ドルイド僧たちは、イチイを「死とそれに続く復活の木」として、とりわけ崇めていました。
実際にイチイは、その可愛らしい赤い果肉を除いて全ての部分に毒があり(種も有毒)、
葉を食べた家畜や、種ごと実を食べた子どもが死に至ることもあります。
(ちなみに私は赤い果肉だけを何度か食べていますが、いまのところ平気です。
中の種は有毒なので注意!)
最近、イチイの持つ成分に抗がん作用があることがわかり、
製薬会社がこぞって製品化しています。とてつもないパワーを秘めた木なんですねぇ。
成長が大変おそい割に、千年単位で生きる長寿の木でもあります。
辻井達一氏によれば、日本のイチイ(Taxus cuspidata)は北海道では「オンコ」とよばれ、
ほかにも「アララギ」や「キャラボク」、「シャクノキ」などの呼び名があるそうです。
また、もともと神官が使う杓がこの木で出来ていたため、仁徳天皇がこの木に「正一位」の位を
授けたことから、「イチイ」とよばれるようになったといわれるそうです。
う〜ん、日本の昔の(神道の)神官も、ヨーロッパの森の僧も、
どういうわけか同じイチイを神聖視していたのですねぇ。なにやら因果関係を感じさせます。
ヨーロッパの原始信仰(paganism/druidism)では復活の扉の守護樹で、土のエレメントを表します。
(アフリカ、南西アジア、イギリスおよびヨーロッパ原産)
(99/08)
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