双海・長浜・佐田岬 (98/2/15)


四国に来て初めの頃、何回も走った道を最後にまた走りました...
松山から海岸線を佐田岬へ向かうとても気持ちのいい快走ルートです。




  

伊予市にある谷上山公園の展望台から眺める伊予の街


 四国に来てからもう5カ月も経ちました。初めの頃に何度も来た双海と佐田岬に、最後にもう一度出掛けました。
 松山から56号線を南へ。松山道の伊予ICのすぐそばを56号から離れて山の方に向かっていくと急勾配の坂を登って、谷上山公園に着きます。土曜の朝9時の公園は人一人居なく、展望台は少し寂しい雰囲気が漂っていました。しかし、登ってみると、とてもいいパノラマが広がりました。伊予灘をバックに伊予の街が眼下に広がります。


暖かい風のあたる海岸沿いの道端には1月から菜の花が咲き乱れていました


 双海は県下有数のみかん産地です



 378号線に入ると軽い峠(銭尾峠)をパスしてやがて眼下に海が現れます。すぐに道は海沿いを走る様になり、双海町に入ります。双海から長浜にかけての海岸は松山に赴任してから幾度と無く来ましたが、快晴の日、大雨の日、大雪の嵐の日と様々な顔を見せます。とくに風の荒れ狂う嵐の日(なんでそんな日に走るんだ?)は高潮が道を洗い、普段の穏やかな風景が豹変します。双海はみかんで有名な町です。冬でも暖かい潮風のあたる海岸沿いは、みかんを作るのには絶好の場所なのでしょう。378号と平行に走るJR予讃線との間にある土手には1月から菜の花が咲き乱れていました。



 

誰も居ない休日の長浜港


 

左は肱川の河口に掛かる赤い開門橋。右は櫛生の綱掛岩。


 夕やけ小やけラインと呼ばれる378号をさらに南下すると、間もなく長浜町に入ります。ここまで交通量の多い378号もこの先の峠が狭く険しい為、南へ向かう車は県道を肱川沿いに56号方面へ別れます。そのまま378号を進むと肱川の河口にかかる赤い開門橋を見ながら長浜の市街を抜けます。ここからは全くといっていいほど交通量の無い良い海沿いのワインディングが始まります。美しいエメラルドグリーンの海で釣りをする人々が見かけられました。


伊予灘


 やがて道は無くなり、国道は八幡浜まで続きますが、1.5車線の険しいものになります。現在トンネルを造っているので、やがてこれができると交通量が多くなるのでしょう。私はこの狭い国道を避けて中之谷から舗装林道に入りました。みかん畑の間を縫うように走っていくと伊予灘を眼下に走り、やがて平家谷のあたりで再び378号に合流します。峠を下ると保内町に到着します。ここから197号を西へ佐田岬を目指します。


   

田之浦の海岸に打ち寄せる土砂が堆積してできた沼(県下最大)
右は佐田岬の「瀬戸町農業公園」道の駅


 197号線(佐田岬メロディーライン)は佐田岬半島の尾根づたいを走り抜けます。右にも左にも海が見える道をひたすら西へ向かいます。やがて風力発電の巨大なプロペラが見えると、道の駅につきます。佐田岬もみかんの有名な産地です。197号をはずれて海岸沿いの道に入ると、圧倒的なみかん畑の多さと静かな漁村が延々と続き、巨大な迷路に入ったようになります。しばらくこの迷路に気持ちよく迷った後、再び197号に戻り、三崎町に入りました。


三崎港・九州行きのフェリーをバックに...


 

美しい佐田岬の根元の伊方町には原発施設がある。


 佐田岬の最西端へはここからさらに細い道を西へかなり走らなければいけません。今回は岬の端までは行かず、ここで引き返しました。ちなみに四国の3大岬の中では最も端の灯台まで行きにくい岬です。帰りも197号を快走し、最後に伊方町の原発を見に国道を下りました。長浜からは巨大な送電線のトラスが佐田岬の尾根づたいに松山方面へ何本も立っているのが見えましたが、そばに来るとその巨大さがさらに引き立ちます。
 帰りに八幡浜港でぼんやりと船を眺めて数時間後、56号で松山に戻りました。四国には夏の終わりに来て、冬の終わりに去ることになります。四国は北海道の様に島全体が観光地とゆう雰囲気が無いので、日本の美しい田舎の風景を思いっきり楽しむことができました。また四国にこの車で来れることがあるかどうかは判りませんが、この雄大な自然と素晴らしい道がこれからもずっと残り続けていて欲しいと思います...