■ 仕掛人藤枝梅安 (梅安影法師) ■

 「殺気の闇」


(藤枝梅安……あの恐ろしい男を、地獄へ旅立たせるには、どうしたらいいのか……どのように料理したらいいか)


 「三人の仕掛人」


(いや、気づかなかったのもむりはねえ。こんな仕掛をするのは、おれもはじめてのことなのだからな。ともかくも江戸へ行き、先ず、藤枝梅安の居所を突きとめなくてはならねえ。あの騒ぎの後で、梅安は江戸を離れたろうが……もう舞いもどって来やがったか、どうか?)


 「稲妻」


「よく聞いてもらいたい」
「何事でございましょう?」
「これは、天下のためにすることだと、前もって、わきまえていてもらいたい」
「天下のため……?」


 「春雷」


「小杉さん。また、あなたに助けていただいた」
「何の……」
「もう少し、生きていなくてはならなくなったので、ね」


 「逆襲」


「爺つぁんは、藤枝梅安という仕掛人を知っていなさるかえ?」
「耳にしたことは何度かある。鍼医者だそうな」
「そうだ。そのとおりだ」
「凄腕だそうでござんすね」
「…………」


 「菱屋の黒饅頭」


「亀右衛門さん。この男は、まるで、私の影法師のような仕掛人でしたよ」


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