Quaderno33のバッテリー改造案

多くのQuaderno33のバッテリー寿命は、もう尽きようとしています。 しかし、まだまだQuaderno33を使い続けて行きたいと考えている方は多いでしょう。
外付けのバッテリーを使って延命をされている方もいらっしゃいます。
あるいは、もう諦めてデスクトップとして使われていたり、あるいはオブジェと化しているかも知れません。

まべりっく さんの「Echos26C改造情報」の公開により、「Quaderno33でも同じことができないか?」と言う疑問は当然のことのように発生し、問い合わせもあったそうです。

もちろん、可能性が無い訳ではありません。しかし、そこにはいくつかの越えなければならない問題もあるのです。

以下は、私が行った(行っている)試行錯誤の経過報告です。残念ながら、まだ期待する形には成っていませんが、この情報から先を造り上げる方がいらっしゃるかも知れません。

本来なら、完成した形で報告したかったのですが、関心の高まっている今を逃す手は無いと思い、ここに経過報告をいたします。

ただし、改造はあくまでも自己の責任において行ってください。 改造の結果、PCが破損 破壊したり、怪我をされても私やFOLIV,OUGは一切の責任は負いません。
バッテリーは扱いを間違えると爆発する可能性のある危険なものだと言うことを覚えておいてください。


全体的に写真が暗いので申し訳ないのですが、暫定版と言うことでご勘弁を...
バッテリー外観
 まずは、Quaderno33のバッテリーです。

 これが無いと話になりません。
バッテリー端子部
 Quaderno33のバッテリーは、単なる「電池」ではありません。

 バッテリーとQuaderno33本体とで通信を行っているのです。

 ですから、単に電圧のプラス マイナス以外にも端子があります。
端子部のネジ
 まず、端子部のネジ(上下面、各2個)を外します。

 ネジを外しても、端子部は噛み合わせされていますから、外すときは慎重に行います。
端子部の取り外し
 端子部を外したところです。
充電制御基板
 部品が細かすぎてよくわかりません。
バッテリーの張り合わせ部
 バッテリー部は、上下で張り合わせられています(接着されてます)。

 従って、多少の破損は覚悟の上で、分解(破壊?)しなければなりません。

 私は、先の細いマイナスドライバーを使って、少しづつ接合部を剥がしてゆきました。
内部バッテリーセル(1)
 バッテリーセルは、このような格好で入っています。
内部バッテリーセル(2)
 バッテリーケース下側(手前)と上側(奥側)、バッテリーセル
セルの比較
 内部バッテリーセルと単3型乾電池を並べています。

 セルの大きさがかなり違うことがわかると思います。 オリジナルと同じセルが入手できれば良いのですが、入手は困難なようです。
 オリジナルはNiCdで1700mAh、Ni-MHで2300mAhもあります。
 2000年2月現在、単3型Ni-MHの最大容量は1550mAhですから、いかに大きいかがわかります。

 ------ 2000/02/28 追記 ------

 このセルは”4/3A”と呼ばれるもので、17mm×67mmあるそうです。
 ふーみん さんに教えていただきました。(2000/02/28 更新)
電池ケース
 セルの大きさの違いを逆手に取って、電池ケースを内蔵することを考えてみました。

 サイズは3本並びのモノを2個用意しました。6本横並びと言うのは、見当たりませんでした。
電池ケース(2)
 横幅は、見事に電池ケース2つが収まります。

 ただし、高さ面では少々加工が必要となります。
ケースの合わせ
 ケース内部の加工をしないと、電池ケースを収めることができません。

 ケースが完全に閉じることができていないのが、確認できます。
下側ケースの加工(1)
 ケースの突起部を削ります。
下側ケースの加工(2)
 ケースの突起を削りました。
上側ケースの加工(1)
 下側と同じく、突起部を削ります。
上側ケースの加工(2)
 突起を削り取りました。

 これで、電池ケースを内蔵してもバッテリーケースが閉じられるようになりました。
基板との配線
 制御基板とバッテリーセルはフレキシブル基板で接続されています。

 電池ケースとの配線を行う場合、このフレキシブル基板は諦めて、制御基板の端子(写真で囲った部分)から配線をしたほうが容易でしょう。
温度ヒューズ
 ------ 2000/02/28 訂正 ------

 逆流防止のダイオードかと思っていたのですが、実はこれも温度ヒューズだったそうです。
 まさか、温度ヒューズが2つも付いているとは思いませんでした。

 こちらの温度ヒューズは切れたら復元しませんので、交換するしかありませんね。

 ふーみん さんに教えていただきました。(2000/02/28 更新)
温度センサと温度ヒューズ
 ------ 2000/02/28 訂正 ------

 赤い四角で囲った部品が温度センサ(サーミスタ)で赤い楕円で囲った部品が温度ヒューズだそうです。

 バッテリーを改造する際には、温度センサ(サーミスタ)は電池に密着させるようにしてください

 こちらの温度ヒューズは、温度が下がると復元するバイメタルを利用した温度ヒューズだそうです。

 ふーみん さんに教えていただきました。(2000/02/28 更新)
温度センサと温度ヒューズについて

温度センサ(サーミスタ)

 バッテリー充電の際に、充電異常が発生するとセルは高温になり、非常に危険(最悪の場合、発火します)なので温度センサ(サーミスタ)を付けるのが通例です。
 このため、温度センサは電池に密着している必要があります。

 バッテリーはショートさせないように注意してください。

温度ヒューズ

 また、温度センサがバッテリーの高温状態を検知すると充電する側に知らせて充電をストップさせるのですが、ストップされなかった場合のために温度ヒューズがあります。
 温度が高くなり過ぎると、温度ヒューズが切れて充電を自動的に止めるようになっています。

 温度センサも必需品ですね。
今後の課題 他

バッテリーの改造はここまでしか進んでいません。今後の課題として

  1. 電池ケースの固定
    今の電池ケースは接着ができない素材なのです。

    追記 電池メーカでは、超音波溶着で接着しているそうですが....(-_-;)

  2. バッテリーケースの封止
    できれば、内部の充電池を交換できるようにしたい。
    これは、今後もっと容量の大きな充電池が出てきたときに交換できるようにと言う思いも有ります。
    まぁ、テープで仮止めが現実的かも知れません。

    追記 問題は、温度センサの取り付け(密着)方法にもありますね。

  3. 充電の確認
    内部のセルを全く異なるものに交換するのですから、当然、充電特性も異なるはずです。従って、正常に充電および充電停止ができる保証はありません。
    充電中の温度上昇なども確認する必要はあると思います。

  4. 作業時間の確保
    ぢつは、これが一番の難問だったりします。


  5. 謝辞 ---追記---

    今回、この情報を公開後、ふーみん さんにいろいろと教えていただきました。
    ありがとうございました。途中経過でも報告した甲斐があったと言うものです。

    また、電池に関する情報、アドバイス、私の改造例等の情報をお持ちの方がいいらっしゃいましたら、教えてください。<m(_ _)m>

  6. 注意
    改めて、改造を試みられる方は

    •  ニツカド(Ni-Cd)やニッケル水素(Ni-MH)の充電池は、ショートさせたりすると火災を起こす危険性があります。十分注意してください。

    •  温度検出のサーミスタは必ず電池に密着させてください。

    •  さらに過熱防止の保護素子(2つの温度ヒューズ)は必ず付けて下さい。

    以上の注意は守ってください。


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最終更新日 2000年02月28日
寺谷 泰 GGC03222@nifty.ne.jp

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