Ver.44（アートスフィア）

＜前振り＞
  1995年春のアートスフィアを、ある事情で行けなくなった。それは3月10〜20日の間、父と姉
のスウェーデン->スイス・ジュネーヴ->デンマークを行く家族旅行に付合うことになったの
である。姉が、「最後の家族旅行になるから」というので付合うことになった（姉はこの年の秋
に結婚した）。そして日本に帰ってきた日、日本を震撼させたあの事件が起こっていた。あの事
件の現場は僕の通学路で、もし家族旅行に行かず大学の野球部に行くことになっていたら、事件
の起こった時間帯にあの現場にいたのだ。そう思うとぞっとする。
  ダンサミを見れず運が悪かったか、あの事件に巻き込まれず運がよかったのか、その答えはま
だ出ていない。そのダンサミの後、穴井と島津が抜けたこと、あちゃの初のプロデュース曲を聴
けなかったことを考えると、運が悪かったような気がする。
＜／前振り＞
  1995年夏、天王洲アイルに初めて来た僕は、その近代的な建築に目を奪われていた。
  8月9日は左側の1階の中盤の席、12日は２階席で、両方とも昼の部だった。
  前座の前座に現れたのは第5期研修生の、髪の長いチビな女の子・徳永愛（以下、愛ちゃん）と
ショートカットでチビな女の子・鈴木明子（以下、鈴明）だった（これは8月9日のことで、12日に
は石井智子がいた）。何でも阿波踊りを教えるのだという。そこへ現れたのは高野モニカというひ
ょろ長い第6期研修生。阿波踊りの講義が終わった後、前座「SLASH DANCE〜阿波踊り〜」が始ま
り、ステージのテンションをあげていった。
  ステージが始まると、オートバイの廃虚のオブジェの中、メンバー全員がラバー系のコスチュー
ムを身につけ、「SPEED」に乗ってダンスを展開した。そしてそのスピード感を「Check My Heart
〜空が壊れないように〜」につなげた。しかしそのスピード感をMCで切ってしまった。ここではMC
は不要だったと思った。その後あちゃの「夏がキライ」では、前年涼子が着ていた衣装を着ていた
が、そのときのあちゃの足は細くて白かった。なとりったの曲のバックダンサーを勤めていたのは、
8月9日は雅だけで、12日にはそこに清水章代が加わった（何でも9日の方は清水が病欠だった）。
その後のEARLY Cha-Dance MEDLEYにおいて、「十代に罪はない」で平野の出番があったが、どこ
にいるのかがわからなかった。「LET'S FALL IN LOVE」では鈴明、石井（12日では清水も参加）
登場し、鈴明が胸をユサユサさせていた。その後ヤギマイ、かな、関、さとPのソロが続いた。そ
のときのかなの衣装のとんでもない衣装で、へそ出しにしては過ぎた露出だった。「カーニヴァル」
はさとPがうまく歌いこなせていた。
  なとりった、あちゃ、雅が白の、第5、6期研修生が色とりどりのビバケセを着て（鈴明は黄緑、
愛ちゃんはオレンジ、石井は青、清水は赤、平野は黄色、鈴桃はピンク、岡田は赤、佐野は薄いピ
ンク）、「愛のサンバ」、「ビバ！ケセラセラ」、「CONGA!」で歌い踊っていた（なお、「CONGA!
」はビデオに収録されていない）。「CONGA!」では恵比寿ガーデンホール同様第5、6期研修生が客
席に降りてきた（しかしなとりった、あちゃ、雅は降りてこなかった）。あちゃのビバケセはあち
ゃの肌の白とよく合っていて、足の細さとスタイルの良さを強調していた。そして「CONGA!」であ
ちゃは元気よくステージ上を飛び跳ねていてとても（⌒0⌒）きれいだった（くそぉ〜、「CONGA!」
もビデオにいれてくれよなぁ〜）。雅の白く健康的な肌と体格にもビバケセが合っていた。
  その後、「気持ちはING」から最後まで知砂、夏ちゃん、かな、関を中心によく締めてくれた。
「ジャストライクマジック」、「キスは少年を浪費する」のノリはよかったと思う。
  この公演が終わって、知砂はこの公演について「体力が有り余るほど、物足りない感じがする」
と振り返っていた。
  そして、これが僕にとって最後のダンサミだった。