ハンナと少年サムエル

6月22日(日)教会学校中高科分級「サムエル」

暗唱聖句(サムエル記上3章9節)
主よ、お話しください。僕は聞いております。

(はじめに) 先週のギデオンのお話から少し時代が下って、今日はサムエルさんのお話です。サムエルの時代(紀元前11世紀)は王様を立てないで士師(しし・宗教上の指導者)が直接、国を治める時代から、他の国と同じように王様が国を治める時代への、イスラエルの歴史上の転換点にあたっていました。サムエルはサウル、ダビデの2代の王を任命しました。

聖書(サムエル記1、3章)

1:1 エフライムの山地ラマタイム・ツォフィムに一人の男がいた。名をエルカナといい、その家系をさかのぼると、エロハム、エリフ、トフ、エフライム人のツフに至る。 1:2 エルカナには二人の妻があった。一人はハンナ、もう一人はペニナで、ペニナには子供があったが、ハンナには子供がなかった。 1:3 エルカナは毎年自分の町からシロに上り、万軍の主を礼拝し、いけにえをささげていた。シロには、エリの二人の息子ホフニとピネハスがおり、祭司として主に仕えていた。 1:4 いけにえをささげる日には、エルカナは妻ペニナとその息子たち、娘たちにそれぞれの分け前を与え、 1:5 ハンナには一人分を与えた。彼はハンナを愛していたが、主はハンナの胎を閉ざしておられた。 1:6 彼女を敵と見るペニナは、主が子供をお授けにならないことでハンナを思い悩ませ、苦しめた。
1:7 毎年このようにして、ハンナが主の家に上るたびに、彼女はペニナのことで苦しんだ。今度もハンナは泣いて、何も食べようとしなかった。 1:8 夫エルカナはハンナに言った。「ハンナよ、なぜ泣くのか。なぜ食べないのか。なぜふさぎ込んでいるのか。このわたしは、あなたにとって十人の息子にもまさるではないか。」 1:9 さて、シロでのいけにえの食事が終わり、ハンナは立ち上がった。祭司エリは主の神殿の柱に近い席に着いていた。 1:10 ハンナは悩み嘆いて主に祈り、激しく泣いた。 1:11 そして、誓いを立てて言った。「万軍の主よ、はしための苦しみを御覧ください。はしために御心を留め、忘れることなく、男の子をお授けくださいますなら、その子の一生を主におささげし、その子の頭には決してかみそりを当てません。」 1:12 ハンナが主の御前であまりにも長く祈っているので、エリは彼女の口もとを注意して見た。 1:13 ハンナは心のうちで祈っていて、唇は動いていたが声は聞こえなかった。エリは彼女が酒に酔っているのだと思い、 1:14 彼女に言った。「いつまで酔っているのか。酔いをさましてきなさい。」 1:15 ハンナは答えた。「いいえ、祭司様、違います。わたしは深い悩みを持った女です。ぶどう酒も強い酒も飲んではおりません。ただ、主の御前に心からの願いを注ぎ出しておりました。 1:16 はしためを堕落した女だと誤解なさらないでください。今まで祈っていたのは、訴えたいこと、苦しいことが多くあるからです。」そこでエリは、 1:17 「安心して帰りなさい。イスラエルの神が、あなたの乞い願うことをかなえてくださるように」と答えた。 1:18 ハンナは、「はしためが御厚意を得ますように」と言ってそこを離れた。それから食事をしたが、彼女の表情はもはや前のようではなかった。 1:19 一家は朝早く起きて主の御前で礼拝し、ラマにある自分たちの家に帰って行った。エルカナは妻ハンナを知った。主は彼女を御心に留められ、 1:20 ハンナは身ごもり、月が満ちて男の子を産んだ。主に願って得た子供なので、その名をサムエル(その名は神)と名付けた。
1:21 さて、夫エルカナが家族と共に年ごとのいけにえと自分の満願の献げ物を主にささげるために上って行こうとしたとき、 1:22 ハンナは行こうとせず、夫に言った。「この子が乳離れしてから、一緒に主の御顔を仰ぎに行きます。そこにこの子をいつまでもとどまらせましょう。」 1:23 夫エルカナは妻に言った。「あなたがよいと思うようにしなさい。この子が乳離れするまで待つがよい。主がそのことを成就してくださるように。」ハンナはとどまって子に乳を与え、乳離れするまで育てた。 1:24 乳離れした後、ハンナは三歳の雄牛一頭、麦粉を一エファ、ぶどう酒の革袋を一つ携え、その子を連れてシロの主の家に上って行った。この子は幼子にすぎなかったが、 1:25 人々は雄牛を屠り、その子をエリのもとに連れて行った。 1:26 ハンナは言った。「祭司様、あなたは生きておられます。わたしは、ここであなたのそばに立って主に祈っていたあの女です。 1:27 わたしはこの子を授かるようにと祈り、主はわたしが願ったことをかなえてくださいました。 1:28 わたしは、この子を主にゆだねます。この子は生涯、主にゆだねられた者です。」彼らはそこで主を礼拝した。

3:1 少年サムエルはエリのもとで主に仕えていた。そのころ、主の言葉が臨むことは少なく、幻が示されることもまれであった。 3:2 ある日、エリは自分の部屋で床に就いていた。彼は目がかすんできて、見えなくなっていた。 3:3 まだ神のともし火は消えておらず、サムエルは神の箱が安置された主の神殿に寝ていた。 3:4 主はサムエルを呼ばれた。サムエルは、「ここにいます」と答えて、 3:5 エリのもとに走って行き、「お呼びになったので参りました」と言った。しかし、エリが、「わたしは呼んでいない。戻っておやすみ」と言ったので、サムエルは戻って寝た。 3:6 主は再びサムエルを呼ばれた。サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。エリは、「わたしは呼んでいない。わが子よ、戻っておやすみ」と言った。 3:7 サムエルはまだ主を知らなかったし、主の言葉はまだ彼に示されていなかった。 3:8 主は三度サムエルを呼ばれた。サムエルは起きてエリのもとに行き、「お呼びになったので参りました」と言った。エリは、少年を呼ばれたのは主であると悟り、3:9 サムエルに言った。「戻って寝なさい。もしまた呼びかけられたら、『主よ、お話しください。僕は聞いております』と言いなさい。」サムエルは戻って元の場所に寝た。
3:10 主は来てそこに立たれ、これまでと同じように、サムエルを呼ばれた。「サムエルよ。」サムエルは答えた。「どうぞお話しください。僕は聞いております。」 3:11 主はサムエルに言われた。「見よ、わたしは、イスラエルに一つのことを行う。それを聞く者は皆、両耳が鳴るだろう。 3:12 その日わたしは、エリの家に告げたことをすべて、初めから終わりまでエリに対して行う。 3:13 わたしはエリに告げ知らせた。息子たちが神を汚す行為をしていると知っていながら、とがめなかった罪のために、エリの家をとこしえに裁く、と。 3:14 わたしはエリの家について誓った。エリの家の罪は、いけにえによっても献げ物によってもとこしえに贖われることはない。」
3:15 サムエルは朝まで眠って、それから主の家の扉を開いた。サムエルはエリにこのお告げを伝えるのを恐れた。 3:16 エリはサムエルを呼んで言った。「わが子、サムエルよ。」サムエルは答えた。「ここにいます。」 3:17 エリは言った。「お前に何が語られたのか。わたしに隠してはいけない。お前に語られた言葉を一つでも隠すなら、神が幾重にもお前を罰してくださるように。」 3:18 サムエルは一部始終を話し、隠し立てをしなかった。エリは言った。「それを話されたのは主だ。主が御目にかなうとおりに行われるように。」 3:19 サムエルは成長していった。主は彼と共におられ、その言葉は一つたりとも地に落ちることはなかった。 3:20 ダンからベエル・シェバに至るまでのイスラエルのすべての人々は、サムエルが主の預言者として信頼するに足る人であることを認めた。 3:21 主は引き続きシロで御自身を現された。主は御言葉をもって、シロでサムエルに御自身を示された。

言葉の意味

1章1節 ラマタイム・ツォフィム・・・略してラマ(19節)。サムエルの故郷。場所についてはいろいろな説があります。
5節 英語訳には「彼はハンナを愛していたので、ハンナには二人分を与えた」となっているいるものもあります(NKJV.NIV)。
11節 かみそりを当てません・・・当時の献身のしるしの一つに髪の毛を切らないというものがありました。(ナジル人)
24節 エファ・・・1エファ=約23リットル
3章3節 神のともし火は消えておらず・・・まだ夜明けには間がある頃。 神の箱・・・モーセがシナイ山で神様からいただいた十戒の板などが入った契約の箱。
12節 エリの家に告げたこと・・・スペースの関係で省略しましたが、2章を読んでください。

考えてみましょう

今日のサムエルのお話のように、まことの神様が直接人に語りかけてくださることは、長い聖書の歴史上でも極めてまれなことです(普通は天使とか御使いとか)。しかし今私たちは聖霊様が助けてくださり、だれでも心の中で神様の声を聞くことができます。それはどんな方法でしょうか。(毎日聖書を読み、神様にお祈りする)

今週の祈り

「神様。こんな小さな私にも、神様が語りかけてくださることを感謝します。イエス様のお名前によってお祈りします。アーメン」

友よ歌おう より 「語りませ主よ」

1.語りませ主よ/しもべは聞く/みことば給へ/よろこびゆかん/嵐の日にも/連れもどりて/汝(な)がなぐさめに/われいこえり/
(おりかえし)語りませ主よ/愛のことば/くだけし心/いかしいだき/み足のもとに/ひれふし聞く/語りませ主よ/さらばやすし。
2.繁(しげ)きこの世の/いざないにも/迷うことなく/助けいだし/汝(な)れのみわれの/義となりたもう/汝がそばにては/重荷かろし/
3.人に従い/うらぎられて/悲しみのとき/われさとりぬ/火の試みも/いばらの道も/耐えせしめるは/信仰のみ/

The Little Samuel
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