入院                                       

 先般、簡単な手術のために一週間ほど入院した。 六人が同室する病室で一週間ほどを過ごしたのだが、それぞれの方が病と闘っておられた。 私が一番軽い患者で、長い方は何ヶ月にも亘る闘病をされていた。でも暗い感じの方が居なくて、それぞれ希望をもって生きておられる様子に私は感激した。決して人生に絶望せず、同室の人たちに希望を与えているようだった。病は試練、これが人間を強くするのである、

 ろうそくはまわりに光を与えながら、自分は消えていきます。私たちのいのちも限りなく無条件に与えながら、見返りを期待しない人生でありたいものです。
                      (V・D・スーザ「そよ風のように生きる」)


 この言葉は私の好きな言葉の一つなのですが、見返ヘリを求めず周囲の人の心に明かりをともし続けるこんな人生を送れれば悔いは残らないと思うからです。主イエスが語られていますが、「自分を愛するように隣人を愛しなさい」とはまさにしんな人生なのでしょう。無償の愛ほど素晴らしいものはありません。


 病院という一見厳しい環境の中にで、先の見えない不安の多い闘病生活を続けているにもかかわらず、周りの人に希望の光を与え続けている人達がいる、そんな体験をすることが出来たように思います。 それは信仰にも似た信頼と感謝の対象を心に持ち続けているから出来ることなのでしょう。今は自己中心的で些細なことで他人を殺めたりする暗いニュースが多いのですが、病を得ているにもかかわらず、回りの人たちに光を与え続けている、そんな姿は病院という特殊な環境でしか見られないのでしょうか。 持てる者は奢り、全てが自分の思うがままになると信じて生きています。果たしへそうでしょうか、一寸先は闇、これが人生の真実ではないでしょうか。でも絶望しない、信頼する対象を持っていることが大切です。
 貴重な体験をした一週間だったと思います。