東京から仙台まで

tv-game.com的

ワンダースワンの旅

17.世界の車窓かな(南欧編)
〜銚子編(2)〜


前回までのあらすじ
東京から仙台まで、海沿いの町々を、ワンダースワンのソフトを買いながら旅する企画
“tv-game.com的ワンダースワンの旅”
前回は犬吠埼を目の前にして、日没のため引き返さざるを得なかったゲイムマン。
今回も銚子電鉄に乗って、終点・外川駅を目指す。


8時30分、東京駅発のバスはほぼ満員。
座席は確保できたので、駅で買ったBLTサンドを食べて朝ごはん。
前回乗ったバスとは違い、大栄から先は東総道路を通って、
旭経由で銚子へ向かいます。
東総道路を抜けた先に、「ようこそインターネット情報発信の町 山田町へ」の看板が。
農地ばかりが広がる所ですが、だからこそ、情報収集やショッピングなど、
ネットが役立つ場面は多いのかもしれません。
山田町の皆さーん、見てますかー?

乗客全員が銚子へ行くのかと思いきや、途中でけっこう人が降り、
東芝町に着いたころには、2分の3くらいになってました(10時42分着、\2,500)。
しかしここで降りる人は多くなく、
大半は終点の、犬吠埼京成ホテルへ向かうお客さんのようです。
東芝町から銚子駅まで歩き、11時10分発の銚子電鉄で、
前回たどり着けなかった海鹿島駅へ。
なお、今回も1日乗車券“弧回手形”(\620)を使用します。
車内は観光客とみられる人々で混んでいます。
ご年配の一団が、木造の車両を珍しがっている様子。
笠上黒生(かさがみくろはえ)で上り電車を待つ間、
電車の前で記念撮影をするカップル有り。
上り電車がやってきて、こちらの運転手さんにタブレットらしきものを手渡します。

タイムボカンシリーズ17年ぶりの復活を祝して、説明しよう!
タブレットとは、単線の鉄道で、同じ線路に両方から列車が来ないように、
運転手に渡す通行証のことである。
現在は単線でも、列車を自動的に検知するシステムを
導入している路線が多いが、銚子電鉄にはこれがないようで、
古くからのタブレット受け渡しが行われているのである。


タブレットと引き換えに、こちらから上り電車に、車掌さんが乗り移っていきました。
しかもホームを通らず、こちらの運転席から向こうの運転席に直接。

 
海鹿島(あしかじま)
11時22分、海鹿島駅に到着。
弧回手形によると、ここは関東最東端の駅だそうです。
海に向かって歩くこと10分、
前回も訪れた、海鹿島海水浴場へ。
そこから海沿いに南へ進むと、
ごつごつした岩場から一転、
なだらかな砂浜の海岸が姿を現しました。
君ヶ浜しおさい公園です。
右側に小さく見えるのは犬吠埼灯台。
大みそかにはここが、初日の出を拝む人で
いっぱいになったようです。
現在は、そこまで多くはないものの、
家族連れを中心に、そこそこの人出はありました。

上の写真に写っている3人の人影が、だんだんこちらに近づいてきます。
逆ドリカム構成、つまり女2人、男1人の学生さん風。
3人は私の横を通り過ぎると、そのまままっすぐ、
後方の細い道を歩いていきます。
地図で確認すると、あの先にあるのは確か、銚子電鉄の君ヶ浜駅。
私もその駅が見たいので、彼らの後についていきました。
なんでも、とってもスゴい駅らしいんですよ・・・。

果たして君ヶ浜駅とはどんな駅なのか?
この続きはCMの後で!



約5分で駅に着きました。
君ヶ浜

いやもう、歩いてる途中からこのゲートは目についたんですが、
こうして間近で見ると、その大きさと奇妙さに圧倒されます。
3人組がこのゲートを見て、どんな反応を示すのか、ひそかに注目していたのですが、
どうも地元の人だったようで、特に反応はありませんでした。
何が奇妙って、このゲート、駅舎じゃないんですよ。
それどころか、こんなゲートがありながら、この駅には駅舎がないんです。
白亜の大アーチと、プレハブの待合室を持った無人駅(笑)。
ホームに行くまで、駅名がどこにも書かれてないってのがまた笑えます。
いつまでもこのまま、ツッコミがいのある状態で、残っていてほしいもんです。

来た道を戻るときに、気が着きました。
銚子電鉄のコンセプトは、“ツッコまれてナンボ”
君ヶ浜といい、スイス風の駅舎でたい焼きを売ってる観音といい、
JRのホームの端っこで風車を回す銚子といい、
対照的にローカル駅の雰囲気丸出しの本銚子や西海鹿島といい。
実際、これらの駅舎を造ってから、鉄道ファンのみならず、
一般マスコミでも話題になったそうですから、
このコンセプトは大正解といえるでしょう。
再び公園に戻り、海岸伝いに犬吠埼を目指します。
ユニホーム姿の球児たちが、砂浜を走っています。
いよいよ犬吠埼灯台の
真下までやってきました。
下の海岸はこんな感じ。
やはり灯台の近くになると、
人出がどっと激しくなります。

灯台入口みさき亭着が12時32分。
ちょうどフィルムが切れたので、ここのおみやげ屋さんで補充しましょう。
おみやげ屋さんのほか、おもちゃ売り場もあったのですが、
スワンはありませんでした。
・・・スワンを忘れてるわけじゃないんすよ私だって。
関東の東の端、犬吠埼に立つ犬吠埼灯台は、
明治7(1874)年に完成・初点灯しました。
地上31.3メートル(灯火までは27メートル、
海面から灯火までは51.8メートル)で、
日本一高い、レンガ造りの建造物だそうです。
さすがに建造から120年以上も経っているので、
1987年に外部が補強されているということです。

ちなみに、灯火の周りが黒っぽく見えますが、
こういう色に塗られているわけではありません。
これ、みんな人なんです。
観光客が灯火の周りを、
ぐるりと囲んでいるわけなんです。

私もその観光客の一員となるべく、入場料\150払って灯台に上ります。
ワンダースワンの旅をずっとご覧くださってるかたには、もうおなじみかと思いますが、
またしてもらせん階段でございます。
「頂上(99段)を目指しがんばろう!」と書いてあります。

50段まで来たところで、上に人がいっぱいで上れない状態に。はからずも小休止。
階段を下りてくる人たちとすれ違います。難なくすれ違えるだけの幅はあるのですが、
上りの列は一向に動きません。どうしてでしょう?

その理由は、99段を上り切った時点で明らかになった。

99段を上り切りました。でもこの先にまだ、
急なはしご段が13段あったのです。
このはしごは、人間一人がやっと通れるだけの幅しかありません。
これがあるせいで、上っている人がいる間は下りられず、
下りる人がいる間は上れないというわけなのでした。
なにぶん明治の建物です。しかも灯台です。設計したブランドンさんも、
こんなに人がいっぱい来ることなど、想定してはいなかったでしょう。
北側は君ヶ浜の海岸。向こうに小さく、
銚子ポートタワーの姿も見えます。
さすがに周りはぐるっと海。
真下は関東最東端の海辺です。

近くの犬吠埼京成ホテルの敷地内に、佐藤春夫と尾崎穂草の碑有り。
その横では、温泉掘削工事が行われていました。
続いてやってきたのは、犬吠埼マリンパーク。
イルカのショーが目玉の水族館です。
ホントは\1,200なんですが、
以前茂原のひめはるの里で入手した
割引券があったので、これを使って\1,000で入場。
はるか昔に、別の所で手に入れた物が役立つなんて、
まるでRPGのアイテムみたい。

まず水族館。1階にはなかなか大きな水槽があります。
2階に上がる階段のわきに、白くて細長い、円錐状の物体が展示されています。
いったい何かと、下の銘板を見てみると・・・

「ながすくじらのペニス」

おい!(笑)

2階に上がった途端、恐竜ショーが始まりました。
辺りが暗くなり、天井から下がる首長竜の首が動いて、煙を吐くのです。
小さな子供が泣き出しました(笑)。
その先は、ユニークな魚がいっぱいの水槽群。
目のない魚がいたり、透き通った魚がいたり。
大きな水槽にはタカアシガニやピラルク、ピラニアもいますし、
かなりおもしろい水族館だと思います。
先ほどのくじらのペニスのように、ツッコみがいのある展示も。
銚子電鉄といいここといい、何で銚子には
ツッコまれてナンボの観光施設が多いんでしょう?
あ、そうか、銚子だけに、チョーシにのるからだ!

・・・

いや、そのぉ、このネタは別に私のネタというわけじゃなくって、
桜玉吉先生の『しあわせのかたち』にあったネタでして、
銚子に来たことでつい思い出してしまいまして・・・(汗)。
・・・ファミ通ばんざーい。

屋上の展望台に着いたのが13時52分。さすがに見事な眺めです。
あと残すはイルカのショーだけとなりましたが、
次のショータイムは14時30分。まだ38分もあります。
隣接するレストランやおみやげ屋さんで、
時間をつぶせばいいかな、と思ったのですが、
それらの場所へ行く途中には、水族館の出口がデンと構えているのです。
つまり、いったんレストランに行ってしまうと、
水族館に戻る際には、また入場料を払わなければなりません。
この後の旅程も考えて、後ろ髪をひかれる思いで、水族館を後にしました。
もっとも、ショーのない時間帯でも、イルカそのものは見られたので、
よしとしましょう。
マリンパークの向かいに、高浜虚子の句碑があります。
この写真では見えにくいですが、
海の向こうには、長崎鼻の灯台も。

ここから犬吠駅へと向かいます。
この道、人通りも車通りも多いのに、歩道がありません。
危ないなあと思いながら歩いていると、「犬吠駅→」の文字が。
角を曲がって、目が点になりました。

 
犬吠(いぬぼう)
弧回手形に、
「まぶしー、ポルトガルに来たみたい」
とあったので、またツッコみがいのある駅を
想像してたのですが、
実際来てみたらまあこんなにオシャレ。
駅舎もそれなりに大きいですし、
駅前広場もきれい。
花時計が、2時15分をさしています。

またまた説明しよう。この犬吠駅は、運輸省関東運輸局などが認定する
「関東の駅百選」に選ばれた駅。
ツッコまれるタイプの駅ではないのである。


駅の中には、日本画家・後藤純男氏の作品を展示する、美術館がありました。
去年の10月10日にオープンしたばかりの、新しい美術館です。(\600)
駅併設施設ですが、思いのほか規模が大きく、展示点数も豊富。
素人目に見ても、広がりと奥行きが感じられます。
私は絵に関してはホントに素人なので、これ以上のことは言えないのですが。

駅前広場に置かれた車両が、そのままレストランになっていました。
ここで昼食。マグロづけ丼を食べました。
窓からの景色が、
原宿のオープンカフェを思わせます。
もっとも、原宿はもうちょっとごちゃごちゃしてますが。
この景色を見ながらマグロづけ丼というのは
ミスマッチかもしれませんが、
せっかく銚子まで来たんですから、
海のものを食べたかったんですね。
おいしかったです。

にしても、ツッコむスキのない駅です。
銚子電鉄の駅なんだから、どっかにオチが欲しいところ。
で、オチっぽい絵を撮ってみました。
弧回手形を買うと、銚子名物ぬれせんべいの
サービス券がついてくるのですが、
その券とせんべいを引き換えてくれるのが、
犬吠駅内のおみやげ屋さんなのです。

ミレニアム記念グッズの一つ、ネクタイピンを買って(\1,500)、犬吠駅を後にします。
でもまだ電車には乗りません。
近くにある、満願寺というお寺に行くのです。
ゴージャスなお寺です。1974(昭和49)年開創と、
比較的新しいからでしょうか。
ご本尊は高さ4.3メートルの十一面観音。
中央に位置するのは「百観音の塔」です。
その名のとおり、百柱の観音像が安置されてます。
私の仕事に関連のありそうな、
「遊戯観音」という観音様にお参り。
てっぺんの窓から外を見ると、
犬吠埼灯台が真正面に見えました。

満願寺を取り囲む格好で、「展望館歩行者近道」と書かれた砂利道が伸びています。
犬吠でのこの旅最後の目的地、「地球の丸く見える丘展望館」への道です。
砂利道は満願寺を過ぎると、
キャベツ畑の中へ入ります。
丘へ行くんだから当然ですが、ずっと上り坂。
地球の丸く見える丘展望館です。
標高73.6メートルの
愛宕山(あたごやま)の上に建っています。
入館料\270払います。ホントは\300ですが、
弧回手形のおかげで1割引です。
1階の「デジタルウォッチ」に入場券を差し込むと、
「2000 2/12 PM 3:43
 セイレキ2001ネンマデ アト7760ジカンデス」

とプリントされて出てきました。
前庭には、日本とフィリピンの友好を祈念して
1958(昭和33)年に建てられた
「日比友愛の碑」があります。
先端部分はフィリピンのマヨン山の方角を
向いているのだとか。
展望館屋上からは、看板に偽りなしの
眺望が広がります。
こちらは犬吠埼方面。
海の向こうの断崖は屏風ガ浦。
以前訪れた刑部岬から、
ここ銚子まで続いている絶壁です。
よく晴れたこともあって、人がめちゃめちゃ多いです。
カップルがことに多いです。

屏風ガ浦から犬吠埼まで、今までワンダースワンの旅で
通ってきた道のりを目で追ってみました。
そしてその先の長崎鼻へ・・・。

展望館を出た後、周りの人たちについて、下の公園を下りていったら、
大きな駐車場に出てしまいました。
道がわからない!
・・・戻りましょう。
結局、来たときの道へ。キャベツ畑の向こうの建物は、高校でしょうか?
剣道のけいことおぼしき声がします。

犬吠駅に戻ってみると、駅前広場の花時計は4時25分をさしていました。
改札前の時刻表によると、次の外川行きは16時22分。
残念、タッチの差で、・・・と悔しがる間もなく、
目の前のホームに、外川行きの電車がやってきました。
どうやら電車が遅れていたようです。
降りてきた人も多いですが、乗っている人もまたけっこういます。
観光客でしょうか、地元の人でしょうか。

 
外川(とかわ)
16時28分、銚子電鉄の終点、外川着。
駅を出たところで、先に降りていた乗客が、
私のほうにカメラを向けました。
もちろん、このゲイムマンの写真を
撮ろうとしているわけじゃなく
(そこまで有名だったらうれしいですけどね)、
この駅舎の写真を撮ろうとしていたのです。
鉄道ファンに人気の銚子電鉄ですが、
犬吠や観音のようなハデな駅ばかりではなく、
この素朴な外川駅も、
人気を集めているようですね。

駅から細い道をまっすぐ下っていくと、そこが外川漁港でした。
外川はNHK朝の連続テレビ小説『澪つくし』の舞台となったところです。
左に曲がって、海沿いを東に進むと、
長崎という集落。
突き当たりの長崎鼻には、
円筒形の灯台が建っています。
灯台付近は立入禁止だったので、
写真だけ撮って引き返しました。
沿道にサボテンが植えられていました。
歩いて外川漁港に戻りました。
夕日が水平線に沈みつつあります。
ここから駅には戻らず、
そのまま海沿いの道をたどります。
目指すは義経伝説の地、千騎ヶ岩。
源義経が千騎の兵とともにたてこもったことから
その名がついたといわれる千騎ヶ岩(せんがいわ)。
手前の立て札によると、標高17.7メートル、
周囲約400メートルだそうです。
かつてはウミウの越冬地だったとか。
この付近には、主人の義経を慕って鳴き続けた
犬が岩になったという「犬若」があるはずですが、
どの岩がそれなのかわかりません。
多分、この岬の向こう側だと思います。
でも既にけっこう暗くなってしまってますから、
これ以上先に進むのは、
やめといたほうがいいかな、と。

もと来た道を戻りかけたところ、白い犬が3頭、道を塞いでいるのに遭遇。
こっちにらんでます。
・・・
“ワン! ワン! ワン!”
わー、こっち来た!


・・・ふー、もう追ってこないな。
あーコワかった。
正規の道には戻れませんでしたが、港に沿って逃げられたから良かったです。
キックボードに乗ってる若者が、けげんそうな顔でこっち見てます。
あの犬たちはもしかしたら、犬若を護衛しているのかもしれません。

外川駅が見えてきました。
電車が止まってます!
走ります!
17時38分、駆け込んだ電車は、1分後に動き出しました。
すべりこみセーフ!
窓からの景色はもう真っ暗。
このまま銚子駅まで戻ってもいいのですが、よく考えてみると、
銚子電鉄で立ち寄ってない駅って、一つしかないことに気が着きました。
せっかくだからbyコンバット越前、その駅でも降りてみることにします。

 
笠上黒生(かさがみくろはえ)
銚子電鉄で唯一、上り下りの電車がすれ違える
笠上黒生駅です。17時49分下車。
弧回手形に「駅の名前読める?」とあるとおり、
難読駅名の多いこの路線でもとりわけ難読。
だいたい地名でも人名でも、「生」という字がつくと
読みかたが難しくなることが多いですね。
「生田」は普通「イクタ」と読むのに、
後ろに「目」がついただけで、
「ナマタメ」になっちゃうんですから。

ともかくそのカサガミナマタメ、じゃない、カサガミクロハエで下車。
といっても、住宅街の中の駅なんで、降りてもすることがありません。
次の電車は18時13分。駅の時刻表によると、
銚子駅で特急しおさいに接続する最後の電車です。
上りホームの待合室で、さっきのぬれせんべいを食べて待ちます。
ぬれせんべいというのは早い話、ふにゃっとしたせんべいです。
割ろうとしても割れずに、曲がります。
しょうゆが生地の中まで染み込んでいて、たいへんおいしいです。

18時13分の電車に乗って、銚子に着いたのが18時22分。
余裕をもって39分発の特急に、乗り換えることができたのでした。

ゴールの仙台まであと
90駅


今回のルート

今回購入したソフト
『ロックマン&フォルテ』 バンダイ
『ロックマン』シリーズは難しいという話は聞いていたが、
実際プレーしてみるとホントに難しい。
コンティニューするたび、アイテムと交換できるネジがたまるので、
交換所までたどり着ければ何とかなるかも・・・。
とりあえず、1面のボスを倒さないことには・・・。


次回「ワンダースワンの旅 水郷編(1)」では、ゲイムマンがなぜかあの特急に!

「ワンダースワンの旅 16.銚子編(1)」に戻る

tv-game.comタイトルページに戻る
ゲイムマンのホームページに戻る

「ゲーム脳」徹底検証シリーズ
tv-game.comトップページ