![]() | 〜古墳軍ニュース〜【2004/08/07】 取材は進めどなかなか追い付かないデータ整理と更新。放置して鮮度が落ちては惜しい情報を何とか救済すべく設置したコーナーです。古墳をめぐる最近の動向などを随時掲載・更新しますのでお見逃しのないように。 | →バック ナンバー |
![]() 調査区遠景。日当たりのよい斜面に並ぶ古墳は調査前にはほとんどが墳丘をみとめられなかったとか。 |
![]() 5号墳。奥の林の中には1号墳があるのだが、調査区外のため発掘の対象ではないとのこと。 |
![]() 3号墳石室。地山を掘り込んで谷側に羨道を設け、割石を粘土の層で固定しつつ積んでいる。 |
![]() 4号墳石室。大きな一枚岩の奥壁。鉄刀と、木棺に使われていたと思われる鉄釘が出土している。 |
![]() 11号墳は3号墳に隣接する小古墳。ミニサイズの石室で、形もちょっと違うようである。 |
![]() 14号墳石室。西側には墳丘・周堀のないものが多いようだ。この南側で蓋付須恵器坏などが出土。 |
![]() 9号墳石室。下部には大きな石を配してある。石積みと土層の関係もよく見える。 |
![]() 北東(後円部側)から見た前方後円墳の2号墳。葺石がかなりよく残っている。埴輪は無し。 |
![]() 前方部にある2号墳の石室。玄門は塞がれた状態で、内部の調査をこれから進めるとのこと。 |
![]() 2号墳を北から見ているところ。葺石に混じって土師器片・須恵器片などが見られた。 |
2004年8月7日取材 岩瀬町北西部にある山ノ入古墳群は、北関東道の建設工事に伴う発掘調査が行われており、この秋までの予定という。このところ茨城への遠征が多くなっている古墳軍だが現説は初めてであった。 ここは筑波山・加波山を望む南向きの急斜面で、現況で前方後円墳1、円墳13、石棺または石棺系石室14を数える。ほとんど墳丘らしい墳丘の見られない状態であったらしく、調査区外にもまだありそうな…。筑波石の割石を積んだ横穴式石室と石棺の2種類の主体部は、単室で胴張型、羨道から玄室にかけての段差をもつ特徴が共通している。さらに全てが南に開口する形をとっているので、西側の傾斜地に作られたものなどは玄室床部が水平でなかったりしてなかなか大変なことになっているようである。さらに調査が進めば、ごく小さな石室や石棺系のものの性格が明らかになる可能性もありそうだ。 丘の頂上近くにある2号墳のみが葺石を伴う前方後円墳で、盾形の周堀と広いテラスをもつもの。主体部は前方部にあり埴輪もないということで6世紀後半より遡るものではなさそうである。小さいが姿のよい美しい古墳だ。 調査後は道路建設のために失われてしまうことになるようだが、2号墳の葺石の状態などを見ると壊すにしのびないような気もする。炎天下でダラダラと汗を流しつつ、発掘調査の意義や目的など考えさせられた説明会であった。 |
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