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〜古墳軍ニュース〜【2011/04/23】
取材は進めどなかなか追い付かないデータ整理と更新。放置して鮮度が落ちては惜しい情報を何とか救済すべく設置したコーナーです。古墳をめぐる最近の動向などを随時掲載・更新しますのでお見逃しのないように。
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◆ 恒例古墳軍夏の東北遠征・第8回福島県古墳探索 ◆
甲塚の周囲同様、こちらもきれいな田んぼが続いています
新屋敷古墳群(平菅波字新屋敷)。甲塚古墳南側に隣接。現状はバイパスに分断された田畑と集落で、一周して見たかぎりでは古墳の所在は確認できなかった。
道路からは少し引っ込んだ、民家裏の畑の端にあります
五里内古墳(平下荒川字五里内)。西から。南側の祠のある墳丘。いわき駅南東約2.5kmの平第三小の南近くにある。現状は小円墳が二基南北に並んでいるように見える。
右側の塊も古墳と無関係ではなさそうな
五里内古墳(平下荒川字五里内)。東から。おそらくもとは1基の古墳が道で分断されたのではないかと思われる。竹ノ下古墳はこの北北東約500mにあることになっている。
墳丘上に大きなカヤの木。いわき出身の草野心平による校歌が左端にある石碑に刻まれています
高坂古墳群3号墳(内郷高坂町三本杉)。東から。内郷駅の北東約600mの高坂小学校内にある。標柱があるが墳名以外の詳細は記されていない。
社殿側は削れているようですが、それなりに古墳らしいかたちで残っています
高坂古墳群1号墳?(内郷高坂町三本杉)。北東から。3号墳の西約400mの神社社殿裏にある。3号墳は東端なのでこれが1号と仮定した。
この神社の狛犬がなんともかわいいのです
高坂古墳群1号墳?(内郷高坂町三本杉)。東から。墳頂に石造物がある。2号墳は神社東に隣接する真光院の墓地付近にあるらしいが未確認。
左側に少し見えている露頭で体験発掘ができるようで、ほんとはちょっとやってみたかったのですが…
いわき市アンモナイトセンター(大久町大久字鶴房)。あの「ふるさと創生資金」の落とし子。基本は露頭を建物で覆っただけの豪快な展示。屋外露頭で体験発掘もできる。
一生分のアンモナイトを見てしまいました。ひとつ欲しいと思ったのは内緒
いわき市アンモナイトセンター(大久町大久字鶴房)。内部の様子。約9000万年前の地層に巨大アンモナイトがごろごろ。丸い石は化石などを核としたノジュールか。
背後に見えるのは常磐自動車道。子供たちは遊具よりも大久川の方で遊んでいたような
いわき市海竜の里センター(大久町大久字柴崎)。フタバスズキリュウを記念した施設。アンモナイトセンターの南東2kmにある。展示施設もあるのだが周囲はこんな感じ。
観覧車乗りましたよ。怖かったけど…
いわき市海竜の里センター(大久町大久字柴崎)。観覧車から見た大久川。この少し上流に実際のフタバスズキリュウ産出地がある。
結構広範囲をうろうろしてみたのですが、それらしいものは発見できず
台古墳群(小川町下小川字台)。北から。夏井川と常磐道が交差する地点付近。林の向こうの集落が分布域とされるが古墳らしきものも痕跡も発見できなかった。
夏井川左岸台地上ののどかな風景
酢釜古墳群(平上平窪字酢釜)。台古墳群の南東約1km。該当域の台地の様子。中央の笹薮がやや怪しいが接近不能。好立地だが付近の寺社等にも気配痕跡無し。
校庭の南西端に、googleマップなどでも確認できます
小谷作古墳(小谷作字竹ノ内)。いわき駅の西北西3km。該当地点の好間中学校内の築山状のもの。道がよけており校庭を狭めて残されているのでこれで良さそうである。
切通しの方から見ると地形なのかなぁとも思えるので、微妙です
五平久保古墳(小川町柴原字五平久保)。磐越東線小川郷駅北東2.4km。該当地点付近の山間の集落内に土塁状物件が見られたが地形とも見え確認できず。
フタバスズキリュウが出迎えてくれます
いわき市石炭・化石館 ほるる(常磐湯本町向田)。湯本温泉至近の好施設。2010年春にリニューアルオープン。闇の中を超高速(?)エレベーターで降りる模擬炭鉱が目玉。
阿弥陀堂の佇まいも趣ある庭園も素晴らしい
白水阿弥陀堂(内郷白水町広畑)。国宝願成寺阿弥陀堂。平泉の奥州藤原氏による一連の寺院の流れを汲む浄土庭園を持つ。柿葺の大堂で内部の壁に壁画の痕跡がある。
イワシの群れがきれいだったなぁ…。再開したらきっとまた行きます!
アクアマリンふくしま(小名浜字辰巳町)。環境教育を強く意識した水族館で、イルカや海獣のショーなどは一切無し。シーラカンス研究、サンマやメヒカリの飼育などでも有名。
あんな所にバルカン砲が…
巡視船あぶくま(小名浜字辰巳町)。アクアマリン脇に停泊。350トン級の最新鋭艦。20mm機関砲装備。アルミ船体とウォータージェット推進で時速65km以上の高速を誇る。
 
2010年8月取材
 恒例の東北探索行・福島編8回目はいわき市の北部方面。平、好間、内郷、小川、大久といった地域をまわって来た。前回同様、資料不足で見つからないものも少なくなかったのだが、気分よく歩けたのでよしとしたい。
 古墳関係の収穫は地味だが、いわき市アンモナイトセンターをはじめとする観光スポットの踏査に今回は時間を費やしてみた。なかでも白水阿弥陀堂は、山を背にした佇まいといい庭園といい、足を運んだ甲斐のあるものだった。2011年3月11日の震災で、こちらも被害があったと聞く。
 探索行の報告をなかなかできずにいるうちに年が明け、東日本大震災に見舞われた。埼玉ではそれほどの被害はなかったが、毎年足を運んでいた東北の地の惨状を報道などで見るにつけ、胸の潰れる思いでいる。今までの探索行の際にお世話になったたくさんの方々のご無事を祈るばかりである。
 古墳軍の福島探索行は、まだまだ途上。ぜひまた夏空の下の美しい福島を歩きたいと考えている。
 
※今回接近を試みたその他の古墳
  竹ノ下古墳(平南白戸)丘陵進入路不明。
  上野古墳(好間町北好間字上野)山林進入路不明。
  高橋古墳(平中平窪字高橋)付近宅地進入路不明。
  大塚古墳(平赤井字窪田)山林進入路不明。
  愛谷古墳(好間町愛谷字大平)山林進入路不明。
  杉内作古墳(好間町愛谷字杉内作)山林進入路不明。
  
※補足情報
  竹ノ下古墳は国土地理院地形図によると該当位置に円形の建造物らしきものが記されており、航空写真でも確認できる。おそらく水道施設のようなものが作られて消滅したと思われる。





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