第17回 バーレーワイン
1.バーレーワインとは

 バーレーワインは、直訳すれば「大麦ワイン」である。
 私がバーレーワインを初めて飲んだのは、両国の「ポパイ」へ行ったときだった。色は、密度のある濃赤色。古いブルゴーニュワインの色、といえば想像していただけるだろうか。フルーティーな香り、芳醇な甘み、強烈な苦みが調和した、蠱惑的な飲み物だった。ビール、恐るべし。日本地ビール協会のガイドラインによれば、アルコール度数は8.4-12%である。その意味でも、「ワイン」の名にふさわしい。

2.仕込みから瓶詰めまで

 このバーレーワインがあまりに美味しかったので、チャレンジすることにした。無謀かもしれないが、何事も経験である。レシピは、David Miller,The Complete Handbook of Home Brewing の232ページにあるものを、ほぼ忠実に再現した。ただし、補糖に使った「赤糖」はMillerのレシピにある"light brown sugar"より色が濃いと思われるので、半分をグラニュー糖で代替することにした。また、ホップの香りを生かしたいので、ホップ添加は3回に分けた。レシピは次の通りである。

Barley Wine 8L
Wander Draught 1700g
Pale malt 900g
Cristal malt 230g
赤糖200g グラニュー糖200g
Saatz 28g 60min.
Cascade 14g 30min.
Cascade 14g 3min.
Wine yeast

 また今回は、一次発酵終了後に澱引きをし、別の容器でしばらく二次発酵させることにした。これもMillerの指示通りである。
 発酵には、たっぷり時間をかけた。1次発酵が12日間、2次発酵が7日間である。2次発酵容器の底には、かなり酵母が沈澱していた。おそらく、アルコール度数、エキス分ともに高いので、発酵のピークを過ぎてからも長時間、緩慢な発酵が続いているのだろう。バーレーワインの場合、2次発酵は必須のようである。Millerは2次発酵に6週間かけろと指示しているが、これだけは守らなかった。だって、その間発酵容器が使えず、ビールが造れないからである(笑)。瓶詰めは19日目。15本取れた。ただし最後の一本はギリギリまで注いだので、酵母入りである。(1999.2.7)

3.試飲

 瓶詰めから1ヶ月。試飲してみた。モルティでフルーティな感じはよくでている。ただ、苦みがやや弱く、バランスに欠けるような気がする。もっとも、飲み頃は半年後だろう。(1999.3.6)

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