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ファイト・クラブ     1999

 

 

Rating: 4.8

Genre: アクション ホラー サスペンス ドラマ

I watched : on TV or Video

Country: 米国

Cast:
エドワード・ノートン
ブラッド・ピット
ヘレナ・ボナム・カーター

Directed by: デビッド・フィンチャー

Music:

Comment:
 常に挑発的なストーリーと映像で観客を魅了してきたデビッド・フィンチャーの才能はここに来て大爆発している。サブリミナルは使うわ、CGは使うわ、爆破させるわで、カットの多さは近年の映画でも最多数ではないだろうか。その分、この挑発的な映像が、分別のつかない人間を、裏付けの無い暴力に扇動しないか不安な映画でもある。
 エドワード・ノートン演じる主人公が不眠症に悩まされ、ブラッド・ピット演じる男タイラーと奇妙なクラブを作る。タイラーは彼に「思いっきり殴れ」と言うが・・・。
 息をもつかせぬストーリー展開は近年のハリウッド映画らしい。最後まで見せてしまうスピーディーな演出も冴え渡っている。このプロットは最近のアクション映画の中では突出している。
 あまり多くを話すとつまらなくなるが、キング原作の「ダークハーフ」との共通点が多分に見られた。また、カリスマの権化であるタイラーは低賃金労働者達を集めて、階級闘争を説く。アメリカでの所得格差の問題を鋭くえぐった一面だ。
 美術センスはオンボロハウスに、ネオナチのようなスキンヘッドの集団を集める光景が悪趣味で良い。彼らの殴り合いのシーンも、ひたすら扇動的である。
 ただ、クレジット会社の爆破というタイラーの究極の目的など、説得力を欠く面も多々見られた。このあたり、後もう少しでいいのだから、踏み込んでほしい。この若い監督の今後の作品にさらに期待が高まった。「セブン」で失望していただけに、この監督の成長ぶりに驚きを感じた。

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