伝之弐・一千二百年の宿命


阿弖流為達は、車で逃げたと思っていたらまだ東京にいる。
しかも、阿弖流為と美雪は車にはおらず
どこかに出かけている模様!
一刻も早く逃げなければならないのに….そうぼやく武蔵坊の気持ちは痛いほどわかる!

焦る武蔵坊が周囲に目をやると、TV局の車などが近くを走っている光景を目にする。

その先には、包丁をもった少年が、自分は19歳で未成年だから死刑にはならないということで、人を殺す自由があるといい、女性と子供を人質にとり銀行に立てこもっていた。
典型的な原哲夫作品の小悪党ですな。サウザー様ぐらいの大志が無い限り子供を人質にとるのはダメでしょう。
警察もいらだっているため、
クソガキとこぼす始末。動いたら、責任を取らされると考えているようでは、アメリカの警察に追いつくことはできないぞ!

その銀行の屋上には、阿弖流為と美雪がいた。抱えられたまま眠っている美雪に、かわいそうに・・・といいつつ無理矢理過去の出来事のイメージを美雪に見せる(いいのか?)。
龍についての説明が続き、剣を発見して龍一がよろこんでいるシーンまでは、美雪もクスっと喜んでいたが、阿弖流為は容赦無く龍一が殺されるシーンまで見せる。

そして、美雪が目覚めると、「今見せたものは現実だ・・・」と週刊ボストンのあるビルよりもさらに高い
(推定三十階以上)屋上からの光景を見せ、「こうでもせんと信じられんだろ」とキツイ言葉をかける。とどめに、「我は人にあらず。我ら一族異星の民なのだ」と言い、絶句させる。


場所は変わって、高星医大病院。
遅れて到着したらしい内閣総理大臣小無沢氏が、野土川官房長官に「遅い」と叱責される。

絵を見る限り、野中官房長官が、小渕総理を叱責しているように見えるけど、それは原先生の画力の賜物です。それ以上つっこまないようにしましょう。

ベットで謎の生命維持装置を付けられながら横たわっている謎の生命体はしきりに、
「帰りたーい、帰りたぁ〜い」と唸り続ける。そして、弁明する小無沢総理には「いつまで待たす・・・一二〇〇年だぞ〜」と怒りをあらわにした後、小無沢総理はNGワードとも言うべき「阿弖流為が転生したのが・・・」と言ってしまったため、「なぁんだと〜・・・」と大爆発・こうして、小無沢総理は謎の力によって窒息させられるはめに・・・。
「もう、お前には頼まぁ〜ん。総理の代わりはいくらでもおる」という言葉のとおり、次の総理大臣には毛利総理が就任することに・・・(密室政治の実態がこうだったら嫌だなぁ〜)



そして、屋上にいる阿弖流為達をヘリが発見すると、いきなり
ミサイル発射!
阿弖流為は、そこで
美雪を抱え下へ飛び降りることに!(あの〜、超高層ビルなんですけど・・・)

で、着地したのが、包丁を持って「ウーロン茶はど〜したーっ!約束を守らないと人質を一人ずつ殺していくぞー!」とわめく少年の目の前に!
そして、追手の存在を忘れたかのごとく、少年に説教を始める阿弖流為・・・。


少年「(う、上から来ただと一体何物なんだよぉ〜)お、おまえ何やってんだ」
阿弖流為「(なんじゃこの木っ端は・・・)お前の方こそ何やってんだ」
少年「(鬱陶しい馬鹿野郎だ・・・)あっ、人質とってんだよ、見てりゃわかるだろ」
阿弖流為「(・・・軟弱者が)お前いくつだ・・・?」
少年「(いくつって、俺は未成年だぞ・・・なんでそんなことを言われるんだ?)19だ、まだ未成年だ。人を殺したって死刑にはならないんだよー」
阿弖流為「未成年・・・!?なんだそれは。おまえ14歳すぎたら元服した成人だぞ。それを幼い子供を盾にしおって」

少年「(19歳は未成年だろ!何言ってんだよ〜)何わけのわかんねえこと言ってんだーっ!!とにかくこの子は殺す、ボクは約束を守るんだからねー」
少年の手の包丁を子供の首に当てようとした瞬間、あっさりと阿弖流為が救出する。

阿弖流為
「己の怒りのはけ口を幼子に向けて何をわめいておる!!男ならわしのような大将の首を獲ってみせい!!」
少年「(なんだよ、こいつ〜)強そうな人を人質にとるバカがどこにいる。ボクは相手を見てやって・・・」
阿弖流為
「この腑抜けが!!」
阿弖流為の左フックが思いきり少年の顔面に直撃する。
少年「はぶぅ!!(見事に転倒する)。あ、痛い〜本当に痛い〜ああ痛い〜」


このシーンは見ていて本当に痛快なシーンです。


上から黒沢さんご一行が降りてきたので、逃亡する阿弖流為。
「逃がさんぞ、阿弖流為」とサブマシンガンを連射するが、どう考えても標的は少年にしか思えない。

そして、見事に多数の風穴をあけられ、少年は倒れる。
一部始終を見ていた警察の方々は、呆然とするあまり・・・。

その光景を阿弖流為に抱えられたままの美雪は、
どうするの、あの子未成年よ。チャンスを与えれば立ち直ることもできたでしょうに・・・
と、どう考えても無茶だと思うことを言う。
阿弖流為はその発言に対し、「ん!?何をいっておる!?
あのような腑抜けでは戦場なら真っ先に死んでおる・・・捨ておけ!!」と、戦場を引き合いに出すのはともかくとしても、スッキリさせるコメントを返した。

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