私は
はっきり言って
坂の走り方など
全くわからない
高校時代に
チャリンコ通学をしていた時の記憶だけで
何とか走っているようなものだ
えっちらおっちらと
出始めた乳酸たちと戦いながら
坂を登っていると
よいちが後ろから一言
「おまえ速過ぎるぞぉ」
そうかなぁ
そんな程度の認識しかしなかった
調子が悪いと連呼するよいちの言葉は
状況的にいまいち説得力に欠けるのもあったが
前出の
私の「妙な自信」
が
素直な気持ちを邪魔したのは明らかだった
実力的には
よいちのほうが
私より数段レベルが上だろうことは
明らかだろうが
その時の私には
聞く耳などなかった
走行速度時速15キロ
たぶん速すぎるんだろう
今思うとバカだった
よいちがどんどんちぎれてゆく
ちょっと優越感に浸っていた
おれって意外とイケルのかも
そんなことを思いながら
その速度を維持しながら
一心不乱に登った