王妃マルゴ<BR>La Reine Margot

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　マルゴは旧教徒と新教徒との和平のため、ナバール王アンリと政略結婚した。初め、マルゴはアンリとは寝ないと誓うほど彼を嫌っていた。兄のフランス王のシャルル９世は、政治的な力量がなく、母后カトリーヌ・ド・メディチのいいなりになっていた。またアンジューら弟達もその王座を狙っていた。
　母后の命令で新教徒のコリニー提督が暗殺されたため、自分が責めにあうと恐れ、自暴自棄になって「新教徒全員の処刑」を命じてしまう。これが「サン・バルテルミの虐殺」である。この血の海の中、一人の新教徒の騎士ラモールが偶然、マルゴの部屋に助けを求めてくる。彼はかつてマルゴと関係を持ったことがあったため、マルゴに救われる。
　この虐殺をへて、マルゴは変わっていく。アンリが命を狙われているのを必死に助け、気が動転するアンリをなだめた。
　回復したラモールは新教徒の軍を再編成し、アンリをたてて、反撃の機会を狙っていた。そのためラモールはアンリとマルゴの救出作戦を練る。シャルル9世やアンジュー、アンリらがイノシシ狩りをする日が作戦実行に決められた。ところが、落馬したシャルル９世がイノシシに襲われ、それを救ったのは弟達ではなく、アンリであった。この事件を機会に、常に命を狙われ、孤独だったシャルルはアンリを唯一の友として心を開く。シャルルは礼をするためアンリを城に連れ帰ってしまったため、ラモールらの救出作戦は失敗に終わった。
　ところが・・。シャルル達に子種がなく、アンリがフランス王になってしまうとの予測から、母后はアンリ暗殺のため、毒を盛った本をアンリの部屋に置く。ところが、その罠にかかったのは息子の王シャルルであった。彼は血まみれになり、哀れな姿に・・。そして・・。
　毒殺、銃殺、虐殺、とキリスト教がいかに血にまみれた歴史を送ってきたかが、良く分かる。6000人もの人々が殺された、サン・バルテルミの虐殺をかなりリアルに描いているので、気持ちが悪くなる。