第2部「熊に追いかけられ」のあらすじ

愕然とするガイガー。仲間を集い、脱走計画を練る。脱走名人を自称する謎のフランス人マルセル·ダッソーの手引きで75人が脱走した。熊に追いかけられ、虎に待ち伏せされ、猪に文句を言われながらもガイガーはカムチャツカに逃げのびる。ここで知り合ったのが日本漁船拿捕委員のザオーロフ·ゲレンデスキー。このゲレンデスキーの手引きでガイガーは北海道に密入国する。熊に追いかけられ、キタキツネに待ち伏せされ、シマフクロウに文句を言われながらもガイガーは箱崎に逃げのびる。めざすは居酒屋。なんと、あの顔中に傷のある男がいるではないか! 生傷男の隣に座るが、覚えていない様子。熊に追いかけられたときに恐怖で顔が変わってしまっていたガイガーの頭にネズミの血がのぼる。「けっ、なめるんじゃねえ、おいらコモソモーレツ帰りよ。このイレズミがみえねえか。核実験でたっぷり死の灰を浴びた俺さまでいっ」ガイガーは生傷男のネクタイをひっつかむと、ビビビ攻撃。「次はコーカサス熊投げだっ」と、そのとき、「お待ちなさい、ガイガー。また殺してしまうの?」カモの着ぐるみを着た女が艶然と笑う。「わたしは間淵回転子(旧姓:水木)というの。あなたが殺した片腕の男の娘です」これ幸いと、ガイガーの手を逃れるのは生傷男、本名カブレノフ·ウルシガツキー。「邪魔をするな。おまえの正体はこれだっ」カウンター上のドンブリ鉢をひっつかんだガイガーが、その中身を鴨フラージュ女に投げつけた。「これは私の宿敵であり恩師でもある墓場鬼太郎氏の父、目玉親父ことアイボール墓場先生が毎晩楽しんでおる茶碗風呂の残り湯よ、わはは」「ねぎねぎねぎねぎい〜っ」断末魔の悲鳴を上げてくずおれる鴨女。見れば着ぐるみだけがぺったりと居酒屋のゲロさびた床に張り付いている。「これはツクモ神じゃ。昔から、古い家具やら着物やらは百年経つと妖怪に変化するのじゃ」と、目玉が解説。「で、鴨との関係は?」「彼女の夫、間淵選外が知っておろう」「やたらに人名を出すな」怒って親父の首を締めようとするガイガー、だが目玉には首がない。「また会おうぜ、ネズミ男。うはははは」陰湿な笑いを残して去ろうとする生傷男ウルシガツキー。「そうは斑鳩」と追いすがるガイガー。その時、ガイジン[プログラマーズ·リファレンス]が登場し、居酒屋は混乱した。日本ニコモの男が連れてきた謎のガイジンが暴れるので鴨ネギ女まで息を吹き返し、C.W.ニコルのエッセイを暗唱する。「た、タマゴを返せ」突然乱入したトリケラトプスの奥さんが叫ぶ。「お前が盗んだタマゴを返せ」
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©Kunio Yoshikawa 1996,2004