埼玉古墳軍／古墳軍ニュース

**◆　多気城跡本発掘調査現地説明会（つくば市）　◆**
曲輪Ⅰと曲輪Ⅱの中間部北西側の堀跡。他にも巨大な遺構多数。左手奥曲輪Ⅱ平坦部に前方後円墳１基がある。	広大な曲輪Ⅰ。空撮を見てみたい。頂点部の土塁の形状が古墳のように見えるものがあるが今回は調査対象外。

曲輪Ⅰ北西部の端付近で検出された柵列跡らしきもの。他に小規模な石列も発見されたが建物等の遺構は未確認。

発見された遺物も極めて少ない。建物が無いことと併せ、常時人が住む城ではなかったことをうかがわせる。

北東から。中央奥に古墳後円部。以前より曲輪Ⅱの櫓台と思われていた円丘は前方後円墳であることが判明した。

後円部を西から。高さは3m程度か。古墳等の遺構はできるだけ残して造成するという情報もあるようだ（市議会答弁）。

南東からくびれ部（左端の木の少し右）付近。墳丘は調査対象外のため藪のままで右側の前方部はほぼ見えない。

周溝底で発見された埴輪。円筒埴輪か。推定年代は６世紀前半。市内最高級の標高にある前方後円墳と言える。


2009年9月13日取材　つくば市北条の多気城跡として知られる城山では発掘調査が進行中。この城山には前方後円墳（北条城山古墳）があり、これについても調査が行われたようなので、さっそく出かけた。天気もよく、午前の部だけで200人近い人が訪れたようである。堀跡や土塁跡、4つの曲輪が確認されたとのこと。遺物はごく僅かで、建物遺構も見つかっていないことから、非常時に立て籠もるための城ではないかと推測されるという。　古墳については墳丘長約40mの前方後円墳で、周溝から6世紀前半頃とみられる埴輪が出土している。今回は一部の発掘に留まるため、墳丘じたいは藪に覆われたままで、全貌を眺めることができなかったのは残念だったが、以前城山突入を試みたときにはもっととんでもない藪の中だったことを考えれば、青空の下でこんなふうに間近に見ることができるのはありがたい。　こうした遺構についてはできる限り保存する意向という。気軽に見に行くことはかなわないとしても、失われずにこのまま残されるのならば…と、とりあえず納得することにした古墳軍であった。