'96.3.24 第2回ぷよマスターズ全国大会
(幕張メッセ)


 そもそもウィナーは、『ぷよぷよ』が得意ではない。
 アクションゲームは全般的に苦手なのだが(本人いわく「プレイ中にパフォーマ
ンスがしづらいから」)、なかでもとくに『ぷよぷよ』が駄目なのだ。
 主な戦法が「フィーリング連鎖」(右3列に適当に積む)だというから、どれだ
け初心者かわかるだろう。彼がこの大会に出た目的は、実績を作ることではなく、
二万人(主催者発表)の人々に自分の姿を覚えてもらうことだった。
 でなければ、1勝1敗で対戦を切り上げ、大出綾太氏や山中直樹氏の応援に向か
うということはしない。
 ただ、その「自分の姿を覚えてもらう」という目的も、果たしていたとはいいが
たい。真っ赤なレーススーツに大きなサングラス、それに頬のペインティングは、
どこかの路上で見かけたとすれば、たしかにインパクトがある。
 だがここには、もっとインパクトのある連中がたくさんいたのだ。
 そう、“コスプレイヤー”である。
 コンパイルは、コアなファンをつかむため、コスプレを大いに奨励している。な
にしろ、仁井谷社長みずからサタンに扮して、コスプレコンテストに出るほどだ。
 この中ではウィナーの派手な服装も、“コスプレ”という大枠にくくられてしま
う。そういえば何となく、「すけとうだらJr」のコスプレに見えないこともない。
 途中からすっかり観客としてイベントを楽しんでいたウィナー。楽しめるイベン
トだったことは認めるが、彼本人の立場は、イベントの前と後で、まったく変わっ
ていないのだ。
 「ゲームの殿堂」まであと5か月。その間に何かやらなければ、「ファミ通杯」
の出場など夢のまた夢。彼だって、武道館のゴールデンスライムを、下唇をかみし
めながら見上げるのは、もう終わりにしたいはずだ。(ジーサン河元)

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