(藤枝梅安……あの恐ろしい男を、地獄へ旅立たせるには、どうしたらいいのか……どのように料理したらいいか)
(いや、気づかなかったのもむりはねえ。こんな仕掛をするのは、おれもはじめてのことなのだからな。ともかくも江戸へ行き、先ず、藤枝梅安の居所を突きとめなくてはならねえ。あの騒ぎの後で、梅安は江戸を離れたろうが……もう舞いもどって来やがったか、どうか?)
「よく聞いてもらいたい」
「小杉さん。また、あなたに助けていただいた」
「爺つぁんは、藤枝梅安という仕掛人を知っていなさるかえ?」
「亀右衛門さん。この男は、まるで、私の影法師のような仕掛人でしたよ」
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