ものづくり 番外編 我が家のパソコンもAthlonを搭載
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Athlon1GHz(FSB266MHz)を取り付けたところ。バルク品なのでCPUファンも購入した。1.7GHzまで対応という品で,冷えそうなデザイン?である。ただ,ファンの回転音は静かとは言えない。 その上に見えるのが,新しく交換した電源ユニット。ファンがケース内とケース外に2個ついており,冷却効果も期待できるかもしれない。 マザーボードはDFIのAM75−TCを選択。チップセットにKM133Aを使っており,グラフィック機能を併せもつ。Athlon XP対応だがメモリーはSDRAMのみの対応。 |
きっかけはゲームから
世間では2GHzのCPUのマシンも出現していますが,我が家の1号機は特に問題もなく動作しておりましたので,改造の必要には迫られませんでした。ワープロソフトを使ったり,ホームページを作成したりするのには,充分満足できる性能でした。しかし,先日,「ハリー・ポッターと賢者の石」というコンピュータゲームをプレイし始めてから事態は変わりました。グラフィックの質を上げると,ゲームがよく止まります。OSは98SEですから,一緒にコンピュータも止まります。かといって,この手のゲームの画質を下げて遊んでも,あまり楽しくありません。いよいよ中身の更新の時期が来たかと観念しました。
いろいろ悩んでAthlonに決定
まず,CPUを悩みました。Athlonにすべきか,Pentium4にすべきか。CPUそのものの価格はもとより,マザーボードや,メモリーのコストから見ても,総じてAthlon方がローコストです。私がよく参考にするTom's Hardware GuideによればP4の1.5GHzあたりは,Duronの1.2GHzに性能面で迫られています。いろいろな雑誌を見てもパフォーマンスの面でもAthlon優位が伝えられます。ただ気になるのは,AMDのプロセッサが熱に対して弱いということです。同じくTom's Hardware GuideによればCPUクーラーをわざと取り外してCPUを駆動させると,P4は制御が働きもちこたえますが,Athlonは焼けて動かなくなってしまうということです。ただ,CPUクーラーがはずれてしまったり,動かなくなってしまったりということは,パソコンを使い始めて10年以上たちますが,1度も経験したことはありません。ということで,CPUはAthlonに決定しました。なにぶんにもAthlon初体験ですので,後で動かないといって泣きを見るのも嫌なので,1万円を切る価格となった1GHzのAthlonを選びました。
次にマザーボードです。将来的にAthlon XPが付けられるボードを考えましたが,メモリーは今までのSDRAMを生かすか,DDR SDRAMにすべきか迷いました。雑誌などによれば,体感的にはあまり大きな差が認められないという報告もあります。とりあえず,これまで使ってきたSDRAMを生かす道を考えました。初め魅力的に写ったのはESCのK7S5Aです。XP対応でSIS735というチップを搭載したボードで,特徴はSDRAMとDDR SDRAMの両方が使えるというものです。しかし,このボードは安くて高性能という意見もあれば,うまく機能しなかったという報告もインターネット上に寄せられています。Athlon初体験の私としては,ちょっと不安です。
いろいろと考えていくうちに,変なひらめきが生じました。これまで使ってきたマザーボードのチップセットががVIA製であり,VIAのチップセットを使ったマザーボードなら,ハードディスクをそのまま使っても支障なく使えるのではないかという考えです。最新のKT266Aを搭載したマザーボードはほとんどがDDR SDRAMをメモリーとして選んでいますので,KT133A搭載のXP対応のマザーボードなどを考えていました。そして,パソコン工房つくば店の店内でふと目に留まったのが,今回紹介するKM133Aを搭載したDFI製のAM75−TCというボードです。XP対応でSDRAMを使用し,しかもグラフィック機能まで付いていて,値段も1万2千円を切るということで,購入を決めました。
トラブル発生
家に帰って,マザーボードとCPUを入れ替えて電源を入れました。ところが,CPUファンやケースファンは動き出しましたが,画面が真っ暗です。試しにAGPバスに差し込んでいたグラフィックボードから,マザーボード本体付属のグラフィック機能に差し替えてもだめでした。真っ先に思い浮かんだのがAthlonの電源問題です。これまで使ってきた250Wの電源できちんと動作するのかという不安はありましたので,これがAMDの洗礼かと思いました。早速パソコンショップでAMD推奨の350Wの電源を求め,交換しました。ところが画面は以前真っ暗です。冷静に考えると,この症状は電源ではなくメモリーからくるものであると思いました。以前の環境通りに,128MBと64MBのメモリーを1枚ずつ差していたのが災いしたのです。64MBのメモリーを外したところ,パソコンは何事もなかったかのように動き出しました。その後,別のパソコンに差していた128MBのメモリーを追加したところ,今度は正常に動き出しました。現在は128MB×2=256MBのメモリーで稼働しています。メモリーにシビアであるとは聞いていましたが,こんなものなのかと一人納得しました。これが5枚目のマザーボードですが,こんなことは初めてでした。
ハードディスクはそのまま使うことができました
パソコンが動き出し,Windows2000の画面が現れました。その後,グラフィックボードのドライバーを要求してきましたので,あらかじめ用意しておいたドライバーを指定しました。Windows2000はそれ以外何の要求もなく動き出しました。
私のパソコンはゲームをプレイするのにWindows98SEとのデュアルブート仕様となっています。一旦2000を終了して,Windows98を起動しました。ここでIDE ATA/ATAPIコントローラーのドライバーを要求してきました。しかし,CD−ROMにドライバーの入ったディスクを入れましたが,ドライブが認識されません。Windows2000では全く問題なく認識されたのにだめでした。CD−ROMよりドライバーのインストールができないので,Windows2000を起動し,マザーボードに付属のCD−ROMとWindows98SEのCD−ROMの内容を一時ハードディスクにコピーして,そこからドライバーを導入しました。その後は,問題なく動作し,CD−ROMもきちんと認識されるようになりました。ハリー・ポッターのゲームも止まることなく動くようになりました。グラフィックの向上も目を見張るものがあります。息子の弁を借りれば,ダンジョンキーパー2も,これまでよく止まっていたが,全く支障が無くなったばかりか,画面も明るくなったということでした。表2のように,ハードディスクへのアクセス以外パソコンの性能は向上し,改造は成功裏に終わったと言えます。
表1 パソコンの仕様の比較
1号機改(今回改造) | 1号機(以前紹介) | |
マザーボード | DFI AM75−TC | AOpen AX64Pro |
チップセット | VIA KM133A | VIA Apollo Pro133A |
CPU | Athlon 1GHz | pentiumⅢ 733MHz |
メモリ | SDRAM256MB(CL=3) | SDRAM192MB(CL=3) |
グラフィックボード | ELSA ERAZOR X | ELSA ERAZOR X |
HDD | 30GB(ATA/100) | 30GB(ATA/100) |
表2 HDBENCH(Ver3.22)による主な性能の比較
1号機改(今回改造) | 1号機(以前紹介) | |
ALL | 20999 | 18003 |
CPU整数演算 | 42660 | 33357 |
CPU浮動小数点演算 | 51890 | 33233 |
メモリーRead | 17094 | 10739 |
メモリーWrite | 22053 | 7823 |
メモリーReadWright | 28361 | 15449 |
ハードディスクRead | 25531 | 26188 |
ハードディスクWrite | 20875 | 22729 |
ハードディスクCopy Drive | 2326 | 2591 |