彩の国さいたま

 

学校におけるインターネット

利用に関するガイドライン

 

1 個人情報の保護

 

2 セキュリティの確保

 

3 著作権への配慮

 

4 その他の配慮事項

 

 

 

平成11年 3月

 

埼 玉 県 教 育 委 員 会

 

 

 

 このガイドラインは、県公立学校においてインターネットを活用した教育活

動を行う際の、個人情報の保護、セキュリティの確保、著作権への配慮、その

他の配慮事項を示すものである。

1 個人情報の保護

l)基本的な考え方

  インターネットを活用した教育活動を行う際には、個人情報保護に配

 慮する必要がある。特に、幼児児童生徒等の本籍、住所、電話番号、生

 年月日、性別、家族構成、思想・信条等に関する情報が、ホームページ

 等に掲載された場合悪用される可能性が高いため、取り扱ってはならな

 い。

  なお、本県では、「埼玉県個人情報保護条例」が定められており、こ

 れに基づき、個人情報の保護に努める必要がある。

2) 県公立学校で作成して発信する個人情報の扱い

 人権を尊重し、その安全を確保する観点から、原則として、ホームペ

ージに個人情報の掲載を行ってはならない。

 ただし、学校行事の紹介、幼児児童生徒の制作作品の紹介、活動成果

の紹介など、校長が必要であると判断する場合には、本人・保護者の同

意を得て、以下の範囲内において掲載することができる。

ア 氏名等

  幼児児童生徒等の作品などに付す場合、個人情報の掲載が不可欠な

場合に限り、氏名、学年、学科に限定すること。

イ 写真

 幼児児童生徒等の写真を掲載する際には、集合写真とするなど個人

が特定できないようにすること。

1−

 

ウ 作品

 幼児児童生徒、教職員等の作品については、教育活動の過程におい

て制作されたもの、各種研究会、発表会、展覧会等に応募したもの及

び既刊の冊子等に掲載されたものに限ること。

エ 意見・主張・感想等                ′

 幼児児童生徒等の意見・主張・感想等については、個人が特定でき

ないようにすること。

 

 

2 セキュリティの確保

 セキュリティとは、インターネットを安心して利用するために注意を払う

べき安全対策のことをいう。

                 

 サーバ内に蓄積された情報の漏洩を防止するため、セキュリティの確保を

図ることは特に重要である。インターネットを利用する際には、校内に管理

責任者を定め、責任体制を確立し、適正な管理・運営を図る必要がある。

また、幼児児童生徒にセキュリティの必要性について指導する必要がある。

 

1)パスワード、IDの不正利用を防止するため、パスワードを定期的に

更新するなど適切な管理を行い、情報の漏洩を防止すること。

(2) パスワードの漏洩事故等が発生した場合には、原因が解明されるまで

一旦停止するとともに、原因を究明するなど、漏洩事故の再発を防止す

ること。

(3) 定期的にインターネットの利用状況を把握し、利用状況の記録及び監

視を行うこと。

2−

 

3 著作権への配慮

 文章や写真、音楽、ソフトウェアなどの著作物に関する権利は、著作権者

だけが有しており、これを複製、転載、改変する場合は、著作権者の許諾を

得なければならない。

 県公立学校がインターネットを利用する際には、次の事項が著作権の侵害

に当たるので幼児児童生徒に適切に指導する必要がある。

(1)他人のホームページや電子掲示板に載っている文章や写真等を、無断

 で他のホームページや電子掲示板に転載すること。

(2)書籍、雑誌、新聞などの紀事や写真を無断で転載すること。

(3)テレビやビデオから取り込んだ画像やデータを無断で掲載すること。

(4)芸能人や著名人の写真、キャラクターの画像データを無断で掲載する

 こと。

(5)他人が作成したソフトウェアやそれを改変したプログラムを無断で掲

 載すること。

(6)音楽や歌詞又はCD等から取り込んだデータを無断で掲戟すること。

(7)他人の電子メールを無断で掲載すること。

 

3−

 

4 その他の配慮事項

(1)幼児児童生徒が利用する際の配慮事項

 県公立学校は、次の点について配慮し、幼児児童生徒の自らの判断、責

 任においてインターネットを利用させることが大切である。

ア 幼児児童生徒がインターネットを利用する際には、必ず教職員の指導

  のもとで行うこと。

イ 幼児児童生徒によるホームページ作りを学習活動に取り入れる際には、

 単に他人の情報を切り貼りして発信しないよう指導すること。

ウ インターネット利用の初期段階においては、いきなり外部との交流を

 行わず、教室内等において電子メールのやりとりをするなど、インター

 ネットの特徴を踏まえた慣れるための期間を設けること。

エ コンピュータの活用を通して、必要な情報を主体的に収集・判断・表

 現・処理できる能力を育成すること。

オ 日常の教育活動の中で、情報モラルの必要性や情報に対する責任につ

 いて考えさせ、情報社会に適切に参画する態度を育てること。

カ 商標権を侵害しないこと。

キ 肖像権を侵害しないこと。

 

(2)違法・有害な情報への対応

 インターネットのホームページ等には、幼児児童生徒の健全な発達に好まし

 くない違法・有害な情報が流通している。このため、次の点に配慮し、適

 切な対応を図る必要がある。

 ア 学校において情報を発信するホームページは、県教育委員会が管理運

 営するサーバ又は学校が契約したプロパイダ内のサーバに開設する。

                                       

4一

 

イ 法令及び公序良俗に反するもの、営利を目的とするもの、著作権等を

侵害するもの、第三者の権利を犯すもの、第三者を誹謗中傷するもの、

差別につながるもの、その他校長が不適当と判断するものは、ホームペ

ージ等に掲載しない。

ウ 幼児児童生徒が違法・有害な情報に接続できないよう、フィルタリング技術

の活用を図る。

 

 

3)教職員の研修

 県公立学校におけるインターネットの活用方法や、情報モラルの育成に

 ついて、各学校では指導方法や指導内容に係る実践的な研究を進めるとと

 もに、校長や管理責任者等が中心となり、次の内容について校内研修を充

 実させる必要がある.

ア インターネットの利用における個人情報、著作権の保護などに関する

こと。

イ インターネット利用等に係るモラルに関すること。

ウ インターネット利用等に係る情報の管理やセキュリティの確保に関す

ること。

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インターネット用語集

1 サーバ(server)   

 「server」は「提供者」の意。コンピュータ分野では、ある特定のサービ

スを提供するシステムやコンピュータを指す。

 

2 パスワ−ド(password)

 コンピュータシステムの認証を受ける際、利用者名とともに入力する文字

列。パスワードは特定の利用者しか知らないので、これが正しく入力されれ

ば、アクセスしているのがその利用者本人であることを認証できる。

 

3 ID(identification)

identification」は「身分証明(書)」の意。

 

4 インターネットサービスプロバイダ(Internet service provider)

営利目的で、インターネットへの接続サービスを提供する企業。

Internetプロバイダ」、あるいは単に「プロバイダ」と呼ばれる。

 

5 フィルタリング

 ホームページを開発する際に、そのホームページに違法・有害情報があれ

ば、表示できないようにすること.

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