東北旅行記

出発まで

日本国内でまだ行ったことがない都道府県が四つある  岩手、鳥取、島根、鹿児島県だ  ヨーロッパへ行ってマイルがたまったので日本国内だったらどこでも無料航空券がもらえる  遠い岩手へ行ってみようということにした

行きたいところは 八幡平、盛岡、三陸海岸、遠野、花巻、平泉等沢山あるが同行者の都合で5泊しか出来ない  私たちの旅行ぶりでは多くの場所へいけない  花巻空港近くの夏油(げとう)温泉に2泊、田沢湖近くの乳頭(にゅうとう)温泉に2泊、 角館に1泊として秋田県にも足を伸ばした

10月18日  木曜日  晴れ時々曇り

JAS631 伊丹発10時25分  空港での検査で金属探知機の感度が上がっているのか服の小さな金属部品にも反応して厳重なチェックを受ける  花巻空港着11時30分

近くの観光地を調べて宮沢賢治記念館へ行くことにする  花巻駅までバスに乗り駅前の観光案内所で聞くと賢治館へ行くバスの時間まで20分しかない  ゆっくり食事の時間を取ることが出来ず駅そばでかきあげそばとめかぶそばを食べる  めかぶそばはおいしい

賢治館の方へ行くバスは料金100円だ  賢治館前のバス停から山の上の賢治館までふうふう言いながら上がって行く  雰囲気のいい森の中にあるが 展示物には感激がない

今日泊まる夏油温泉行き最終バスは北上駅発15時10分だが賢治館前からバスではそれに間に合わないのでタクシーで花巻駅に行く  北上駅から夏油温泉行きのバスの乗客は10人くらいでほとんどの人が終点まで乗っていた  16時15分夏油温泉着  途中の瀬美温泉まではまだ紅葉にはやや早いと言う感じだったが瀬美から山をあがるにつれて紅葉してきて 夏油温泉では紅葉真っ盛りだ ぶなの大木が多く実際には黄葉だ

夏油温泉には宿が4軒ある  大きいものから 元湯夏油、国民宿舎夏油山荘、夏油観光ホテル、昭和館だ  私達の予約した昭和館は元湯夏油の奥にあるようだが元湯夏油の建物をつなぐ渡り廊下が邪魔をしている  案内図のところへ戻って確認するが間違いない  渡り廊下の一部を跳ね上げて通れるようになっている

昭和館に着くと一番いい部屋に通してくれる  夏油川に面していて窓を開けると黄葉一色だ  下の川べりに外湯の建物が見える  黄葉真っ盛りと思ったが宿の人いわく1週間前が最盛期で今は少し枯れかかっているそうだ  宿は30室くらいあるが他に客は3人しかいないので静かである  建物は古く内湯がなく外湯へ入りに行かなければならないと聞いて 同行者は不安顔になる

夏油温泉の外湯は 大湯、滝の湯、疝気の湯、真湯、目の湯(女の湯)がありメインの大湯へ行く  いつもは混浴だが女性専用時間がありそれまで10分しかない  あわてて入ろうとするともうすぐ女性の時間ですよと注意される  かまわず入り5分くらいで上がる  暖まっていないのですぐ上の滝の湯へ行く  ここは大湯の女性専用時間だけ男性専用になっている  他の湯は露天かまたは屋根はあっても外に開放されているが鶴の湯は建物の中の湯だ  大湯は温度がちょうど良かったが滝の湯はぬるい  30分位つかってようやく上がる

今まで行った東北の温泉はどこも旅館部と自炊部(湯治客、長期滞在客)とあるが昭和館は建物からして自炊部用である  今日は2食付きで頼んだ  出てきた夕食は見掛けはやや悪いがおいしい  ただし私達には量が多かった

昭和館前 目の湯 夕食
昭和館前 目の湯 夕食

夏油温泉情報

http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/spa/geto/geto.htm

http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/onsen/geto.html

10月19日  金曜日  晴れ

朝早く目が覚めて5時30分ごろ大湯へいく  若い男女が二人だけ入っていて小さくなって入る

朝食時隣のテーブルに座った横浜から来た少し年上くらいの男性と話をする  もう一ヶ月くらいいて今日出発予定だったが後二三日延長するとのこと   食事は好みのものを言って作ってもらっている  ここの外湯のうち大湯と真湯の温度がちょうどよいがほかの湯は最近ぬるいそうだ

10時ごろから1時間ほど朝寝をしてから宿を出てまず洞窟の湯へ行こうとバス停まで行くと山から籠を担いだ人が降りてきた   茸採りだというので見せてもらうと大きなナメコが3kgほど入っている  茸採りのプロでここの宿に泊まって茸採りをしているのだそうだ   今年はまったくの不作だそうで例年だったら籠にいっぱい採れるのだそうだ

国民宿舎の裏から5分くらい歩くと道は行き止まりになり突き当たりに高さ10mくらいの滝がありその横に洞窟の湯がある   覗くと誰も入っていない  同行者が入ろうか迷っていると若い男女が来てさっさと入っていった  同行者を説得して一緒に入る   明かりはなく暗い  温度はかなり低く36℃くらいか  深さは膝くらいまででつかるか立って蒸し風呂にするかどちらにしても30分は 入っていないと寒くて上がれない

洞窟温泉と滝 洞窟温泉 天狗の岩 昭和館の夕食
洞窟温泉と滝 洞窟温泉 天狗の岩 昭和館の夕食

元湯夏油内の経塚食堂で舞茸入りひっつみ(すいとん)(700円)で北上わっかビール(700)円を飲む

案内パンフレットに出ている天狗の岩へ行く  昭和館の前から20分くらい歩くと夏油川沿いの川向こうに大きな石灰華が現れる   今は上から湯がちょろちょろと出ているだけだが横浜からの人によると30年位前には上のくぼみでお湯に入ったことがあるそうだ

16時過ぎに真湯へ入りに行く  女の湯も覗いたがぬるくてとても入れない  真湯に入っていると女性6人が来て女の湯へ入っていく   しばらくすると出てきてぬるくてたまらないからといって真湯に入り混浴になる

夕食は夕定食(2000円)を頼む  量は少ないが私たちにはちょうどよい量だ  普通の温泉旅館の夕食は量が多いのと品物がありきたりだ   ここの夕定食は秘湯へ来た感じがする

10月20日 土曜日 晴れ

朝5時前に目が覚めて散歩に出る  夏油元湯の所のゲートが閉まっていて通れないので元湯の建物の中を通って外へ出る   麓のほうへ行く道へ行き同じ道を帰ってくるとちょうど朝日が遠くの山の上のほうが赤くなっている  まわりの黄葉がきれいだ

夏油温泉の朝 昭和館の炊事担当
夏油温泉の朝 昭和館の炊事担当

9時45分発のバスで出発  北上駅から普通電車に乗るつもりだったが新幹線の特急券が盛岡まで840円、盛岡から角館までが810円と安いので 新幹線に乗る  北上発11時03分 角館着12時22分

13時01分発のバスで紅葉で有名な抱返り渓谷へ行く  まだ黄葉し始めたばかりで見ごろには早すぎる  しかし観光の人は大勢来ている   回顧(みかえり)の滝まで行く  ほとんどの人がここまで来て帰っていく  同行者が芋の子汁を注文して食べているとそこのおじさんが 和歌をいろいろ詠んでくれる  ここら辺では有名な人らしい

抱き返り渓谷の黄葉 回顧の滝 和歌読み
抱き返り渓谷の黄葉 回顧の滝 和歌読み

抱返り入口初5時40分のバスで角館へ帰る  武家屋敷のあたりをぶらぶら散歩後いなほ食堂で夕食  しょっつる鍋(1500円)、 鍋焼うどん(900円)、角館ビール(700円×2)、地酒秀よし(700円)、おくまめ(300円)

角館駅前のホテル フォルクローロ角館にチェックイン19時05分(1泊朝食付 12600円)

10月21日 日曜日 晴れ

9時15分ホテル発  駅前の農協売店 花咲きの里(女性の手作り品の販売)で栗煮、小芋、いんげんを買う 旅行の途中でこんなものを 買ったら重くてしょうがないが同行者が買うといったら仕方がない

花咲きの里 革館のジャンパー 田中康夫さん フェラーリ ハーラーダビッドソンの一団
花咲きの里 革館のジャンパー 田中康夫さん フェラーリ ハーレーダビッドソンの一団

西宮家を見てから南へ歩き出すとすぐのところに派手なピンクの看板がある  かくのだての革館(かくのだてと読ませるらしい)だ   喫茶店とハンドバッグのような革製品の店だ  革製品は鮮やかな色に染められている  こんな鮮やかな色の革は初めて見る   同行者はジャンパーが気に入ったようだが値段を聞いてびっくりウン十万円だ  経営者でこの革製品の作者の田中康夫さんの話を聞いていると バリバリと音がして真っ赤で派手なフェラーリが入ってきた  秋田市から来た人でフェラーリは2000万円もするそうだ

安藤家で味噌、醤油、漬物を買った後 北のほうの武家屋敷街へ行く  伝承館で樺細工の実演を見学  青柳家の前あたりでドッドッという 音とともにはーレーダビッドソンに乗った一団が現れた  このオートバイに乗っている人はほとんど中年の男性ばかりだ

15時14分角館駅発の電車で田沢湖駅まで行きバスで乳頭温泉へ行く  きょうはここの大釜温泉泊りだ  内湯はいかにも秘湯らしい古いつくりだ   残念なことに露天風呂が工事中で入ることはできたが工事の材料等がおいてあり趣がない

10月22日 月曜日 晴れ後曇り

朝食時横に座っていた秋田市から来た二人連れと話していて食事がまずいことで意見が一致した  秋田の人いわく夕食のきりたんぽ鍋の味が まったくだめだった  芹が入っていないのもいけないそうだ  まったく同感なので2泊することにしていたが隣の妙の湯が空いていないか聞きにいく   たまたま空いていたのでかわることにする  宿の人の客あしらいがまったく違う  妙の湯のほうがだんぜん良い 大釜温泉のほうが秘湯らしい 建物なのだが残念である

秋田市からの二人 大釜温泉 妙の湯 孫六温泉 硫黄華? 泥で化粧
秋田市からの二人 大釜温泉 妙の湯 孫六温泉 硫黄華? 泥で化粧

妙の湯に荷物を預け湯めぐり帳(1000円)を購入 これで乳頭温泉の全部の湯に入れるのだ  孫六温泉を過ぎて黒湯温泉の下へ行くと 谷の上のほうに湯煙が上がっている  近くで工事をしている人に聞くとそこらじゅうに温泉が出るそうだ  湯煙のところへ行くと 夏油温泉の天狗の岩(石灰華)とそっくりの形をした物がある  こちらは石灰ではなく硫黄のように見える

黒湯の露天風呂 水入れ? 蟹場温泉の露天風呂 妙の湯の露天風呂 妙の湯の夕食
黒湯の露天風呂 水入れ? 蟹場温泉の露天風呂 妙の湯の露天風呂 妙の湯の夕食

所々に湯と泥が噴出していて同行者がその泥を顔に塗って化粧をする  いかにも肌をきれいにしそうな泥である   黒湯の露天風呂は脱衣場が男女一緒なので女性が入りにくく同行者は下の屋内の湯へ行く  上がって同行者が出てくるのを待っていると  地獄というのだろうか湯と泥が噴出しているところへ水が入れられている  この水が本来の噴出したものと混ざって下の屋内の湯へ入っていくのだ

この後孫六温泉へ行く  露天風呂には木の葉がいっぱいで湯もぬるく入れない  女性専用露天風呂は温度がちょうど良いらしいが入るわけにはいかない   屋内の湯は熱くて入れない  足湯で我慢する  平日は客が少なく湯の準備が十分にしていない  ここでもきのこ取りに滞在してる人がいて話を聞く   夏油温泉であった人と同じく今年はぜんぜんきのこが取れないそうである

次に蟹場温泉へ行く  客あしらいは良い  露天風呂は混浴だが脱衣場がまったく別で入りやすい  バスで来た団体の女性が何人も入ってくる   回りの景色雰囲気がよく最高の露天風呂である

16時ごろ妙の湯にチェックイン  従業員の応対は全部良く山奥の秘湯へ来た感じではなく都会の一流旅館のような感じである   ここの露天風呂も最高だ  川に面していて景色がよく赤色の湯もぴたりと回りの景色に合う  夕食が良い  量が私たち熟年夫婦に適度できのこ汁等の 山の幸ががおいしい  器がきれいである  夜半に雨が降り出した

10月23日 火曜日 8時ごろまで雨後晴れ

朝食もおいしい  妙の湯は満点だ  高いのが唯一の欠点だ  といっても1人1泊2食付で13000円だったけれど

同行者がほしいといった革のジャンパーを買うことにして角館へ行く  8時55分のバスで田沢湖バスセンターへ行きそこから 角館行きのバスに乗り表町で降りる  バス停のすぐ前に角館公民館がある  小野崎家をそのまま使っている  桜で有名な桧木内川の堤防に出ると 何千本という桜の並木だ  花の季節に来たいものである  町内の桜はしだればっかりだが堤防のはソメイヨシノのようである

駐車場すぐ横の藁葺きの松本家でイタヤ細工をしばらく見学する  ここは下級武士の家で表通りの上級武士の家とは作りがまったく違う

角館公民館 松本家のイタヤ細工 革館前にて
角館公民館 松本家のイタヤ細工 革館前にて

昼食は そば菊蔵で天ぷら板そばをさかなに大吟醸菊蔵を飲む

ふわっといい気持ちで革館へ行き革ジャンパーを購入  ウン十万円もした

角館駅から普通電車で花巻空港駅まで行く  駅から空港ビルまで少し距離がありタクシーに乗る  900円

花巻空港発19時30分  伊丹空港着21時15分