GREEN TEA TIME
イギリス万国樹木博覧会


シナノキ・ボダイジュ
(科の木(級の木)・菩提樹)

Lime (Tilia spp.)

シューベルトの歌曲で有名なシナノキ(菩提樹)は、英語では普通「lime(ライム)」と呼ばれています
(「linden」という名称はあまり使われていません)。

イギリスでは公園だけでなく街路樹としてよく植えられていますが、
初夏に葉にいっぱいつくアブラムシが粘り気のある液体を出すため、
路上駐車スペースに停まっているクルマはたちまちベトベトになってしまいます。
そのため、最近は街路樹としては不評で、春頃に丸坊主にされた幹がボソッと一本立っているだけ、
といった可哀想な姿を見かけます。街路樹って哀しいなぁ...

秀逸なのは初夏の花の香りで、うっとりするような甘い香りが木のまわりに漂います。
シナノキの花のお茶は精神をリラックスさせるので、寝る前に飲むとよいそうです。

左の写真は、Gloucestershireにある昔のお屋敷の庭園に生えていた、奇妙なシナノキです。
水平に伸びた大枝から、2、3本の枝が垂直に伸びており、独立した木のような形になっています。
木の枝から木が生えているみたいな、不思議な形でした。

右の写真は、小さい葉のつくSmall-leaved Lime (Tilia cordata)の葉と花ですが、
イギリスでもっともよく見かけるのは、大きな葉の Broad-leaved Lime (Tilia platyphyllos)との雑種の
Common Lime (Tilia x europaea)です。
日本にはシナノキ (Tilia japonica)の他に、ボダイジュ(T. miqueliana)など数種が生息しています。

(イギリス・ヨーロッパ原産)



(99/09/14)

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