第34回 オートミール・スタウト
1.個性派スタウトに挑戦

 オートミール・スタウトとは、糖化の際にオーツ麦を混ぜて、独特の香りと甘みをきかせたスタウトである。とくに、サミュエルスミス社のオートミール・スタウトは絶品。酵母はもちろん、Irish ale酵母である。
 ただ、不安材料もある。この酵母で一回、失敗しているのだ。9月に仕込んだIrish aleで、Kilkenny Irish beerをイメージして仕込んだのだが、塩素臭・フェノール臭がする上に、ボディが薄くドライな感じなのだ。9月中ずっと暑かったのが原因とも思われるが、ちょっと要警戒である。

2.仕込みから瓶詰めまで

 レシピは次の通り。これはWheeler & Protz[1995:114]の、ChallengerをNorthern Brewerに変更したものである。

Oatmeal Stout(10L)

Pale malt 1870g
Black malt 55g
Chocolate malt 110g
Oats 130g
Northern Brewer (6.7) 9g 70min.
Fuggle(4.3) 19g 70min.
yeast lab A05

 初期比重は1.047と予定通り。発酵は15日間。終了比重は1.013。(99.11.3)

3.試飲

 瓶詰めから18日。焦がし麦芽の香りが適度にでているが、口当たりはドライ。これは酵母のせいだろう。しかし、塩素臭やフェノール臭はない。ちょっと漬物のようなオフフレーバーがあるが、これは熟成とともに消えるのではないか。この酵母は、甘みを利かせたいスタウトには向かないような気がする。(99.10.3)

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