2000年

第二自主探
第四自主探


【県 名】 神奈川県 【場 所】 源氏山公園(鎌倉市) 【環 境】 山林・都市公園 【年月日】 2000年 1月 9日 (日) 【時 刻】 8:30〜12:00 【天 候】 晴 9℃ 風力1〜2 【観察者】  【観察種】 1 トビ 11 ヒヨドリ 21 シジュウカラ 2 オオタカ 12 モズ 22 メジロ 3 ノスリ 13 ルリビタキ 23 アオジ 4 コジュケイ 14 ジョウビタキ 24 クロジ 5 キジバト 15 アカハラ 25 シメ 6 ドバト(参考記録) 16 シロハラ 26 スズメ 7 ヒメアマツバメ 17 ウグイス 27 ムクドリ 8 コゲラ 18 キクイタダキ 28 オナガ 9 キセキレイ 19 エナガ 29 ハシボソガラス 10 ハクセキレイ 20 ヤマガラ 30 ハシブトガラス (?)ツグミ ミヤマホオジロ 【備 考】 諏訪神社:ハシブトガラスが止まっている。フィールドスコープで、日が当たっている 羽毛の光沢、瞬膜の動きなどを見てもらった。カラスの羽は黒、だけども、光が当たる と濃い小豆色に見えている。これは、羽毛の周期構造に由来する干渉色。実際に色が付 いているわけではなく、特定の波長の光を反射しているのです。カラスのまばたきはど うでしたか?瞬膜はどこから眼球を覆って戻ったでしょう?見た人はわかりますね。ヤ マハゼに止まったハシブトガラスは実を食べていました。ヤマハゼは中に非常に硬い実 がありますが、周囲は蝋を含んだ柔らかい果実があります。かつては、この蝋から和蝋 燭を作りました。はたして栄養の方は・・・?クズの実が沢山ぶら下がっています。マ メ科ですから、マメの様な実です。トビが2羽からみあって飛んでいましたが、廣晃さ んの解説で「この時期は猛禽類の求愛行動の時期、これもそうだろう」ということでし た。 畑のポイント:光線の具合がたいへんよろしい、ジョウビタキの♂が枯れ枝にとまって いる。頭が銀色に輝く。尾をプルプルと震わす仕草が面白い。後ろを向いたとき、朝焼 けの様な明るいレンガ色に白い紋が二つ、くっきりと輝いていました。ハクセキレイの 幼鳥がいました。顔の少し黄色い個体、先月と同じ個体かもしれません。佐助川に投げ 捨てられた空き缶などのゴミを、久保さんのお父さんが中心になって拾い集める。ご苦 労様でした。捨てる人の気がしれない。情けない。 民家の庭:佐助稲荷に向かう道、庭にモズの♀。ひとしきりモズのくちばしは、猛禽の それと同じ、と絵を描いて説明。モズも小さな猛禽ですね。 駐車場:ケンポナシの実がたくさん落ちている。もうすっかり乾燥していました。ノス リが出たのですが、私は見逃しました。 佐助稲荷:甘酒を飲んで焚き火に当たっていただけで、私はなーんにも見ませんでした。 いかーん!(^_^;) 大仏ハイキングコース:ヒノキの林の中でキクイタダキの声がするという。探すが見え ない。コゲラが幹をつつく音。もう頭が入るくらいまで掘っている。掘る時間より、木っ 端を掻き出す時間の方が遙かに長い。ご苦労なことです。前の方に行ってさらにキクイ タダキを探すとついに出ました!2羽いる。どなたかが「バッタのように飛ぶ」とおっ しゃったが、まさにぴったりの表現。実にちょこまかと飛び回る。頭の黄色い「王冠」 もよく見えました。尾根道に出ると、電柱にハシブトガラス。喉が膨らんでいる。岩田 さんにうかがうと「餌を溜め込んでいる」のだそうで、見ていると吐き出してかじる。 オレンジ色の丸いものなのだが、なんだかわからない。少しずつしかかじれない。他の カラスがそばに来たらあわててまた喉の辺りに納めた。取られたくないのね。わかる、 わかる。鳥合わせをしているときに、オナガがギューイ、ギューイと鳴いていました。 目次へ
【県 名】 神奈川県 【場 所】 源氏山公園(鎌倉市) 【環 境】 山林・都市公園 【年月日】 2000年 2月 13日 (日) 【時 刻】 8:30〜12:00 【天 候】 晴 【観察者】  【観察種】 1 トビ 11 ヒヨドリ 21 ホオジロ 2 オオタカ 12 モズ 22 アオジ 3 ノスリ 13 ジョウビタキ 23 クロジ 4 コジュケイ 14 トラツグミ 24 シメ 5 キジバト 15 シロハラ 25 スズメ 6 ドバト(参考記録) 16 ツグミ 26 ムクドリ 7 ヒメアマツバメ 17 ウグイス 27 ハシボソガラス 8 アオゲラ 18 エナガ 28 ハシブトガラス 9 コゲラ 19 シジュウカラ 10 ハクセキレイ 20 メジロ 【備 考】 支部幹事の田丸さんが参加してくださいました。 駅前:トビ3羽が上空を旋回。ドバト2羽が電線に止まってゴミ箱の掃除を見ていた。 何を思うかドバトさん。 諏訪神社:シジュウカラ♂が枝移り。なんとかネクタイが見えました。 「みのわ」前:黄色と濃い紅色のマンサクの花が咲いていました。マンサクは満作、早 春に枝いっぱいの花を豊作にたとえたことから。マンサクの樹皮は強靱なので、柵や篭 材、薪の結束に用いたそうです。水路の石垣にはカントウタンポポの花。春です。 畑:ハクセキレイ♂成鳥、畑を歩きながらしきりに飛びかかりキャッチを繰り返してい た。もう小さな虫が活動し始めたのか。屋根の上のシジュウカラは「チ、ジュクジュク」 を繰り返していて、どこからかウグイスの「ジャ、ジャ・・」も聞こえました。正面の 民家の庭木にモズ、たぶん♂。降りたり上ったり。ヒヨドリ2が畑のター菜(らしい) の新芽を食べていた。こら!そばでムクドリは何か白いものを食べていたが、なんだか 不明。ペアのシジュウカラも見ました。 駐車場:スズメが電柱の四角い鉄枠の中に巣作りか、中に出たり入ったり。もう一羽来 たら追い払っていた。 佐助稲荷:シジュウカラの「ツツピー、・・・」が聞かれました。 大仏ハイキングコース:ヒノキの間にエナガが2〜3羽。「ジュリ、ジュリ・・」 旗立山:シメを観察。くちばしはまだ肌色でした。クロジもいたようなのですが、私は みられず、アオジは見たのですが。 #小鳥たちも道端の花も、ちゃんと春を感じていました。目次へ
【県 名】 神奈川県 【場 所】 鎌倉源氏山(鎌倉市) 【環 境】  【年月日】 2000年 4月 9日 (日) 【時 刻】 8:00〜12:00 【天 候】 曇 【観察者】  【観察種】 1 トビ 10 ハクセキレイ 19 ホオジロ 2 サシバ 11 ヒヨドリ 20 アオジ 3 コジュケイ 12 シロハラ 21 クロジ 4 キジバト 13 ツグミ 22 カワラヒワ 5 ドバト(参考記録) 14 ウグイス 23 シメ 6 カワセミ 15 エナガ 24 スズメ 7 アオゲラ 16 ヤマガラ 25 ムクドリ 8 コゲラ 17 シジュウカラ 26 ハシボソガラス 9 ツバメ 18 メジロ 27 ハシブトガラス 【備 考】 ●諏訪神社:大遅刻してしまいました。すみません。  でも、まだこんなところに。だから自主探、好き!(^_^;)「タカ、タカ!」の声で見 上げるとサシバ。一羽が羽ばたかずに上昇していく。東に向けて滑翔していきました。 春の渡りです。  キジバトが二羽、繁みから飛び出してきて、一羽が羽ばたいて上昇すると、水平飛行 していく。ディスプレイフライトとのこと。 ●畑のポイント:ツバメが電線にとまっていた。そこへ観光客の三人娘、「なに見てる んですか?」カモだ、いえ、興味をもってもらうチャンス、望遠鏡に入れて見てもらう。 「青く見えるー!」そうそう、その調子(^_^;)。  アオゲラの「ピョー、ピョーッ」という声。コジュケイと間違えました。修行が足ら ん!シジュウカラが電線でさえずっていました。道を緑色に輝く虫が横切って行く。 「ちょっと待ちなさい、どれどれ、アオオサムシじゃないか、こんにちは、オナラしな いでね。」、廣晃さんによると、成虫で越冬するそうです。調べてみたら、「房総半島 に産するものは背面が暗赤銅色を帯びる。名古屋付近に産するものは銅色を帯び、亜種 である。北陸地方から近畿地方の北部、東海地方東部、紀伊半島南東部には、小形で脛 節が赤褐色で、背面が銅色か黒色の亜種が分布する。」のだそうです。本来夜行性で、 ミミズなどを補食しているといいます。 ●佐助稲荷:期待したクロジは見えない。ウグイスがさえずっていたが、すぐそばで、 姿が見えたので、望遠鏡に入れて見ていただきました。鳴いているところは、なかなか 見られないんですよ、よかったですね。鳴くときに、喉がふくらむのが見えましたか? ウグイスは息を吸うときにも鳴いていると思うのですよ、「ホー、ホケ」で吐いて、 「キョ」で吸っている。谷渡りなんか息継ぎなしに聞こえるでしょ?ヒバリだって、あ んなに長く鳴けるのは、そのためじゃないでしょうか。ハーモニカみたいですね。でも ね、人間にだってすごい人がいますよ、フルートのオーレル・ニコレは、循環呼吸法と いう技で、息継ぎなしに吹けるんですって、驚きですね。(鳥の息継ぎについては、そ の後、フレーズの前に素早く息を吸っていることが判明。漫筆鳥話 第九話参照)  エナガが見えました。長い尾の先が下に向いて曲がっている。枝に裏から逆さまにと まったりする。器用なものです。尾が曲がっているのは巣に入っていたからです。 そ うこうすると、クロジが出ているという。それ!いるいる、すぐそば、良く見える。♂ はかなり黒い、♂の若もいる。♀もちゃんと確認。アオジもいたので紛らわしい。贅沢 いわないの・・・。  アオゲラがスダジイに巣穴を掘っているのを見ました。これは見物でしたね。頭の赤 い部分も良く見えました。美しいキツツキです。大切にしたいですね。 ●頼朝像前:花見客とハシブトガラスばかり。そうがっかりするなって、ちゃんとサシ バが1羽、通過していったでしょ。はいはい。目次へ
【県 名】 神奈川県 【場 所】 鎌倉源氏山(鎌倉市) 【環 境】  【年月日】 2000年 5月 14日 (日) 【時 刻】 8:00〜12:00 【天 候】 曇 【観察者】  【観察種】 1 ハチクマ 8 ツバメ 15 メジロ 2 トビ 9 コシアカツバメ 16 ホオジロ 3 コジュケイ 10 ヒヨドリ 17 カワラヒワ 4 キジバト 11 ウグイス 18 スズメ 5 ドバト(参考記録) 12 エナガ 19 ムクドリ 6 アオゲラ 13 ヤマガラ 20 ハシボソガラス 7 コゲラ 14 シジュウカラ 21 ハシブトガラス 【備 考】 ●鎌倉駅西口前:気持ちの良い季節になりました。初めて参加される方も多い。ドバト が10羽ほど、餌をもらえるのではと、足元や頭上の電線にとまっている。足元まで来 るのは可愛いのだけど、ドバトへの餌付けはいかがなものか。 ●諏訪神社:「木に垂れ下がっているツルは何?」というご質問。葉が出ているものは わかりますが、さて?クズ、テイカカズラ、アケビ(ミツバアケビ)、キヅタ、ノダフ ジなどがあると思います。これらツル性の植物が林縁部にからみついて、マント群落を 形成しています。 「ノスリ!」の声で見上げると、実はハチクマでした。私にもすぐ わかりませんでしたが、廣晃さんがちゃんと確認してくれました。私には♂♀まで見分 ける力はないので、どうだったのかよくわかりません。顔の黒い模様は見えました。下 面はあまり黒くなく、淡色型でしょうか。翼が広く首が長いのが良くわかりました。ハ チの幼虫を好むので、haney buzzard と言います。横須賀武山ではハチクマが地面のハ チの巣をつついているところに出くわして、双方びっくり!ということがあった、と話 してくれた人がいます。この時期の出現は珍しいと廣晃さん談。 ワシタカ類の春の渡りの時期です。 ●佐助稲荷参道手前:民家の庭のモウソウチクのてっぺんで、メジロが盛んにさえずっ ていました。辺りを圧する大声の主は、あんなに小さな身体。すごいですねぇ。 ●佐助稲荷:霊狐泉という水のわき出るところ、佐助川の源流だそうですが、ここのコ ンクリートの縁に足跡が四つ。岩田さんによると、アライグマのだそうで、ここで何し ていたのでしょうね。小さいうちは可愛らしいペットも、成獣になると手に負えなくな り捨てる・・・なんてことでしょう。ハイキングコースへの階段の途中に、ツボスミレ の白っぽい小さな花。愛らしい。 ●大仏ハイキングコース:コバノタツナミ(一名ビロードタツナミ)が咲いている。タ ツナミソウの変種で、伊豆半島以西の本州から九州の海岸に近い山地に多いのだそうで す。色も美しいのですが、その形はまさに「浮世絵の波頭」、立浪草の所以です。葉に 一面に細かい毛が密集しているのが特徴です。 初参加のご兄妹、日本語の大変お上手な、ミネソタ州出身のお兄さんは日本で教師の経 験がおありで、妹さんはペンシルバニア州ホーク・マウンテン保護区で保護官をされて おられるそうです。お兄さんにはビワが成っているのを見て、英語ではloquatと言うの だと教えていただきました。kumquat(cumquat)というのもあり、これはキンカンのこと、 辞書によると広東語だそうです。ちなみに、アブラムシ(アリマキ)はaphidと言うのだ そうです。さて、いつまで憶えていられるか・・・(^_^;)。 虫を口一杯にくわえたコゲラを見ました。子育て真っ最中のことでしょう。野鳥たちは 死ぬまで毎年子育てをするのでしょうね。偉いですねぇ。しみじみ・・・ ●源氏山公園頼朝像近く:ベンチでお弁当をお食べている人の手元をトビが急降下して きてかすめる。お弁当をさらわれることも。横須賀では手に怪我をした人もいます。こ れも安易な餌付けの結果。トビなどの爪は大変不潔、病原菌も多いので危険です。安易 な餌付けは結局人のためにも、トビのためにもなりません。 #保護官のジェニファーさんから、ホーク・マウンテンの「ワシタカガイド」とい う一枚物を頂戴しました。先に見せていただきます。その後は、川上図書館に寄贈 されます。目次へ
探鳥記 2000.6.11 鎌倉市源氏山周辺 阿部 駅前:あいにくの雨でした。レポート作成のためとか、大学生の娘さんとお母様が初参 加。雨でもやっている探鳥会は非常に少ないのです。駅前で雨宿りをしながら、まずは 双眼鏡の使い方から。公園の前の電線にドバトが並んでとまっている。羽が雨をはじく 様子が良くわかる。ハトの仲間は、体羽の下にある「粉綿羽」という、すぐパウダー状 にくずれる羽が発達しており、この粉を羽毛に塗ることにより、防水効果を高めている と考えられています。(鳥の形とくらし3:我孫子市鳥の博物館企画展ガイド1998)ハ クセキレイが二羽、ビルの屋上に飛来、一羽はTVアンテナにとまって、鋭く「チュ イーン」と鳴きました。 諏訪神社:ケンポナシ、クマノミズキ、テイカカズラの白い花が雨のなかでも目立つ。 カイズカイブキの中で、シジュウカラの幼鳥が虫を探している様子で、盛んに飛び回っ ていました。まだ「ネクタイが細い」可愛い子でした。久保さん(JJさん)が「カイ ズカイブキは果樹園のそばには植えないのだ」というお話をなさいました。その時は (失礼ながら)聞き流していたのですが、後日、会社の「花壇のビヨウヤナギが赤さび 病にやられるが、予防方法はないか?」と聞かれ、調べてみると、さび病菌の一種、ナ シ赤星菌は冬はビャクシン類に寄生して過ごし、夏にナシに寄生するとありました。こ れですね!会社のビヨウヤナギが今頃になるとさび病になるのは、冬に別の植物に菌が 寄生している可能性があります。やっかいですね。 例の場所:今年も帰ってきたアオバズク。松浦さんがあらかじめ見つけておいてくださ いました。どこにいるのか、みんなで探す。なかなか見つからない。ヒント、「暗がり の中です」とのことで、懸命に探すと、みつかりました。なるほど、雨も避けられるわ けです。騒がしいのか眼を開いてこちらをジロッと見ると、また「瞑想」に入りました。 しかし、松浦さん、良くみつけられましたね。「執念」だそうです。脱帽(^_^;)。 佐助稲荷:お堂の周りで雨宿り。頭上でホトトギスが鳴く。良い風情じゃありませんか。 もうすぐ、夏がやってきます。 源氏山公園:あずま屋のベンチに動物の糞。ひとつだけ、コロンとしている。中身はオ オシマザクラの種と皮。「タヌキはこんなところにしないよねぇ」「アライグマかハク ビシンじゃないの?」・・・結論はでません。だれでしょう、こんなところに! #横須賀での環境フォーラムを聞きに行くので、途中で失礼しました。目次へ
【県 名】 神奈川県 【場 所】 源氏山公園(鎌倉市) 【環 境】 山林・都市公園 【年月日】 2000年 7月 9日 (日) 【時 刻】 8:00〜12:00 【天 候】 晴 27℃ 【観察者】  【観察種】 1 コサギ 9 コゲラ 17 メジロ 2 トビ 10 ツバメ 18 ホオジロ 3 コジュケイ 11 ハクセキレイ 19 カワラヒワ 4 キジバト 12 ヒヨドリ 20 スズメ 5 ドバト(参考記録) 13 ウグイス 21 ムクドリ 6 ホトトギス 14 エナガ 22 ハシボソガラス 7 アオバズク 15 ヤマガラ 23 ハシブトガラス 8 アオゲラ 16 シジュウカラ 駅前〜御成通り:トビの幼鳥1 白っぽいまだらの目立つ個体。おとぎプロの花壇ではハ マユウ(ハマオモト)とクチナシが良い香りを放つ。 諏訪神社:TVアンテナにとまっていたのが、カラスザンショウの枝に来て止まったの はシジュウカラの幼鳥。「黒いネクタイ」がまだ首まで届かない。ハシブトガラスの幼 鳥(らしい)2羽が松の横枝にとまって、松の小枝を取り合いしていた。こんなことでも 彼らには遊び、でも、「遊ぶ」というのはとても高度な動作。知能の高いカラスならで はのことでしょうね。 畑のポイント:モンキアゲハ、ウスバキトンボをみました。夏らしくなりました。 佐助稲荷の参道:民家にポーポーの青い実がなっていました。何度も書いていますが、 ご存じない方のために。熟した実はちょっとマンゴーの様な香りがあり、甘いのです。 --- ポーポーpawpaw バンレイシ科の落葉小高木。北アメリカ原産。果樹として栽培する。果実の形はアケビ に似、大きな種子が多数ある。果肉は甘味と香りが強く、粘り気・水分に富む。ポ ポー。ポポーノキ。(日本大百科全書:小学館) --- 他にオニドコロの花の強い香り。悪臭と感じる人もあるかも知れませんが、私は嫌いで はありません。ヤマノイモと違って根は食べられないほど苦いと聞いていましたので、 食べないものと思っていましたが、東北地方では若い根茎をよくあく抜きして食べるそ うです。辞典によると、ヤマノイモ属の日本の野生種には、ほかにヤマノイモ、ニガカ シュウ、タチドコロ、ウチワドコロなどがある。〈清水建美〉とあります。 コシアキトンボが飛んでいました。卵は水面の浮遊物などに付着させるそうです。暖か い地方のトンボのようで(卵が冬を越せないのでしょう)本州以南の日本、さらに朝鮮 半島と台湾、中国の中・南部およびトンキン湾に分布する平地の普通種である、と辞典 にありました。 佐助稲荷:メジロがツバキ(ヤブツバキか?)の葉の裏で、繭を引っ張って食べていま した。中身の蛹だけ食べるのかと思っていたら、繭の白い糸まで全部食べていました。 糸もタンパク質ですから、不思議はないのでしょう。 コンテリクラマゴケが美しい青緑色をしていました。今まで気がつかなかったのですが、 表面をルーペで観ると金属光沢をしています。ちょうどチョウの羽、モルフォチョウの ように光をはね返しています。この美しい色は色素ではなく、光の干渉によるもののよ うです。在来種と思っていましたが、「コンテリクラマゴケSelaginella uncinataは、 中国南部原産で常緑。茎は太く、側枝は密に2〜3回分枝して葉が互いに重なり合う。葉 は日陰で青藍(セイラン)色の金属様に光る。挿芽で容易に繁殖するが、霜に弱いので、 多くは温室内で栽培する。明治の初めに渡来した。」とありました。 エナガのか細い声が多数していましたが、姿は確認できませんでした。 大仏ハイキングコース:オカウコギの紫色の実が成っていました。田中さんが識別して くださいました。とげがあるのですね。以下参考までに。 --- オカウコギ 〔丘五加皮〕 【学】Acanthopanax japonicus Fr. et Sav. ウコギ科の落葉低木。高さ1、2メートル。枝は灰褐色で太い刺(トゲ)がある。葉は掌状 複葉で小葉は五枚、裏面の葉脈の腋(ワキ)に薄膜と短毛がある。花は5月、短枝の先に単 生した散形花序につき、淡黄色。雄しべは5本、子房は2室。果実は黒く熟す。福島県以 西の本州および九州に分布する。〈門田裕一〉 --- 田中さんにはツタウルシも教えていただきました。赤錆病にかかっていましたが、これ もちょっと注意が必要なので引用を。 --- ツタウルシ 〔蔦漆〕 【学】Rhus ambigua Lav. ウルシ科の落葉藤本(トウホン)(つる植物)。気根で他の樹木に巻き付く。葉は互生し、 三出複葉で、長い柄がある。小葉は広楕円(ダエン)形、長さ10センチ、全縁で先は鋭く とがる。雌雄異株。初夏、葉腋(ヨウエキ)に円錐(エンスイ)花序をつくり、黄緑色の小 花を開く。花は雌雄とも花弁は五枚、萼(ガク)は五裂する。雌花には退化した5本の雄し べと、1本の雌しべがあり、雄花には5本の雄しべがある。核果は扁球(ヘンキユウ)形で、 径5〜6ミリであり、淡黄色に熟す。樹液に毒性があり、毒性はウルシの仲間ではかなり 強い。北海道から九州の山地に普通に生え、千島列島、樺太(カラフト)(サハリン)、 中国に分布する。〈古澤潔夫〉 --- ホタルブクロの花も咲いていました。目次へ
探鳥記 2000.8.13 横須賀市長沢 阿部宏 鎌倉西口駅前:イボタノキにドウガネブイブイ(廣晃さんの識別による)が、まぁ、そ れはものすごい数群がって、葉を食べていました。それにしても、もう鈴なりという位 います。紀ノ国屋の植え込みにも多数いました。異常発生かもしれません 。 諏訪神社:植木が剪定されていました。JJさんのご指示で、どんな木が剪定されてい たかを記録。イチョウ、ビャクシン、マテバシイ、ハゼノキ、カイズカイブキ、ゲッケ イジュ、イヌガヤなど。例のお宅:今日は雨でもあり、常連さん以外は自主探初参加の ご婦人が一人だけおられたということもあり、まぁ、そんなことは特に関係ないのです が(^_^;)、アオバズクを見に行きました。でも、残念ながら皆巣立ったのか、姿は見ら れませんでした。 トンネル前の斜面:珍しいノカンゾウの花。これは一重で、よく見かける八重のヤブカ ンゾウと違って、質素な姿。タマアジサイも咲き始めていました。アジサイが終わった 後、これが咲き始めます。そうそう、このとき、ガクアジサイの学名がHydrangea otakusaではないか、というお話をしましたが、間違いで、アジサイのことでした。シー ボルトが日本人妻楠本滝の名を取り、その種小名に与えましたが、アジサイは既に1789 年に、日本から中国に渡っていたアジサイをバンクスJoseph Banksがイギリスのキュー 王位植物園に導入したのが初めで、学名はThunberg(ツンベリ、あるいはツンベルク) が先取権上命名したmacrophylla(マクロフィラ)が用いられるとありました。(日本大 百科全書:小学館)というわけで、アジサイの正式な学名は、Hydrangea macrophylla (thumb) Ser. var. macrophyllaです。 佐助稲荷:社の軒下でしばし雨宿り。 銭洗弁天:道がぬかるんでいるので、ここへ。さきほどのコガネムシsp.はなにか? 神奈川の自然図鑑で調べてくれたところによると、ヒメコガネらしい。さて、正解は? キジバト庭が旗竿のてっぺんで、雨浴びをしている、と岩田さんから。来たときからずっ と雨に当たっている。源氏山公園:ヤブランの花が咲いていました。 鳥合わせ:トビ、コジュケイ、キジバト、(ドバト:参考記録)、アオゲラ、コゲラ、 ツバメ、ヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ハシボソガラス、ハシ ブトガラス。目次へ
【県 名】 神奈川県 【場 所】 源氏山公園(鎌倉市) 【環 境】 公園 【年月日】 2000年 9月 10日 (日) 【時 刻】 8:00〜12:00 【天 候】 晴 【観察者】  【観察種】 1 トビ 6 ヒヨドリ 11 ムクドリ 2 コジュケイ 7 エナガ 12 ハシボソガラス 3 キジバト 8 ヤマガラ 13 ハシブトガラス 4 ツバメ 9 シジュウカラ 5 ハクセキレイ 10 スズメ  番外ドバト 【備 考】 駅前:気温は朝から27℃もあり、風がほとんどない。暑いのに初参加の方が5、6名 もいらっしゃる。嬉しいかぎりです。 諏訪神社:トビが上空を通過。初列風切羽の前から2番目が両側揃って抜けている。こ れは成鳥の証拠。今の時期、きれいな個体は若鳥というわけです。これは二子山探鳥会 のリーダー宮脇氏に教えてもらったのですが、トビの成鳥の羽は、羽軸(まん中ですね) が黒く、一本の筋(軸斑)になって見えます。幼鳥にはこれがないということです。そ ろそろタカの渡りの季節、しばしトビを良く観察して、トビ以外のタカとの見分けを練 習。はばたきの違い、旋回半径の違い、ハシブトガラスとの違いなど、とても重要な識 別点です。 畑:サシバ4がこちらに向って来て、再び戻っていった。廣晃さんによると家族群だそ うです。 駐車場:ダチュラがしばし話題に。エンジェルズ・トランペットともいい、和名はキダ チチョウセンアサガオ。ナス科チョウセンアサガオ属。チョウセンアサガオといえば華 岡青洲が思い浮びます。自ら「通仙散」という麻酔剤をチョウセンアサガオから作り、 1804年(文化1)日本で初の麻酔手術(主に乳癌)に成功したことで知られています。こ の麻酔剤を案出する課程で、その効果の実験台になったのが彼の母と妻。母は中毒死し、 妻は失明しました。家族を犠牲にしてまでの先達の労苦には頭が下がります。 佐助稲荷:タイワンリスがいやに少ない。宮司さんにうかがうと、日大の学生が忌避剤 をピーナツに塗って色々テストしているという。そのせいでは?というお話でした。岩 田さんにうかがうと、木酢液を撒いたりもしたそうです。それでも若い個体が一頭、餌 をくれるのではとそばまでやってきました。もちろん、餌をやる人はいません。ちょっ と可哀想ですが、条例違反になるので。 岩田さんが面白いお話をしてくださいました。タイワンリスには利目(マスター・アイ) があるそうで、よく見るときは、いつも同じ側の目で見るのだそうです。 横須賀からお母様と初参加の小田谷少年が、アオゲラの「ピョー、ピョー」と鳴く声を 聞いたそうです。彼は5年生ですが、鳥をもう6年間見ているという、スーパー鳥見少 年です。末が楽しみです。武山で一緒にタカを観ようね。 神社をあとにするとき、お堂の横に大きなカエルがいるのを見つけて、皆で良く観察。 しっかり写真を撮った人も。ヤマアカガエルでした。最大級の大きさだそうです。 大仏ハイキングコース:ヤブタバコに似たシュウブンソウが咲いていました。ヤブタバ コ属との大きな違いは、まわりに小さいが舌状花が二列に並んでいることで、シュウブ ンソウ属はシオン属などと同じグループに入るそうです。 センダイムシクイが混群に混じっていたそうですが、私は見損いました。 源氏山山頂(旗立山):ヒタキ類を期待しましたが見つからず。岩田さんがキビタキ♀ を見ただけでした。キッコウハグマがあるのを田中さんに教えていただきました。横須 賀の武山ではお馴染みの植物ですが、源氏山にもあることがわかりました。 コゲラの穴掘りと、アオゲラ♂が飛ぶのが見られました。頭頂部の赤が目立ったので♂ だと思うのですが・・・(^_^;)目次へ
探鳥記 横須賀市 阿部 宏 2000.11.12 第二自主探 曇 15℃ 駅前:今日はベテランの方ばかり、図鑑をなぞって鳥の声が出るスキャントークリーダ を持参しましたが、出番はありません。メカに興味を持たれた方はありましたが。 諏訪神社:クスノキの実が熟れて濃い紫色になっているのを観察。廣晃さんによれば甘 いとのこと。鳥に運んでもらうための戦略でしょうね。カラスザンショウの実を付けて 小枝が落ちているので、指でつまんで匂いを嗅いでいただく。ミカン科特有の強い香り。 匂うのは果皮の部分です。紫色になるとドバトやキジバトが食べに来ます。本によれば、 葉を揉むとバニラの香りがするとか。今度やってみましょう。葉は煎じてマラリヤ、風 邪に用いるという。中国、朝鮮、フィリピンにも分布するそうです。三浦半島にはカラ スザンショウが多く、これを食草にする大型のチョウ、モンキアゲハがたくさん見られ ます。 法務局付近:民家のシュロの木からカラスザンショウが着生していました。鳥が種子を 運んだのでしょう。シュロの繊維がミズゴケの役目をしているのかもしれません。フジ に実が成っている。マメ科ですからマメの様な鞘がぶら下がっている。乾燥した天気の 良い日、バチン!という大きな音と共に種をバラバラとまき散らします。その時のメモ を転載します。 --- ●1998年1月26日(月)砲台山林道(横須賀市) 快晴 10℃ 風力2−3  昼休み自主観察 阿部 ==中略==  「小屋」まで行っての帰り、小屋手前の辺りで「バチン!」という音と、何かが落ち る音。フジ(ノダフジ?)の鞘が弾ける音でした。ぶら下がった鞘には陽が当たってい ました。下に行くと鞘がたくさん落ちている。この鞘は非常に硬く、以前折ろうとして、 尖ったところで指を刺したことがありました。鞘の上下で180°位に捻れて、種をは じき飛ばすようです。鞘の断面は6層くらいに分かれていて、まるで合板を見ているよ うです。内側から2番目の層が非常に緻密で硬く、これが乾燥して捻れていくようです。  ナイフで切って見ている時も頭上で「バチン!」と音がして、鞘が降ってきました。 種はどこまで飛ぶのでしょうか? --- 畑のポイント:柿の木にペットボトルが3本ぶら下がっている。カラス避けでしょう、 と本多さん。CDなどきらきら光るものをぶら下げておくと効果があるそうですが、カ ラスは利口なのですぐ憶えられてしまうそうです。 駐車場:津田さんから「トビの旋回はガクガクとした感じで、サシバのそれは滑らかだ」 というお話。納得です。 佐助稲荷:クロジを探すがいない。タイワンリスは1、エナガの群が通過。シジュウカ ラが2混じっていた。ケンポナシ、ムクノキの実が落ちている。味わってみると甘みが 強いのがわかりますが、発酵しているので、独特の匂いがします。 源氏山公園:ハナモモの幹にウメノキゴケ。地衣類です。地衣類は菌類と藻類が共生関 係にあるのだそうです。この仲間は大気汚染の指標となるそうで、汚染の進んだところ には少ないということです。ウメノキゴケが生きられる環境を大切に! 鳥合わせ:トビ、ハイタカ♀成鳥、ノスリ、コジュケイ、キジバト、アオゲラ、コゲラ、 ヒヨドリ、モズ♂♀、ジョウビタキ、大型ツグミsp.ウグイス、エナガ、ヤマガラ、 シジュウカラ、メジロ32、ホオジロ、アオジ、(クロジ?)、カワラヒワ、スズメ、ハ シボソガラス、ハシブトガラス、番外ドバト目次へ
2000.12.10 忘年会 於:佐助自治会館 ●ポイントカード番外編 忘年会準備のため観察には出席しなかった幹事の皆さんへの聞き取り取材 (久保順三氏による取材メモを阿部がまとめました) 本田伴子,「中身は書かないってば,おわりっ。エナガは見たの。アルコールが入っ てもうダメ・・・ウィッ」 田中美恵子,「あら、何も書くことないわ、書くこと教えてくださいよ、久保さん。 そうだ、ヤキソバにお肉の代りにソーセージを入れましょう。お肉は売切れ ちゃった・・・ヤキソバ大好評ですねぇ。・・・(もう相手にされず)」 津田宗治,「みりん干しがおいしかった。豚汁の火起しは津田におまかせ下さい。 どうです、この火の具合は・・・あれ?何書いてるの?」 柴田葉子,「カードですか?すいません、書いてません。・・・豚汁がおいしかっ た。もっとないの?あー!、あぶない、しゃべったことみんな書かれてるー、 やーね久保さん。」 岩田晴夫,「久保さーん、さっき無線じゃマジでお玉と玉子を間違えてたねぇ。もっ と飲ますといいよ、面白くなるから。・・・あっ!なにやってんの、あぶねぇ なぁ。」 *これが21世紀を迎える我々の代表の言葉とは情けない。(久保筆) ★ここから先、久保さんもだいぶお酒が回ってきたのか、筆が急に雑になる(阿部注) 松浦さん、「そのとなりに廣重って書いといてね、紙がもったいないよ・・・。 豚汁おいしかったよ、なにせ廣重さんの爪の垢がはいっているから、少しは頭良 くなるかも。」 松木さん、「私も名前だけね。皆さん、一年間ありがとう、来年もよろしく、酒、 さけ・・・」 富田真理子さん、「私も一緒にいれといてね、あー、ヨシヨシ」 川上夫人、「ヤキソバ大好評ね、来年はもう少し材料を多くすべきよ。」 杉山さん、「トビが盛んにさえずっていた。”親乞いトビ”っていうのがあるの でしょうかねぇ?うー、もういいです、酔っぱらっちゃった・・・」 大塚さん、「わたし、野菜炒めだーい好き、もっと頂戴・・・」 堀川さん、「ハイタカとケンポナシは初めてなの。ケンポナシは焼酎に漬けよう と思って手のひら一杯拾って来ました。楽しみー・・・」 佐久間さん、ヤキソバを焼く手つきが玄人はだし、どこかでやってたんじゃない でしょうか。 別所さん、焼くのにお忙しいので割愛。 「ルッコラが好評、老人が多いせいか?」誰の談話か不明(阿部注) ●なにやら、混乱と嬌声の中、無事に忘年会は終了。いままでのW氏宅の広大な お庭とは違うのですが、自治会館なので勝手がよろしいようです。幹事の皆様、 ご苦労様でした。 ●阿部からの連絡  今回は、観察会のメモをとらなかったので(すみません)探鳥記はお休みさせ ていただきます。その代りと言ってはなんですが、「ポイントカード番外編」で お楽しみ下さい。目次へ