第12回 スタウト
1.スタウトを作る

 スタウトも、やはり作ってみたいビールの一つである。淡色ラガーならば、ビアホールで簡単に美味しいものが飲める。しかし、スタウトはなかなかそういうわけには行かない。いまは無き名ビアホール、八重洲の「灘コロンビア」は、月に1回、スタウトの生を出していた。評判の高いアサヒスタウトの生である。ブルーベリーかスグリのような香りのする、すばらしいビールだった。あんなビールが造れないものか。
 まあ、今回は初めての試みである。何とか市販の瓶入り国産スタウト並みのものができれば、成功ということにしよう。

2.仕込みと第1次発酵

 モルトエキスには、BLACKROCKのMiner's Stoutを使う。まず、クリスタルモルトとブラックモルトをコーヒーミルで挽き、鍋の中でスティーピングをする。ブラックモルトをひたしたお湯は、瞬く間に真っ黒になった。さらに水を加えて4リットルにし、モルトエキスを投入。さらにビタリング用のホップエキスを入れて60分煮込む。最後の3分には、Cascadeを2/3oz.入れて香り付けをする。スタウトにこんなにアロマホップを使うのは邪道かもしれないが、10月に札幌で飲んだCascadeの香りのするスタウトがおいしかったので、それを再現しようと思ったのである。
 煮込みが終わると、鍋ごと水で冷やす。ある程度冷めたら、あらかじめ冷やしたミネラルウォーターを入れておいた発酵容器に投入。さらにミネラルウォーターを加えて12リットルにした。酵母は、キット缶付属のものを使う。

3.瓶詰めと第2次発酵

 6日目に瓶詰め。ちょっと飲んでみると、思ったほど苦くなく、Cascadeの香りがはっきり感じられる。21本取れた。(1998.11.24)

4.試飲

 1週間後に試飲。やや酸味が強いが、おいしい。ただし、スタウトとしてはホップの香りが強すぎるようだ。もっとも、それは覚悟の上でのレシピだったのだが。(1998.12.1)

 瓶詰めから約1ヶ月。明らかにおいしくなっている。ホップの香りも角が取れてスタウトの味と調和している。いちおう、成功と言っていいだろう。(1998.12.27)

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