42 在日朝鮮人同胞どうしの婚姻の割合

 

 拙論19題 消える『在日韓国・朝鮮人』のなかで

 

「坂中さんの論文では一九九〇〜一九九四年の在日どうしのカップルの割合は二割どころではなく、一五〜一八%である。人数で言えば、在日の三分の一が同胞を結婚相手として選んできたことになる。三分の一という数字を冷静に考えてみると、三人ぐらいの子供を産んでそのなかの一人がやっと同胞と結婚する程度で、残りはすべて日本人と結婚するということだ。」

 

と書いたところ、なぜ三分の一なのか、二割だったら五分の一になるのではないか、と疑問を持たれる方がいた。「二割」「1518%」の次にいきなり「三分の一」とあるから、疑問に感じられるのも当然だろう。

 1518%ではややこしいので「二割」で説明する。二割は在日朝鮮人の婚姻数のうちで同胞どうしの割合である。残りの八割は日本人を相手とするものとなる。それ以外の婚姻もあるが、わずかな数字なのでここでは無視する。

 在日朝鮮人の10組の婚姻があるとしたら、2組は同胞、8組は日本人とのそれである。10組であるから、婚姻者は20人。そのうち8人の日本人とその相手の朝鮮人が8人、残りの4人の朝鮮人は同胞どうしである。すると朝鮮人は合わせて12人となり、そのうち同胞を相手とする者が4人。人数で考えると12分の4、すなわち三分の一となる。

 つまり在日朝鮮人の同胞どうしの結婚の割合は、婚姻数からいうと五分の一、人数からいうと三分の一となるわけである。二つの違った数字が出てくるが、どちらも正しい数字なのである。

 なお現実の在日朝鮮人の婚姻は、前述したように同胞どうしの割合が二割以下であり、また結婚しない人たちも少なからずいる。拙論で「三人ぐらいの子供を産んでそのなかの一人がやっと同胞と結婚する程度」と論じたが、実際にはその割合はもっと小さくなる。だから4〜5人ぐらいの子供を産んでそのなかの一人がやっと同胞と結婚する程度、というのが実態となろう。

 

 なお在日朝鮮人の婚姻についての統計数字は、上記の第19題参照。

 

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