2000-01 Serie A1 Women (- 01.2)

各チームの印象
通常シーズンハイライト (- 01.2)

通常シーズンハイライト (01.3 -)

星取表
試合結果


各チームの印象

(注意)前半戦終了あたりでまとめたもの

Capo Sud Reggio-Calabria
アルタモノワ−ポタショーワ, ジョーリ−Ritschelova(or 蘇立群), Shaposhnikov−キリロワ
今シーズンはどうやらキューバ抜きで戦うようである。とはいえ、世界のエースアルタモノワ、いまだ健在の名セッターキリロワを中心に、隙のない布陣である。
もう一つ驚いたのは、グリゴロビッチがこのチームに加入したこと。できる限り早く他国のリーグに参戦し腕を磨いてほしいと願っていたが、イタリアとすればおそらくA2、よくてもA1の下半分と考えていた。最も信じがたい移籍先である。(しかし、キリロワのフル出場は年齢からして無理。格下の相手なら、当然出場機会があるだろう。)

Edison Modena
フィップス−パハーレ, レッジェーリ−サングラード, コンデ(or ベルティーニ)−Iryna Zhukova
バーバラが来るのかどうかよくわからないが、それでもサイドは1枚余るという贅沢さである。センター線は昨シーズンの2人が残留、それほど目立たないものの手堅い。
セッターは国際大会での実績がほとんどない選手ということが少し気にかかる。(ウクライナの選手のようだ)しかし、このチームは、一昨年マリノバ、昨年カリーヌと、実績の少ないセッターを次々抜擢し、しかも結果を出している。

Radio 105 Foppapedretti Bergamo
リニエーリ−ピッチニーニ(or ソーシー), ペレス−ガラストリ, カッチャトーリ−ゼトバ
イタリアコア+ペレス、ソーシーというメンバーは変わらない。唯一の大型増強は、前年Modena優勝の原動力となったゼトバである。昨シーズンはルイスが参戦せず、エース不在に苦しんだだけに、心強いスーパーエースの加入である。
このメンバーで大崩れは考えられず、優勝候補の一角であることは間違いない。

Minetti Vicenza
メンショーワ−ミフコバ, パッジ−フィッセル(or グリンカ), トグット−Kamelia Malinova
主な変動は、ウズノバ→ミフコバ、ウェールシンク→トグット。センターにはフィッセルも獲得。入れ替えはあっても、高さ第一、その中でバランスをとる傾向は変わらない。昨シーズン同様、守備にはやや不安が感じられる。

Mirabilandia Teodora Ravenna
コスタグランデ−Silvia Croatto(or レーンストラ), Natalia Bozhenova(?)−Heather Bown, ウェールシンク−ロビアンコ Lb: シコラ(ポジションは確信がない)
去年は全くと言っていいほど目立つ選手がいなかったチームだが、今シーズンは、コスタグランデ・ウェールシンク・Heather Bownと、大型のアタッカーを一気に増強。セッターはイタリア代表の控えのロビアンコ、リベロのシコラも定評がある。これに残留組のCroatto, Bozhenovaが加わる。

Despar Perugia
レチコ−ケリー, ラーメ−チェブキナ, ?−シュリワ
このチームも今シーズンはキューバ抜きで戦うことになる。今シーズンはプレーオフ進出が4チームに限られる事情もあるかも知れない。キューバ勢を除く昨シーズンの主力は全員残っている(レチコ、ラーメ、シュリワ)。それに加えてエースのケリー、センターのチェブキナを獲得。

AIN Napoli
Okrachkova− de Tassis, ブラガリア−Vecerkova, Turlea−タガロア
2年連続ベスト8止まり、今シーズンは小粒のチームになりそう。去年の主戦で残留したのはセンターのブラガリアとVecerkovaのみ。エースはOkrachkova, Turlea, de Tassisというメンバー(de Tassisはリベロでの起用もあり?)。セッターはアメリカのタガロア。残留は何とかなると思ったが?

Rio Marsi' Palermo
主力のアタッカーはIvanyuskina, Beccaria, Nurisあたり。例年高さ重視を徹底しているVicenzaを上回る高さである(!)。当初はShaposhnikovが入っていたが、シーズン途中で移籍、代わりにNurisを獲得している。しかし、アダムス、ケリーが攻守の軸となっていた昨シーズン以上に守備に不安がある。

Romanelli Firenze
Edilma Conceicao, Aneta Guermanova, Meika Wagnerあたりが主戦力となるか。セッターにはModenaで2シーズンの実績があるマリノバを獲得するも、やはり残留争いレベル。

Johnson Matthey Spezzano
2シーズンぶりのA1復帰。ブラジルのイルマが中心だろう。昨シーズンModenaの正セッターを務めたKarine Salinasが加入。郎平監督のもとを離れ、飛び抜けたエースがいないチームの力を、カリーヌがどこまで引き出せるか。

Famila Imola
今シーズン昇格したチームの一つ。エースのシドレンコ、センターのユールマンあたりが攻撃の中心となりそうである。

Reggio Emilia
Materaに代わり、特例でA1で戦えることになったようだ。Desilets(USA), Pashova(BUL), Nikolic(YUG)など、名前を聞いたことのある選手は何人かいるが、最も厳しそうなチームである。

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通常シーズンハイライト

イタリア・スーパーカップ: Modena - Reggio Calabria
これは昨シーズンのチャンピオンとカップ戦優勝チームが対戦する試合である。この試合、イタリア初登場となるReggioCのアルタモノワが、アタック56打数33決定(59%)総計34得点13ブレークと、早々に大爆発。一方、Modenaは、パハーレにボールが集まったものの、そのパハーレは決定率35%にとどまった。試合はフルセットに突入したものの、エースのはたらきの差が出てReggio Calabriaの勝ち。
ReggioC3 (25-22, 21-25, 16-25, 25-20, 15-12) 2Modena

第1節: Modena - Vicenza, Ravenna - Bergamo
Modena対Vicenzaの試合、Modenaはサイドアタッカーがそろって決まらない。第3セット以降、セッター対角で先発だったベルティーニをコンデに交代したものの、これがかえって悪かったようだ。一方Vicenzaも、先発でトグットを使わず、グリンカをエースに回し、メンショーワがライトに入るという変則の布陣。第1セット途中でメンショーワをトグットに交代、結局メンショーワはこの後使わなかった。結局、両チームともアタックがまともに決まらない。アタックミスやシャットも極度に多くなった。試合は、Vicenzaの武器であるブロックが第3セット以降炸裂し(第3セット7本、第4セット8本)、2セットダウンから逆転勝ち。
大型増強で注目されるRavennaの初戦、優勝候補のBergamo相手に、いきなりフルセットまで食い下がった。Ravennaではウェールシンクとレーンストラというオランダのアタッカー、さらにアメリカの次世代大型センターHeather Bownも目立った。一方、Bergamoではゼトバがアタック66打数34決定(52%)総得点40と、一人で打ちまくった。そのときは、Ravennaは予想以上にやる、という印象を抱いたけれども、後から考えてみればこれはほんの始まりだった。
さて、下位の対戦では、Napoliが残留争いを予想されたFirenzeにあっけなくストレート負け、これで早くも残留が怪しくなってきた。
Vicenza3 (19-25, 21-25, 25-20, 25-22, 15-10) 2Modena
Bergamo3 (25-17, 25-23, 24-26, 23-25, 15-12) 2Ravenna

第2節: Vicenza - Ravenna
Vicenzaはこの試合、本来に近いフォーメーションでスタート。しかし、それでセットを落とすと、この試合もメンショーワを下げ、グリンカをレフトに回し、開いたセンターには先発でなかったパッジを投入した。このチームはセンターが1枚余るのだが、それがかえって迷いを生んでいるように思われる。第2セットからはセッターも控えのDirickxに交代。それが一応効を奏し、2セットダウンから第3,4セットを連取。最終セットは正セッターのMalinovaが先発。しかしこれが悪く、Vicenzaのアタッカーが全く決まらなかった。Ravennaでは、コスタグランデが攻守に活躍。Heather Bownも相変わらずよい。Vicenzaにシャットを食らいまくりながらもフルセットで勝利。
下位の対戦では、Reggio Emiliaが残留黄信号のNapoliに何と12,15,13のストレート負け。全セットラリーポイント制に移行してからはこのリーグで最も一方的なスコアである。ここまでくると言い表しようもない。
Ravenna3 (25-21, 25-18, 18-25, 22-25, 15-13) 2Vicenza

第3節
上位チームはほぼ順当に勝った。RavennaがSpezzano相手にフルセットに突入したのが目立つ程度。この試合、Ravennaはウェールシンクとレーンストラのオランダ勢が極端に悪かった。第3セット途中から、そのレーンストラをSilvia Croattoに交代、これが正解で、第3セット以降3セットを連取し傷口を最小限にとどめた。
残留争いを左右する可能性のある一戦、FirenzeとImolaの対戦は、Firenzeがフルセットで勝利。Firenzeは早くも2勝で、残留争いグループの中では抜け出した。

第4節: Ravenna - Reggio Calabria
この日、今回リーグ戦最大の波乱が起きた。優勝候補筆頭といってよいReggio Calabriaが、Ravennaとの対戦で、第1セットを簡単に奪いながらその後3セットを連取されて逆転負け。第2,3セット、Ravennaがそれぞれ4本のエースを連発してものにすると、第4セットもその勢いで押し切った。RavennaはウェールシンクとBownが50%を超えるアタック決定率をマーク。コスタグランデは守備でのはたらきが目立った。
残留が不安視されたチームの一つであるPalermoは、Firenze相手のホームゲームで、デュース2セットをものにしてセットカウント3-1で勝利。残留に向けて大きな勝ち星を挙げた。
Ravenna3 (12-25, 25-22, 25-22, 25-23) 1ReggioC

第5節: Bergamo - Reggio Calabria, Modena - Ravenna
頂上対戦の可能性もあるBergamoとReggioCの一戦。この試合、ReggioCのロシアエース対角はこれまでにない不振。しかし、新加入のShaposhnikovがアタック決定率何と73%(11/15)をマーク、ジョーリ、Ritschelovaのセンター線も合わせて6割に近い決定率で、その埋め合わせをした。ストレートという意外な結末でReggio Calabriaの勝利。
前節の大勝利で勢いに乗るRavennaは、今回リーグ最大の激戦の末Modenaも下してしまった。この試合でもウェールシンクとBownの快進撃は続いている。さらに、この試合ではBownの対角のセンターのAlessandra Zambelliがアタック決定率57%(13/23)ブロック5本の大活躍。コスタグランデのスパイクはあまりよくないけれども、コスタグランデを守備重視で使えるほどRavennaの攻撃陣は充実している。特にBownはここまで悪い試合がない。一方、Modenaではレッジェーリとサングラードのセンター線の活躍が目立ったものの、コンデとパハーレが決まらなかった。
これでRavennaは前半戦トップグループでの折り返しが確定的になった。今シーズンは5強7弱リーグとなっているが、Ravennaは前半の5強との対戦が全て終了しているからだ。5強との直接対戦4試合で3勝1敗、勝点8を得ている。前半残り6試合はいずれ格下との対戦である。
残留争いのグループでは、FirenzeがSpezzanoとの対戦で、2セットを一方的に落としながら3セットを連取して逆転勝ち。しかもその3セットいずれも2点差というきわどい勝ちで、大きな勝点2をもぎ取った。Napoliはキューバ不在のPerugiaにもストレート負け。いよいよ降格の危険性が大きくなってきた。
なお、この節、ImolaとVicenzaの対戦で、トグットが43打数33決定(77%)という歴史的大当たりを記録した。総得点36は、このリーグがラリーポイント制に移行して以来3位とのことである。(1位が今シーズン第1節にゼトバがマークした40点、2位は昨シーズンバーバラが記録した37点)
ReggioC3 (25-23, 25-21, 25-20) 0Bergamo
Ravenna3 (25-21, 26-28, 22-25, 25-23, 17-15) 2Modena

イタリア杯1次リーグ
今回のイタリア杯は前回と大幅に方式が変わっている。セリエA1の12チームを4チームずつ3組に分けてリーグ戦を行い、それぞれ上位2チームが次のラウンドに進出する。しかし、方式が変わっても、やはりカップ戦はリーグ戦とは違う生理がある。実に番狂わせに次ぐ番狂わせとなった。

グループA: Reggio Calabria, Vicenza, Imola, Reggio Emilia
このグループは大荒れに荒れた。Reggio CalabriaがImolaにセットカウント1-3 (15-25, 16-25, 25-17, 23-25)で敗れるという大波乱が発生。それも、3セット2点差でかわされたというようなものではない。この試合、Reggio-Calabriaはロシアの両エースが全く不発、特にポタショーワはわずか3得点。一方Imolaは、シドレンコを使わず、そのエースのポジションにde Grandisという選手を入れたのが大当たりだったようだ。さらに、それと同じ日に、Reggio EmiliaもVicenzaとの対戦でフルセットまで持ち込んだ。この結果、このグループは3チームが2勝1敗となった。しかし、VicenzaはReggio Emiliaとの対戦で勝点1を落としたのが致命傷。Reggio-CalabriaとImolaが準決勝ラウンド進出。

グループB: Modena, Spezzano, Palermo, Napoli
このグループはModenaだけが飛び抜けていて、他の3チームはもともと力の差はほとんどないと思われた。しかしここでもリーグ戦とは違う結果になる。下位3チームの争いでNapoliが2勝、Modenaに続いて準決勝ラウンド進出を果たした。

グループC: Bergamo, Ravenna, Perugia, Firenze
このグループもまた波乱が起きる。Perugiaが、リーグ戦では絶好調のRavennaにストレートで勝利。Bergamoは順当に3戦全勝。BergamoとPerugiaが準決勝ラウンド進出。

第6節: Vicenza - Bergamo
この試合、Bergamoのゼトバは決定率33%にとどまった。しかし、センターエースのペレスと、この試合その対角のセンターに入ったメロが、いずれも決定率60%を超える活躍。いずれのセットも競りながら、Bergamoのストレート勝ち。一方Vicenzaは、トグットは3セットで23本のスパイクを決めながら、グリンカが極度の不振、ミフコバに至ってはスパイク1本も決まっていない。第3セットはミフコバに代えてメンショーワをスタメン起用、この日アタック決定率56%(10/18)と好調だったが、時すでに遅かった。負けた試合のVicenzaを見ると、どうも采配が外れているように思われる。もっと言うと、メンショーワの起用法に非常に疑問が感じられる。なお、この試合の後、Vicenzaは、ゼトバがブルガリア協会から正式の移籍手続きを経ていないという趣旨の抗議をした模様である。ただし、この抗議がどう扱われるかは当面おいておくとする。
Bergamo3 (25-23, 25-22, 26-24) 0Vicenza

第7節
上位5チームはいずれも勝点3で勝っている。その中で最ももつれたのはVicenzaとNapoliの対戦である。この試合、Vicenzaはメンショーワとグリンカというエース対角で先発。メンショーワはほぼフル出場、アタック16/27、ブロック5本、エース3本、13ブレークという大活躍だった。一方NapoliはOkrachkovaとTurleaの両エースが打ち返したものの、及ばなかった。

第8節: Reggio Calabria - Modena
いよいよリーグ最大のお楽しみ、Reggio CalabriaとModenaの一戦である。世界のエース対決、バーバラ対アルはまだ実現しないものの、ReggioCがアルタモノワとポタショーワ、Modenaがフィップスとパハーレ、迫力の大型エース対決である。さてこの試合、アルタモノワは決定率28%とおさえられた。一方、パハーレは決定率48%(29/61)、サーブレシーブも完璧で、攻守に文句なしの活躍。エースの活躍で上回ったModenaがフルセットの末Reggio Calabriaを下した。
VicenzaとSpezzanoの対戦はフルセットにもつれた。この試合、Vicenzaは、前節絶好調だったメンショーワが極度に悪く、ミフコバと何度も交代させるもののそのミフコバも決まらない。トグットは好調、センター線もよく働いているのだが、エースの片方が完全につぶれては苦しい。格下のSpezzano相手に20本のシャット、特に第3,4セット合計で14発のシャットを食らい、この2セットを落とす。最終セットを奪い試合には勝ったものの、上位4チームによるプレーオフ進出に向けて、何とも痛い勝点1となる可能性がある。
FirenzeはPerugiaとの対戦でストレート勝ち、勝点を13にのばし、残留安全圏に到達したと言えそうである。7弱との直接対決6試合で5勝を上げている。ここまで、勝った試合ではゲルマノバのパフォーマンスが安定しているのが目立つ。ブルガリア代表の先輩であるマリノバを獲得したことが成功していることがうかがえる。
Napoliは、残留に向けての大きな山場であるホームのPalermo戦で、フルセットで敗退。10位との差が勝点4に広がり、残留が苦しくなってきた。前節など、内容のよい試合はあっても、勝点をとれるところでなかなかとれない。Spezzano, Imola戦と、前半戦勝点を得るチャンスはまだ残っているものの、これまでの戦いを見る限り、この2試合で勝点4は相当難しい。しかも、今リーグは昇格組がかなり内容のある戦いをしている。
Modena3 (25-23, 16-25, 27-29, 25-17, 15-11) 2ReggioC

第9節: Vicenza - Reggio Calabria
四強に向けて早くも剣が峰にさしかかっているVicenzaが、Reggio Calabria相手に大きな勝利をあげた。この試合、Vicenzaではミフコバがアタック決定率55%、サーブレシーブも完璧で、先発起用が大成功となった。一方、敗れた試合のReggio Calabriaを見ると、アルタモノワはよくても他のサイドアタッカーに力不足が感じられることが多い。
残留争いのグループでは、NapoliがSpezzanoとの対戦でセットカウント3-1、ようやく今季2勝目をあげた。これで勝点7から8の間に4チームが入り、残留争いも混戦となっている。
Vicenza3 (19-25, 24-26, 25-22, 25-21, 15-10) 2ReggioC

第10節: Palermo - Vicenza
Vicenzaは格下のPalermo相手に、2セットを問題なく先取しながら2セットを取り返され、最終セットは奪ったものの、またしても痛い勝点1を落とした。これでVicenzaは、4位との差が勝点2に開き、しかもセット率でも厳しくなっている。前節Reggio-Calabriaに勝ったのも完全に帳消しになってしまった。今回のリーグの上位5チームの競り合いは極めて厳しいものになっており、一つの取りこぼしが致命傷になりうる。一方、残留争いの続くPalermoにとっても、格上との対戦で拾う勝点1は非常に重要な意味を持つ。
残留争いでも重要な対戦が続く。ImolaとNapoliの対戦は、Imolaがセットカウント3-1で勝利。Napoliはまたも残留が苦しくなってきた。一方、Imolaは勝点を11までのばし、一気に残留に近づいている。
Vicenza3 (25-22, 25-11, 18-25, 21-25, 15-11) 2Palermo

第11節: Modena - Bergamo, Vicenza - Firenze
5強直接対決最後のカードがBergamoとModenaの対戦である。この試合、Bergamoのセンターのペレスとメロ(このチームではセンターでの起用)は、両方ともアタック決定率60%以上、2人でブロックも6本と、文句のない働き。エースのゼトバも合計20点を叩き出す。それに対し、Modenaのセンター、レッジェーリとサングラードは、合わせてアタック決定率3割止まり。フィップスだけアタック15/29と健闘するも、パハーレも不調。ブロックでも15本対6本と大差が付き、Bergamoがストレート勝ち。
今シーズンこのリーグは5強7弱の構図になっているが、この節、初めて7弱のチームが5強のチームに黒星をつけた。FirenzeがフルセットでVicenzaに勝利。Vicezaでは、ミフコバがたびたびシャットされた。レフト先発のグリンカはそれ以上に決まらず、メンショーワと何度も交代するものの、それもうまくいかない。一方、Firenzeでは、レフトのMalgorzata Niemczyk Wolskaがアタック25/43の活躍だった。これで、まだシーズン半分終わったところだが、プレーオフ進出の上位4チームは確定に近いと言えるだろう。Vicenzaは4位との差が勝点3に広がり(Modenaがストレートで負けた都合上)、しかもセット率でも非常に分が悪い。
残留争いでは、SpezzanoがPalermoにセットカウント3-1で勝利。Spezzanoも勝点を11とのばした。
Bergamo3 (30-28, 25-23, 25-20) 0Modena
Firenze3 (22-25, 25-21, 28-30, 25-22, 15-9) 2Vicenza

前半戦を終えて、Bergamoが首位で折り返した。キューバ勢とバーバラがいない今回リーグでは、リーグ最強のエースゼトバ、リーグ最強センターのペレスを両方擁するこのチームは、戦力も最も充実していると言えるだろう。
Ravennaは勝点1差で前半戦2位、初戦のBergamoにフルセットで負けただけで気がついてみれば10連勝。登録メンバーを見たところ、そこそこにやるのではないかと思われたが、もちろんこの成績は予想をはるかに上回る。このチームは絶対的エースはいない。しかし、セッター対角にウェールシンク、レフトのコスタグランデに加え、センターのHeather Bownが第三のエースと呼ぶべき活躍を見せている。攻撃のバランスが抜群によいチームになっている。
Reggio-Calabriaは3位。アルタモノワは予想通りの強力さである。しかし、Bergamoに比べるとセンターの迫力には欠ける。また、アルタモノワ以外のサイドアタッカーはパフォーマンスがなかなか安定しない。このあたりが上位との対戦で弱みになるかもしれない。
Modenaは、始まってみると上位5チームの中でも絶対的エースのいないチームになってしまった。そもそも'98-99シーズン以来、センター線は上位チームとしては強いほうではない。下位との対戦で1セットさえ落としていないのはさすがだが、このままでは上位との対戦は少々苦しいかもしれない。
Vicenzaも、絶対的エースのトグット以外パフォーマンスがなかなか安定せず、下位との対戦で取りこぼしが多い。第9節あたりから、2人のセッターが相次いで体調を崩したり負傷したりしたらしく、チームの状態が狂ったのはそれも一因かもしれない。(しかし、第9節はReggio Calabriaに勝っている)守備面では問題はなく、上位と対等に戦う力はある。

下位グループでは、Firenzeの健闘が目立つ。Vicenzaから金星を上げるなど早くも6勝している。昨シーズンもそうだったが、今シーズンも攻撃で目立った選手はいない。しかしながら、昨シーズンはイスキエルド、今シーズンはマリノバと、司令塔には実績十分の選手を起用している。その目の付け所自体は正しいことが証明されている。
Reggio Emiliaは論外としておいて、予想以上に低迷しているのはNapoliである。昨シーズン何度も書いたのだが、このチームはセッターへの認識が甘いと思う。昨シーズン最弱が予想されながら残留、今シーズンも健闘のFirenzeと比較すると、あまりにも対照的である。勝点から見ても流れからしても、降格の残り1チームはNapoliかPalermo(守備に問題がありすぎ)でほぼ決まりと見ている。

第12節: Vicenza - Modena, Bergamo - Ravenna
Vicenzaにとっては、四強入り最後のチャンスに近い試合である。しかし、Vicenzaのアタッカーはそろって不発。中でもグリンカが極度の不振で、この試合も途中でメンショーワと交代。前節と同じパターンだが、またもうまくいかない。トグットの破壊力も通用せず、ストレート負け。11節Firenze相手に敗れたあたりから、チーム全体が切れた状態のおそれもある。Modenaもフィップス・パハーレの両エースは全く決まっていない、特にパハーレは有効得点がマイナスの有様である。レッジェーリ・サングラードの両センターがスパイク決定率50%以上をマークし、上位との対戦で初めてのストレート勝ちに貢献した。
BergamoとRavennaの一戦は、いきなり前半戦の1位と2位の対戦である。Bergamoでは、前節のModena戦に引き続き、ペレス・メロのセンター線が極めて快調。どうやらメロがセンターで固定しそうだ。ゼトバもスパイク25/46(54%)と活躍、セットカウント3-1でRavennaを下した。Ravennaは今シーズン初めて勝点0の敗戦となった。
残留争いでは、PalermoがImolaをフルセットで下し、勝点を11までのばしている。11位にいるNapoliからすれば、Palermoが勝点2、Imolaが勝点1を得るという結果は、最も望ましくないかもしれない。
Modena3 (25-22, 25-18, 31-29) 0Vicenza
Bergamo3 (25-23, 25-18, 20-25, 25-21) 1Ravenna

第13節: Ravenna - Vicenza
Ravennaも後半に入って息切れの様子だ。この日のVicenzaとの対戦では、ウェールシンク・コスタグランデがなかなか決まらず、ブロックされる回数も多かった。Bownも決定率41%にとどまった。一方のVicenzaのエース、トグット・ミフコバ・グリンカも決まらず、スパイクミスも多い。その中で、Vicenzaの武器であるブロックは19本、最終セットだけで5本出て、フルセットでVicenzaが勝った。Ravennaはこれで4位に後退。しかし、Vicenzaとの勝点の差は4点あるので、下位に取りこぼしさえしなければ逃げ切れる可能性は大きい。
さてこの日、残留争いでも重要な対戦が2試合あった。まず一つ、ImolaとPerugiaの対戦で、フルセットでImolaが勝ち。勝点を14としている。ここまで、Perugiaは下位5チームには全て勝点3で勝っていた(一方、上位6チームからは勝点を全くとれていない。順当に勝って順当に負けて面白くないとも言える。)。Imolaにとっては、恐怖からの解放を意味する勝ちといっても差し支えないだろう。
ここまで12試合勝点ゼロが続いていたReggio Emiliaが、この日のNapoliとの対戦でついに今リーグ初めての勝点獲得、それもセットカウント3-1の勝ちで勝点3を得た。REmiliaでは、Jelena Nikolicが、アタック18/33、総得点24ブレーク10の活躍だった。それに対し、Napoliはエースの片方のRita Okrachkovaがほとんどつぶれており、Carmen Turleaに打数が集中。Turleaはアタック29/55と打ちまくったが、勝ちにはつながらなかった。ここで勝点をとれなかったのはNapoliにとって致命傷に近い。さよならA1の気配が極めて濃厚になっている。とはいえ、REmiliaがこの勝ちで勢いに乗る可能性はある。残留争いのチームにとっては、この先Reggio Emiliaとの対戦は油断ならないものになるかもしれない。
Vicenza3 (25-22, 21-25, 25-21, 15-25, 15-7) 2Ravenna

第14節
この節は信じがたい試合結果が相次いだ。最初に見たときは何かの間違いだと思ったほどである。すぐに信じろと言われても無理である。1試合だけでも極めて考えにくい番狂わせが、一度に3試合起こったのだ。番狂わせという表現ではとても言い表せない、天変地異のような一日である。
まず、前節ようやく初勝利をあげたReggio Emiliaが連勝、今シーズン初のストレート勝ちをおさめた。それも、この日勝った相手は上位の一角Vicenzaである。Vicenzaは、大エースのトグットが全く決まらず、ミフコバとメンショーワを何度も交代させるがこれもだめ。一方、EmiliaではTherese Crawfordという選手が目立った。また、試合のMVPにはセッターのEva Stepanchkovaが選出、トスワークも光ったようだ。Reggio Emiliaも11月末の第6節以降セッターを変更している。それ以降も連敗は続いたものの、セッターが代わる前と後では内容ははっきりと違っている。
前節Reggio Emiliaに敗れ、いったんは残留が絶望に近いと思われたNapoliが、この日のとてつもない勝利で息を吹き返した。優勝が有力視されるReggio-Calabria相手、しかもストレートでの勝利。Napoliのアタック決定率は何と61%、中でもCarmen Turleaは17/24の71%、まさに天変地異である。一方、Reggio Calabriaでは、アルタモノワは決まっても対角のポタショーワが極度の不調だった。Calabriaについて気がかりなのは、控えのアタッカーがいないことである。このリーグで優勝を争うクラスのチームなら、レギュラーとほとんど差のない控えのエースが1枚は用意されている。Modenaであればコンデ、Ravennaのレーンストラ、Bergamoはソーシー・ピッチニーニ・リニエーリの誰か一人が控え、Vicenzaではミフコバかメンショーワでメンショーワがリリーフのことが多い。しかし、Calabriaにはこれがいない。したがって、ポタショーワがだめでも交代がきかない。イタリア杯予選リーグのImola戦も同じ形での敗戦だったと思われる。
イタリア全土に吹き荒れた嵐はこれでもおさまらない。これまで下位7チームとの対戦で失セットさえなかったModenaまでも飲み込んだ。この試合、Modenaのアタッカーはそろって決まらず、さらにサーブレシーブが安定せずサービスエース8本を被弾した。サングラードを第3セットまで先発させなかったことも疑問が残る。Perugiaでは、レフトのConsuelo Mangifestaの活躍が目立った。
この日は、Palermoと対戦したBergamoもフルセットまで粘られている。まともな試合結果だったほうが少ないという、何とも恐ろしい一日となった。
これで残留戦線も一度に先が読めなくなってきた。非常に危うくなってきたのは、この日下位で唯一勝点を得られなかったSpezzanoである。SpezzanoとNapoliの差は勝点1まで接近している。

第15節: Bergamo - Napoli
前節に引き続き、この日も大番狂わせが発生した。NapoliがBergamo相手、それもアウェーゲームでセットカウント3-1で勝利。この試合、両チームともブレーク得点はかなり少ない。Napoliの奪った3セットはいずれも2点差、うち2セットはデュースである。戦力で劣るチームでも、サイドアウトを確実に積み重ねていけば勝つチャンスは生まれるという、現行ルールでのセオリー通りの試合である。前節と合わせて、下位との対戦が後半に集中するRavennaを除き、全ての上位チームが番狂わせを食らっている。各チーム仲良くおつきあいして、上位の順位は変わらない。
Napoliは、シーズン当初de Tassisが出遅れ。復帰した後も、de Tassisをリベロに回したりレフトで起用したりと一定せず、そのためサイドの布陣全体が固定しなかった。それが低迷の一因となったことは間違いないだろう。しかしここ数試合は、Okrachkova - de Tassisのレフト対角、Carmen Turleaをセッター対角に回すシフトで固定、これが好結果につながっている。特に、サーブレシーブの負担がなくなったTurleaは快進撃を続けている。この試合ではde Tassisもアタック14/27と活躍した。
確かに13節まで2勝11敗というのは負けすぎ(昇格組2チーム、あるいはReggio Emilia, Firenze, Palermoに簡単に負けるような戦力ではない)だったけれども、そのチームが優勝候補筆頭のBergamoとReggio Calabriaに連勝、それも2試合とも勝点3というのも極めて考えにくい。これで思い出されるのは昨シーズン後半のMateraの快進撃である。通常シーズン1位のReggio Calabriaと2位のModenaを連続撃破、しかもCalabriaはそのMatera戦が通常シーズン唯一の敗戦だった。そしてこのときの主役もほかならぬCarmen Turleaである。この選手を乗せると何かとんでもないことが起こるのかも知れない。

Reggio Emiliaはこの節のSpezzanoとの対戦もストレート勝ち、全て勝点3の3連勝とした。順位はなお最下位にあるけれども、これで残留さえ視野に入ってきた。
Perugiaも、前節Modena戦の勝利に続き、この日はVicenzaにストレート勝ち。Vicenzaとついに順位が逆転しPerugiaが5位になっている。四強が極めて困難になりVicenzaが切れることが危惧されたが、それがどうやら現実になりつつあるようだ。この試合は、前節あまりにも不振だったトグットをスタメンから外し、メンショーワをセッター対角に持ってきた。この起用自体は失敗ではなかったものの、レフトの片方のミフコバが全く決まらず、またセンター線で切れた本数も非常に少ない。2試合続けてフィッセルの出場がないのも大きな打撃のようだ。Perugiaでは、前節に引き続きレフトのConsuelo Mangifestaが試合MVPを獲得する活躍だった。また、この試合もサービスエースは7本決まっている。

PalermoとFirenzeの対戦は、Palermoが何と失点45でストレート勝ち。Palermoも、危険地帯が迫ってくるたびに勝ち星を挙げ、ここまでは実にしぶとい。
ModenaはImolaに無難にストレート勝ち。この節唯一(?)の順当な試合だった。
本来この日最も重要な対戦は、Reggio CalabriaとRavennaの試合である。前節Napoliにまさかのストレート負けを食らったCalabriaだが、この試合は実に簡単にRavennaを下した。Ravennaは、ここまで下位にとどまっているチームとの対戦を後半にごっそり残しているけれども、チーム自体が下降線と思われるだけに非常に厳しい連戦になるかもしれない。
この日の結果、Spezzanoが降格ゾーンに転落。残留戦線は前節以上に混戦、Imolaまでは危うくなっている。それ以上に、これまで下位に低迷したチームがそろって勢いに乗っており、順位の離れた対戦でもどちらが勝つかわからなくなっている。前半の5強7弱の構図は完全に崩れたようだ。
Napoli3 (31-29, 28-26, 18-25, 25-23) 1Bergamo

第16節: Reggio Calabria - Bergamo, Ravenna - Modena
CalabriaとBergamoの一戦は、この時点でリーグ戦1位と2位、優勝有力候補の対決である。前回のこの対戦と同じく、アルタモノワはなかなか決まらなかった。しかし今回は、ポタショーワがアタック16/27、総得点21ブレーク13と、今回リーグ最大の爆発。一方のBergamoは、ゼトバもアタックミスを連発し苦戦。そしてそれ以上に、イタリアエース対角がアタックでもサーブレシーブでも全くだめだった。今回もストレートでCalabriaの勝ち、久しぶりにCalabriaが首位を奪い返した。Bergamoも後半戦に入ってから一時の勢いがない。勝っている試合でもゼトバの破壊力で何とかねじ伏せているという形が多い。
後半に入って上位との対戦で負けが込んでいたRavennaが、Modenaとの対戦でようやく後半2勝目を上げた。Ravennaでは、レフトのSilvia Croatto、センターエースのHeather Bownが、スパイク・ブロック両方で活躍した。一方のModenaは、フィップスはスパイク・ブロックとも好調だったものの、パハーレがなかなか決まらない。それ以上に問題なのがセッター対角のポジションである。先発はいつも通りベルティーニだったものの、あまりにも決まらないため、コンデに交代。しかしこれも全くだめ。下位チームには順当に勝っているものの、勢いの落ちていると思われるRavennaに負けたとなると、Modenaも先行きは楽観できない。最難関のReggio CalabriaとBergamo、勢いのあるNapoliとReggio Emiliaとの対戦は全て残っている。
NapoliはPerugiaとの対戦、Reggio EmiliaはPalermoとの対戦で、いずれも勝点3で勝利。連勝をのばしている。Napoliは残留の可能性がかなり高くなっている。Emiliaは上位との対戦をほとんど残しているため厳しいけれども、まだ望みはつながっている。
RCalabria3 (25-19, 25-22, 25-14) 0Bergamo
Ravenna3 (27-29, 25-23, 25-20, 28-26) 1Modena

「バーバラ応援日記・モデナ編」に続く

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