仕事日記●○●6月
小文字青〈佐山さん〉小文字赤〈管理人〉※小タイトルは管理人がつけています。


6月1日(土) 川嶋セッション 銀座・swing city
今日の音、今のプレイ、次の音、、、、

6月3日(月) 大成勝代 チェコ大使館
明治期から日本の古美術を大量にかいつけていたチェコスロバキア(現チェコ、旧ハプスブルグ)が10数年前のプラハの春でやっと表現が自由になったのをうけて漆などの修復に力を注げるようになり、技術を拾得すべく国から派遣された女性が訪ねたのが、その時すでに高齢であった西山仏師。
その娘が結婚した相手が造型美術家の大成浩。彼の作品をメインにすえて、新装なったプラハ東洋美術館で3ヶ月に渡って開かれた日本〜東洋美術展を受けて、富山市とチェコ大使館主催でひらかれた両国の作家による展覧会に花を添えるべく招かれた歌のゲストが、大成浩の妹、勝代。
リハーサル場所にと千歳船橋のカルラホールという、こんなところにこんな豪華な、、、、とため息の出るような場所を紹介してくれたのが、兄妹の末っ子の奥様。
その3兄弟の母親は戦争未亡人となって満州から3人の子供をつれかえり、女手一つで富山県は魚津の町で育て上げたそうな。勝代の夫の奥野氏が電通マンだったころにNHKが魚津の町を題材にしたドラマを放映。その音楽を担当していたのがわれらが堀井勝美。
2年前に堀井が魚津のイベントにゲストで呼ばれた時に連れていったピアニストが佐山雅弘。
エニシはつづく。

6月4日(火) チャカ 三田・三田倶楽部
小井政都志(b)・松山修(d)
チャカはほんとうにレパが広い。英語がうまい、というよりは語学を超えた理解力だろう。英語、英詞を通じた唄への切り込みには目を見張るものがある。越智ジュンコは妹分だというが、唄への熱意、入り込みその他すばらしい影響を自分のものにしているといえる。

6月5日(水) 月猫リハ
新ネタ”3枚のお札”は本当におもしろい。早く本番での客の反応がみたい。

6月6日(木) ODU 高円寺・次郎吉
バカボン鈴木、髄膜炎で入院。髄膜ってどこだ?命に別状はないっていうけど本当かなぁ。

6月7日(金) 伝兵衛 塩竈
昼食のタイミングを逃して駅弁も地味だし仙台に着いたら構内の牛タンだと心に決めて降りた。主催団体である青年会議所の名取氏の”お寿司屋さんを用意してあるんですが、、、”の制止も聞かず大盛りをいただき、30分程もくつろいで、さぁ、と出てみるともう一人お迎えの人が待っていてこりゃ申し訳ない。

天然の良港を広い窓から眺めながらのリハーサルを気分よくすすめている傍らでステージを埋める程の花が並べられていく。あぁ鼻を直しといてよかったわい、と機嫌よくピアノを弾く鼻孔に満ちて来た匂いは????3年前の手術まで25年間無臭の末期的蓄膿症患者にして今だ臭いの初心者としてはかすかな記憶を辿っていたところ”もえてる〜!”いつの間にか照明にハラリとかかってしまっていた飾り布がその熱で黒〜く焦げでしていて数秒後には炎とならんばかりのところ。嗅覚回復直後の
”これはなんの匂いですか?”
”海です。潮の香です”
というあの感動的な長崎の午後から始まって、時には”このものはこんなにも臭かったのか”とおどろきつつもそれすら愛おしい程にさまざまな匂い、香を楽しみ学習してはきたが考えてみたらものの焦げる匂いというのはなかった。
若気の至り真っ最中の頃に追い焚き式の風呂に点火したまま酔い寝してるところへ、たまたま訪ねてくれた斉藤誠君(jazz basist)がこんなに焦げ臭いのもわからんのか、とあきれていたのを思い出す。あのときはたてかけてあったスニーカーがもくもくと煙りをあげていたのだった。斉藤君の来訪が深夜2時前後だったことと思いあわせても、まことに彼は命の恩人である。

話は塩竈にもどる。
てんやわんやでリハを終わっていざ件の寿司屋に連れられた。まぐろ水揚げ日本一、仙台の人々がうまい寿司を食べに車で30分かけて来るというこの町。なんだか札幌と小樽の関係を連想しますね。その中でも特にネタがいいと評判のお店なんだそうである。マリナーズの佐々木投手が帰郷の折には必ず寄る所でもあるそうな。それがどうした、などと口性ない人もいそうだが有名人というのは気の毒なものである。自分の預かり知らぬ所で自分のなんでもない行いについてとやかく話題にされる。無芸タレントならばそのことも彼らの寄って立っている実体のない何かを助長するのに役立つのだろうが、この場合のように一芸を磨きに磨いて然るべき立場を獲得した人については本当に気の毒に思う。それすら余計なお世話である。勿論ぼくはそのようなコメントもしないし、考えもしない。考えてるか、、、。
これが、この店が、ここのお寿司が、うまい!のである。えび、ほたて、あわび、出てくるものすべてに”こんなの初めて”とやすもんのポルノの台詞みたいなのを連発する。口に入れた瞬間に”ムフッ”と笑っちゃうときと”ウ〜ン”と眉間に皺を寄せて唸っちゃう二種類が、美味しいものをいただく時にはあると思うのだが、それがかわるがわるやってくる。

さてマグロである。うわさのマグロ、ご自慢のマグロ。これは店の人が自慢するのではない。お店の人は黙々と働いていてお運びさんが愛想よく、でも余計なことは言わずにもれのない気ばたらきをしてくれる。いい店ってもんだね、これが。寿司と言うとにわか江戸っ子になるのは何故かということについてはおいといて、町の人々が職業に関係なくお国自慢としてわれわれに誇らし気に語ってくれるのだ。こういう素朴なナショナリズムは僕の実に好ましいとするところである。
この霜降りのマグロを口に入れてス〜ッと溶けていくというのは初体験だったが、すすめてくれた名取さんがよかった。
”どうぞおあがり下さい。マグロなどわたしどもは毎朝食べてますから”とか
”どうぞ堪能なさってください。あわびなどわたしどもはお昼ごはんにいつもついてくるようなものですから”
とかおっしゃるがそれぞれにこってりしてる上に、昼の牛タン大盛りが効いて来てさほどは食べられない。残してしまうのは人道にもとる、なんていいつつおすすめしたら、名取さん、マグロひとくち入った途端
”おいしぃ!”
としばし絶句、その目にうっすら涙。
沈黙のなかゆっくりと味わいそして飲み下したのちに
”すみません。嘘ついてました。それにしても、、、、、こんなにおいしいものだったんですねぇ”

6月9日(日) ソロ 埼玉・プレイスエバン
え?こんなところに?
それがいいスペースで、集まる人々もいぃ感じにゆったり。だれかのおうちで飲んでるうちにリクエストに応じてなんでも弾いてくれるピアニストが居合わせたような、、、、。
そのまんまやったやないか。

6月10日(月) 月猫えほん音楽会リハ

6月11日(火) DROP リハ

6月12日(水) DROP 目黒・blues alley
Shime vo 早稲田ブルーグラスクラブ出身という変わり種。いい声してる。こないだ作ったというCDをきかせてもらったら、コーラスもよく、意外に器用な一面もあるようだ。
秦達人(はたたつと) gi,vo
香川浩則(かがわひろのり)bass
秦と香川はジョニーバンド時代からのつきあい。もう随分経つはずだが頑張ってロックし続けてるのはえらい。
平山牧伸(ひらやままきのぶ)dr
杉本幸彦(すぎやまゆきひこ)drum tuner
ジョニーが膵臓不調で入院のため代役できた平山君のできがすごくよく、ひさびさ”ロックやってる〜”って感じ。ひとときはわりといたが最近あまり見なくなったドラムチューナーってのに久々あったなぁとおもったら、キー坊とか国分、小島あたりからの古株(その時々で役割はちがう)でなつかしい話がいろいろできた。
平山君のバンド友達、黒田晃年(gi)石井裕二(bass)がリハだけ見に来た。24と25ダと。若い!これからon air eastでライブだそうだ。メジャー?

6月13日(木) 月猫リハ

6月14日(金) JAZZ講座 浜松
三木俊雄(Ts)・松島啓之(Tp)・村田陽一(Tb)・M's(マサちゃんズ)
sprit kick
moanin'
whisper not
caravan
---------------------------
bluece march
summit
a night in tunijia
---------------------------
aroma,aroma,aroma

打ち上げ二次会はメンバー全員、、、珍しい
男だけ、、、珍しい
最後までみんないる、、、珍しい
大坂昌彦がよく語る、、、珍しい
小井政都志はすぐに寝る、、、珍しくない

6月15日(土) M's(マサちゃんズ) 土岐・bird and diz
1--Creopatra's dream~Anthony's theme
2--Floatin' time
佐山MC
3--Joy spring
4--Girl talk
5--Daddy blue
小井MC
6--Fine rouge
休憩
伝兵衛ソロ2曲
7--Paper moon
8--When sunny gets blue
佐山MC
9--Take 5-A trains
大坂MC
10--It might as well be spring
11--First cry
12--Swingin' on a star
本編終了
Enc.1 あと一杯

6月16日(日) solo  bird and diz
summer afternoon
martha
full moon
shift down
gentle cricis
matador
pooh song
tears of nature
sand castle(伝兵衛vo)
hymn for nobody(伝兵衛vo)
------------------------------
p-bop
in the velvet
?
?
?
?
夢はいつも(伝兵衛vo)

6月17日(月) duke aces サンモール
二部のあたまにmistyをソロ。デュークエイセスの事務所に何通もリクエストが来てたんだそうである。しかもその全部がピアノソロという注文つきで。
リクエスト方法も世につれるのだろうがみんなmisty好きだねぇと和田さん小井さんと話すうち”play misty for me(eastwood)”の話題でお二人盛り上がりついていけず。きっと観よう。和田さんと映画の話は楽しい。あたりまえだけど。この日はキネ旬の関口女史もいて(なんといま編集長なんだそうである)ひとしお。
アベマリコのいとこが脳外科医だというので心強いようなきもするが彼女のキャラとてらしあわせると心配なような、、、。

6月20日(木) nature world リハ
donato espinoza すばらしい。彼が和音を弾くと風が吹く。旋律を弾くとこの身が風にのる。彼が弾き終わった後にはわれわれはその前と違う場所にいる。
今日から一月、スペイン語の辞書を片手にずっと一緒である。楽しみ。

6月21日(金) nature world 京都・大谷大学
ディアパソンのスタンダードグランドで象牙の鍵盤がイイ感じの飴色になっているところと、長年放置されたのも手伝っているのだろう、タッチレスポンスが辛いこと相当古いと察せられる。共鳴鉄板の一番手前にdiapasonの文字とともにno185と浮き彫りに打ち出されているのはまさかシリアルナンバーではないだろうけど、大谷大学が101周年らしいから、1902年、明治35年に購入?それもないか。楽屋に使われた集会室のヤマハG5のほうはなにかといたずら弾きされてるのだろう、それなりに弾き易い。立派な空家より、そこそこでも人の住み続けてる家のほうが朽ちないということか。古いディアパソンの来歴を明らかにしつつ、甦らせてあげたいものである。講堂も響きの良い立派なものであるだけに惜しまれる。でもホリゾントを開けるとそれはそれは立派な仏壇があらわれるそうだ。ちょっとこわい。

6月22日(土) 瀬木貴将duo 直島総合福祉センター
12:30の本番にあわせて朝7時京都出発。淡路島を巨大な橋に見立てて高松に直行してフェリーに乗るはずが、神戸の手前から大渋滞。鳴門海峡で事故があり木材が散乱して通行止めだという。400m先の出口に1時間かかって辿り着き、裏道を通って新神戸に車を乗り捨てた。新幹線で岡山につくと山村さんがお出迎え。岡山駅は最近車の横付け全面禁止なので地下アーケードを400m走って安田さんの車に飛び乗って、末澤三宅鳴門大橋事故新神戸に車岡山からとばしまくり。安田さんは7/3の主催者、山村さんはそのお友達で、コンサートスタッフでもある。

6月23日(日) 瀬木貴将duo 高松
コーディネイタ−の末澤女史はデザイナー。最近自分の会社を起こして官庁街に素敵なワンルームの事務所を開いた行動派。コンサートは今までに何度も開いているがそのラインナップはニ胡、琴、タブラなどディープな方に寄りがち。面白い。金子飛鳥がお気に入りで友人でもあるという。さもありなん。
瀬木の子供あしらいがうまいのにびっくり。
昼には終わって屋島の藁屋でたらいうどん。高速バスで神戸。ビッツを無事回収してそのまま富山。さすがにばてた瀬木をホテルに残してワークショップへ。ずいぶんご無沙汰していたが訪ねてよかった。明日は休みだし、次回3〜4泊する時はスタッフともどもアフリカにいってるという。

6月24日(月) 瀬木貴将レコ発 富山・竹田楽器
segi solo
sayama solo / in the velvet
donato solo
altiplanto
kartas
madera
tanto
quererte
desert
el condor pasa
奇想天外
last wind
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fin del mundo
300年記念モデルのスタインウエイに惚れてしまった。せつない。

前回お邪魔したジャズクラブのトミーさんがまた聞きにきてくれ、夜中に訪ねる約束をするも果たせず。酒のまわり早く打ち上げが短くなる傾向。特に日本酒には弱い。

6月25日(火) 瀬木貴将レコ発 飯田・canvas
libertium boogie
ぎちぎち50人の入場者に感涙。桑原のジィも金田さんもがんばってくれたのだろう。上村のスタッフもきてくれて嬉。

6月26日(水) 瀬木貴将レコ発 白馬
一人でホールに早着したら、な、な、なんと!富山の百生さんと下村さんがいるではないか。白馬から穂高にかけての旅行の途中だと言う。顔を見にひと寄りしてくれるのが嬉。
まあたらしい綺麗なホールにはいってみたら、な、な、なんと!富山・竹田楽器で弾いたスタインウエイ300年記念モデルがある。日本に10台のうち早くもふたつとランデブー。

6月27日(木) 瀬木貴将レコ発 大阪・ワインミュージアム
yamaha C-7/dream awhile

6月28日(金) 瀬木貴将レコ発 葛飾・iris hall
steinway 7ft
瀬木貴将、donato espinosa、天野清継
pueblo (segi solo)
glaciar wo/donato
elefante
madera
brisa
altiplanto
desert
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adios
天野カッティングやり易い。

スキーヤー和田ヨシマサ氏が瀬木のバースデイパーティをやってくれたが、佐々木ディレクターと山田デザイナーとのrecording打合せのため別行動、、、、、してみたらなんと両者同じ店。NHK高橋さんまで居て驚。

6月29日(土) 瀬木貴将レコ発 大阪・バナナホール
steinway 5ft / so long
となりのタコ焼きいつもうまくて嬉。”バナ横”とよばれているそうな。勿論musicianの間だけだろうけど。打ち上げはバナナホール高木社長の経営するお好み焼き屋にして沖縄料理の”まんぼう”。炭水化物の日である。

6月30日(日) 瀬木貴将レコ発 名古屋・ダイアモンドホール
steinway 7ft
ブラジルが優勝し、ボリビアの大統領戦では知り合いが当選してドナート大喜び。でも選挙の方は15政権(?!)のほとんどに応援曲を提供してるので誰が勝ってもよかったらしい。
ラブリーにいったら多田誠司がやってた。よかった。
 

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