好調ではなかったようだが、きっちり勝点3を得ている。Novaraは、序盤に上位相手に2試合連続フルセット負け、やや後れをとったものの、気がついてみれば首位のBergamoに勝点で並んでいる。
PerugiaがBergamoにストレートで勝ち、Bergamoの連勝は7で止まった。Bergamoはミス失点28が致命傷になった。Bergamoは、ここまでの7試合も、昨シーズンまでと違いミス失点はかなり多かったものの、卓越した守備とブロックで勝ち続けていた。PerugiaはArcangeliがリベロのポジションに戻り、久しぶりにサーブレシーブが落ち着いた。また、ゼトバに代わってクロアチア期待のUsicをスーパーエース起用、それなりに活躍している。
Bergamoの敗戦により、首位争いは、勝点3差の間に5チームが入るという近年まれに見る大混戦となっている。

Chieriはセットカウント3-1でSanteramoに勝利。しかし、その内容は薄氷を踏むようなものだった。Chieriはもともと控えのセッターMari先発だったところ、Santeramoが第1セットを先取し、第2セットも21-17Santeramoリードだった。たまらず、第2セット途中でChieriはキリロワを投入。第2セット終盤に逆転し第3セット以降も連取、勝点3を何とかものにした。もはや遠い昔、7年前世界選手権のクロアチアを思い起こさせる起用である。御年40歳にして神通力はいまだ健在!!Santeramoでは、Turleaがアタック27/54で28得点と打ちまくっているが、勝点獲得はならなかった。
ForliはArzanoに3-1で勝ち、残留に向けて大きな勝点3を得た。下位の3チームと勝点4差まで開いている。Arzano, Santeramo, Tortoliの3チームの争いは、脱出の糸口が見えないまさに泥沼だ。

Vicenza 1-3 Novara (25-15, 21-25, 18-25, 21-25)
Perugia 3-0 Bergamo (25-17, 25-23, 25-22)
Chieri 3-1 Santeramo (21-25, 28-26, 25-21, 25-17)
Forli 3-1 Arzano (25-22, 25-21, 22-25, 25-12)

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第9節(12/18)

Vicenzaは残留争い中のArzano相手のアウェーゲームで、セットカウント3-1で勝ち、きっちり勝点3を獲得している。Vicenzaは、第3セット以降は大幅にメンバーを入れ替えているけれども、すんなりと連取しており、余裕?すら感じられる。高橋は第3セット途中から出場しているものの、アタック11打数で決定わずか1本、これではスタメンには入れそうにない。Vicenzaではセンター2人があわせて決定率70%超で27得点と、センターの活躍が目立った。Paccagnella, Arrighettiのセンター線は、今シーズン予想以上の活躍を見せており、これがVicenzaの躍進の大きな要因となっている。

BergamoはChieriにストレートで勝った。Chieriは強力なアタッカーをそろえながら、フェレッティの戦線離脱もあり、浮上のきっかけがつかめない。この試合はフィオリンがわずか1得点、ゴディナやスコットもミスしたりブロックされることが多く、総崩れの様子である。
PerugiaとPadovaの対戦はフルセット、最終セットも序盤Padova5-2リードのところからPerugiaが逆転した。Padovaは惜しくも金星を逃したものの勝点1を獲得した。ここ2試合、Padovaはトレスがサーブレシーブに入るという常識破りのシフトを敷いている。トレスにとっては、代表でも各国リーグでも、サーブレシーブに入るなど今回リーグが初めてだろうが、それでもそつなくこなしているのには驚く。トレスは驚異的な身体能力の印象が強いけれども、バレーセンス自体も桁外れのものを持っているのだろう。センターが両方ともサーブレシーブに入ったことで、歴史的なひどさだったPadovaのサーブレシーブはいくらかましになっているようだ。
Perugiaにとっては、大混戦の首位争いの中で、ここで落とした勝点1さえ大きな痛手となるかもしれない。手探り状態という印象を受けながらも、上位5チームとの直接対戦ではここまで2勝1敗勝点7、最もよい成績である。しかし下位チームへの取りこぼしが多い。対VicenzaとPadovaとあわせて勝点3しかとれないのは問題である。この取りこぼしがなければ単独首位である。
Santeramo対Pesaroの一戦は、Pesaroが順当に勝点3を獲得しているものの予想以上にもつれている。SanteramoのスーパーエースのTurleaは、この試合も27得点で、第7節以降3試合で合計86得点と孤軍奮闘の様子になっている。それでも結果につながらないのはつらいとしか言いようがない。

Arzano 1-3 Vicenza (17-25, 25-22, 21-25, 16-25)
Bergamo 3-0 Chieri (25-21, 25-18, 25-23)
Padova 2-3 Perugia (16-25, 25-19, 25-20, 13-25, 12-15)
Santeramo 1-3 Pesaro (18-25, 25-22, 23-25, 23-25)

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第10節(1/8)

クリスマス休暇明けの最初の試合、VicenzaはホームでJesiと対戦した。Jesiはトグットとソコロワの大砲2枚を擁し首位グループの中の1チームである。試合結果は惜しくもストレートで敗戦、特に第3セットは21-18Vicenzaリードからの逆転だった。この試合は高橋は全く出場がなかった。Jesiのチームアタック決定率わずか33%、特にトグット・ソコロワ2人あわせてアタック13/71と完璧に封じており、これではあえて高橋を入れる余地はない。それでも勝てなかったのは、Vicenzaのサイドアタッカーも同様に決まらなかったからである。さらに、ブロックで4対8、サービスエース0対3と、この差がほぼそのまま結果につながっている。

PesaroがBergamoをセットカウント3-1で下し、単独トップとなった。リニエーリがアタック20/33という大当たり、それに対しBergamoのエースのピッチニーニはアタック6/17でわずか7得点だった。これでは勝てない。
Perugia対Novaraの対戦は、セットカウント3-1でNovaraが勝ち。Perugiaは首位との勝点の差が一気に5に開き、かなり苦しい状況になっている。Novaraでは、レトとアゲロの2枚看板がそれぞれ22点ずつを得点、特にレトは決定率も18/38=47%と高く試合MVPに選出されている。それに対し、Perugiaではフランシアが26点と相変わらず一人で打ちまくっているが、ミス失点がNovaraより多いこともあり、勝利につながらなかった。
残留争いの極めて重要な試合、Santeramo対Arzanoの一戦は、セットカウント3-1でSanteramoが勝った。これでSanteramoはArzanoを逆転して降格圏を脱出している。SanteramoのスーパーエースのTurleaは、この試合もアタック25/51で27得点。ここまでは孤軍奮闘でなかなか結果が出なかったものの、ここでついにスーパーエースの頑張りを大きな勝利につなげた。

Vicenza 0-3 Jesi (22-25, 21-25, 23-25)
Perugia 1-3 Novara (23-25, 18-25, 25-22, 21-25)
Pesaro 3-1 Bergamo (25-22, 25-23, 22-25, 25-19)
Santeramo 3-1 Arzano (25-19, 23-25, 25-21, 25-23)

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第11節(1/15)

この週、Vicenzaは、優勝最有力チームの一つであるBergamoと対戦した。第1セットを先制しながら、セットカウント1-3で敗れている。高橋は途中交代での出場で、アタック7/15と、まずまずの活躍なのだろうかと思えるが、チームの勝利にはつながらなかった。Bergamoではとにかくグリューンが大当たりで、アタック22/36で61%、総得点27と打ちまくった。

PerugiaはForliとの対戦でまたフルセットにもつれた。それも、最終セット22-20という大激戦、さらに最終セット12-8のForliリード、金星献上決定的と思われるところまでいった。Perugiaとしては、フランシアがアタック決定率35%で有効得点はマイナスという不振が決定的だった。Forliはブロック合計19本を決めている。
PesaroはNovaraにセットカウント3-1で快勝した。Novaraは、今シーズン初めて勝点0の敗戦となった。Novaraでは、前節の勝利の立役者のレトがアタック8/26、サーブレシーブもミス6本と極度の不振だった。Pesaroでも、シェイラは決定率がきわめて低かったものの、リニエーリが前節に続いてアタック18/36総得点の大活躍、さらにコスタグランデも絶好調で勝利に貢献している。Pesaroは、第9節時点では、優勝候補筆頭との2連戦を残してトップと勝点3差がつき、首位を争っていくのは厳しいかと思われた。しかし、その2連戦をいずれもセットカウント3-1で勝ち、一気にトップに並んだ。

下位の争いでは、SanteramoがPadovaにセットカウント3-1で勝っている。Santeramoは2試合を勝点3で連勝し、残留に大きく近づいた。今シーズンは下位2チームに全く浮上のきっかけが見えず、勝点5差を縮めるのは例年の残留争い以上に厳しいと思われる。一方、Padovaはトレスが大きな戦力となっていたように見えたが、そのトレスが年末で退団してしまい、こちらも一気に泥沼にはまりこんだ。

Jesiは最下位のTortoli相手に順当に勝った。Jesiは、Novara, Bergamoに勝点なしで連敗し苦しくなったかと思われたが、気がついてみれば前半を首位で折り返した。しかし、Jesi, Pesaro, Bergamo, Novaraの4チームは勝点26で並んでいる。ここ2シーズンとはうってかわって、前半終了時点で4チームが勝点の差なしで並ぶという全く類例を見ない激しい首位争いとなっている。

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第12節(1/22)

第10節以降、優勝を争うチームと思えない苦しい試合の続くPerugiaは、ここまで勝ち星のないTortoliにまでフルセットを戦い取りこぼした。Tortoliでは、フラトチャクが29得点でようやくスーパーエースらしい活躍をした。ここまでは、試合に出続けてはいても決定率も低くエースの役割を果たしていなかった。
この週は、JesiもSanteramoとの対戦でフルセットまでもつれた。それも、セットカウント0-2から3セット連取、さらに第4セットと最終セットがデュースという、薄氷を踏むような逆転勝ちである。前半を首位で折り返したJesiだが、後半は出だしでいきなりつまずいた。
ここまでの星取りを見ている限り、上位どうしの対戦で勝ち続けることは難しく、首位を争ういずれのチームも勝ったり負けたりである。つまり、取りこぼししたチームから脱落していく形になっている。