空に向かってスキッと伸びず、地面から3〜5mあたりで枝をくねらせ、
なんかこう、グネグネとはっきりしない外見があります。
また一枚一枚の葉っぱも湾曲してゴワッとした感触で、それが木の枝から鈴なりに垂れ下がっているので、
夏まではゴワゴワ・ダラダラの無骨な見た目の木です。
そんなペルシヤパロッティアが一挙にスターダムに駆け上がるのが、秋の紅葉シーズン。
上は紅葉がはじまったばかりの写真ですが、
秋が深まるにつれ、葉っぱが次々に黄色・オレンジ・紅・深紅に変わっていき、
秋の陽射しの中で他のどの木にも負けない錦絵のような紅葉を繰り広げていきます。
一枚の葉の上で各色が溶け合って光彩のグラデーションを織り成すさまは宝石のよう。
真紅の紅葉でイギリス園芸界で揺るぎない地位に安住している日本のモミジたちですが、
鉄をも溶かすような鮮やかな紅葉に燃えあがるペルシヤパロッティアの横では苦戦は必至です。
代わりに、優しい黄色一色に黄葉し、甘い香りを周囲に漂わすカツラの木が
ペルシヤパロッティアの隣りには似合うんだなぁ、と思いました。
カツラが日本の名木なら、ペルシヤパロッティアはイランの名木です。
(イラン北部、コーカサス東部原産)
(99/10/17)
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