ブレーキダウン<BR>BREAKDOWN

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　とてつもなく全体的に『激突』に似た映画。ストーリーも何か、ディーン・クーンツの『インテンシティ』に中盤あたりが似ているような気がする。（犯人の狙いが分からなかったり、車をつかったサスペンスとか、車から降りたときの犯人宅でのサスペンスなんか）最近のハリウッド映画の中では地味な方の部類にはいるのかもしれない。車もそう簡単に爆発しない。しかし、迫力は十分にある。なによりも『フルメタルジャケット』のときのカメラマンだからだろう。画面一杯に広がるタイヤなんかもなかなかなもの。監督もシーンの節々に何か不安を残すところは若監督を思わせない。カートラッセルの起用も彼のどこにでもいる男というイメージを活かしている。J・Ｔ・ウォルシュには最後あたりの作品だったのだろうが、彼も悪役が長かった。今回もそうである。四十代の時にサラリーマンから突然俳優になったそうだ。それなのに彼が悪役として出てきただけで何か画面がひきしまるような気がした。それだけ素晴らしい演技をしてくれたのだ。ジャック・ニコルソンもアカデミー賞の授賞式では「彼は心の中で生きている」という感動のスピーチをしている。心からご冥福を申し上げたい。一人のファンとして。