情報サービス論期末試験用講義ノート (続 2/5)


参考図書(レファレンス・ブックス、探す出発点)の種類

参考図書: 調べる本
  –参考図書コーナー、参考図書室: 禁帯出、Reference、Ref、R などの別置記号が付与されている
  –重い、価格が高い、低書架に配架の傾向
  –通読しない、
  –非参考図書にも注目のこと

参考図書の種類

 案内指示的(文献調査)  書誌・目録・索引、(二次資料)

    一般利用者はあまり見ない、購入依頼しない

    司書が利用するケースが多い

 事実解説的(事項調査)  辞典、事典、便覧、年表、年鑑

    一般利用者も利用する


参考図書のWeb化が進行


参考質問の類型

参考業務のプロセス
1、質問の受け付け
2、探索方法の検討
3、情報源、検索語の選定
4、探索の実行
5、情報の入手、発見
6、質問者への回答


参考図書の代表的リスト・ガイド(解題)

  ・日本の高次(3次以上)資料

 ・外国の高次(3次以上)資料


参考図書の主要出版社
 –日外アソシエーツ
Bowker
H.W.Wilson

本を探す(インターネットでかなり可能)
現在出版されているもの、最近出版されたもの
これから出版を予定しているもの
過去に出版され、絶版となっていたりするもの
売ってない出版物

目録 (図書館所蔵図書 )

 –本はあるが、目録が作成されていない本
 –目録にあって、本がない。

・これから出版される図書

    ・これから出る本」(日本書籍出版協会刊)

    ・出版社広告(広報誌など)、出版社HPのRSS

・最近出版された図書

    ・新聞広告欄、書評欄


現在出版されている図書

  ・books.or.jp

 ・各出版社の目録

  ・取次(トーハン、日販など)、書店

過去に出版された図書

  ・図書館目録

  ・出版年鑑(出版年がほぼ判明している場合)

  ・古書店 月刊古書通信

  ・『国書総目録』(江戸時代までに刊行された和書の所在) ー> 国書データベース(国文学研究資料館)


国内の図書を探すのが困難な点
       
年間89万冊出版される新刊を把握する必要がある
      ・現在出版中の図書
94万冊
       
・非販売の政府刊行物
        国立国会図書館に納本されない場合がある。
         灰色文献と呼ばれる。
grey literature
       
・絶版となった図書
   
 ・所蔵されていても図書館が書誌データを
入力してないケースがある。

         国立国会図書館は所蔵約900万冊のうち約720万冊以上(2014年4月現在)が検索可能


国内での出版情報へのアクセス

 ・出版社、日本書籍出版協会

 ・取次

 ・図書館: 特に国立国会図書館

 ・書誌ユティリティ: 国立情報学研究所

 ・新聞、週刊誌 <−−利用者


RSS feed による新刊・近刊・出版予定情報の入手

 ・出版社HPによる案内

 ・図書館HPでの新着図書案内

 ・図書館OPAC検索画面での表示

 ・次世代図書館OPACで期間限定にて検索し、検索結果をRSS化する


欧米の出版物の検索

    電子書籍、電子ブックeブック等の特徴・問題点

      機種、ソフトなどに依存

      消滅や再読み込み不可の可能性

      利用者のICTリテラシーの問題

      更新、訂正、追加が即座にできる

      どこからでも入手可能かつ読める

      マルチメディア機能

      全文フリーワード検索が可能

      書き込み、ブックマーク(しおり)が可能

      利用者購買・読書行動が把握しうる

      著作権問題(複製が簡単に可能、自炊)

      流通が単純化


雑誌を探す
 ・雑誌の所蔵を確認する。

 ・雑誌の論文・記事を探す。(有料データベースを使う場合が多い)

・雑誌の最新号を閲覧する。
・論文・記事を検索する場合、最終的には原報をコピー、ファックス、電子ファイルなどで入手するケースが多い。
・リンクリゾルバ(link resolver): 検索結果から電子ジャーナル,冊子の所蔵確認,ILL申し込みなどへのリンクを提供。

雑誌の存在を調べる。
Ulrich’s International Periodicals Directory  1932- Bowker
Current Contents (最新目次集)

雑誌記事索引

   「雑誌記事索引」1948- 国立国会図書館  Web版

  CiNii Articles 国立情報学研究所 CiNii Books(雑誌所在検索)とCiNii Articles(雑誌記事検索)

 Google Scholar

  「科学技術文献速報」 1958- 科学技術振興機構 ー>JDreamV

  一般雑誌、通俗雑誌

   大宅壮一文庫 (Web OYA-bunko)

      magazineplus 日外アソシエーツ

   IngentaConnect



雑誌を探す・識別する手がかり

 ・ISSN(International Standard Serial Number)

      4桁-4桁の8桁の数字・記号で構成

   例: 0385-4000 「図書館雑誌」月刊誌

   通常、雑誌の表紙上に記載、世界の逐次刊行物の総背番号

   Unescoが管理、日本での番号申請は国立国会図書館が窓口

   年報、年鑑など年1回刊行される物にはISBN(国際標準図書番号)とISSNの両方がつく場合がある



雑誌論文記事利用の特徴

  ・より最新のもの
 ・
分野では自然科学系のニーズが高い
 ・検索・閲覧は法人契約による有料での利用が多い
 ・電子化が図書よりも進んでいる

 ・学術雑誌と一般雑誌の2種類   


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