第18回 インディア・ペール・エール
1.あこがれのIPA

 インディア・ペール・エールとは、もともとイギリスからインドまで船で運ぶために、ホップの量とアルコール度数を上げて作られたエールのことである。強い苦みと豊饒な味わいを持つこのビールは、ビール通には特に好まれる。
 じつはインディア・ペール・エールは第11回にも作っている。今回ふたたび作ることにしたのは、二つのすばらしいインディア・ペール・エールに出会ったからである。ひとつは、サンクトガーレンビールの「ゴールデンエール」、もうひとつは米国アンカー社の"Liberty Ale"である。両者の共通点は、カスケードホップをたくさん使って、その香りを前面に出していること。こんなビールが作りたいと思ったのである。

2.仕込みから瓶詰めまで

 レシピは、次の通りである。

India Pale Ale 11L
Black Rock East India Pale Ale 1500g
Pale malt 900g
Cristal malt 230g
Cascade 14g 15min.
Cascade 14g dry hop
DCL ale yeast

 マッシングと煮込みには、手数をかけた。きちんとロータリングをし、十分時間をかけて煮込んだあと、澱引きして麦汁を澄ませた。初期比重は1.060である。
 酵母はいつものようなキット付属のものではなく、500円で買った上質のドライイーストである。予備発酵を終えて発酵容器に投入するときには、いつもとまったく違ういい香りがした。期待が高まる。
 12日目に澱引きをし、16日目に瓶詰め。19本とれた。終了比重は1.019。(1999.2.16)

3.試飲  瓶詰めから1ヶ月と10日ほど。試飲をする。苦みとカスケードのアロマ、エステル香は良好。ややモルティな味が強すぎるかもしれない。さらに熟成が必要か。(1999.3.28)

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