GREEN TEA TIME
イギリス万国樹木博覧会


カエデとモミジ共演 in Westonbirt樹木園
(楓と紅葉)

Maples(Acer spp.)

今年も行ってしまった、Westonbirt樹木園秋の恒例の紅葉ウォーク。
去年は日本のモミジ恋しさに思わずイロハモミジやハウチワカエデばかりを見ていましたが、
今年はユーラシアや北米大陸のカエデも見る余裕がでてきました(^v^)"。
上の写真は、アジア南西部からヨーロッパにかけて分布するヨーロッパカエデ(Norway Maple
(Acer platanoides))の鮮やかに紅葉した葉っぱたちです。
緑の草とのコントラストが素晴らしいですが、大きな葉っぱになると、下の写真のように

葉っぱ本体の長さだけで10cmを軽く超える、天狗のウチワのような大きさになります
左上の日本のイロハモミジ(Japanese Maple(Acer palmatum))の葉っぱが小さく見えますねぇ。
左下の葉っぱは、ヨーロッパカエデの小さ目の葉です。一本の木で落葉した葉っぱのサイズが
激しく違うんですね。木自体も葉っぱに負けず劣らず大きく、秋晴れ空に堂々とした雄姿を見せてくれます。

とはいうものの、年間の来場者の大半が10月に訪れるというWestonbirt樹木園の最大の目玉は
イギリス国内最大級の National Japanese Maple Collection です。
日本のイロハモミジやハウチワカエデの園芸種が散りばめられるように植えられているこのコレクションは、
園芸好きだけでなく、カメラ好きのイギリス人まで惹きつける、人気のアトラクションです。
左の写真は、イロハモミジの園芸種「紅鏡」(A. palmatum 'Beni Kagami')
右は去年の写真ですが、人々は秋の陽射しのなかで珠玉のモミジたちのあいだを 歩きまわっていました。
日本のモミジたちはサトザクラの園芸種と並んで、イギリスの園芸界では別格扱いといった感じです。

同樹木園では、そこここにイロハモミジやハウチワカエデが素晴らしい紅葉を見せていました。
左の写真は、燃えるような紅葉でカメラ好きを魅了していたハウチワカエデ
(Fullmoon Maple (Acer japonicum))。
右は、落ち着いたワインカラーが風情あふれるイロハモミジの園芸種 Purple Japanese Maple
(Acer palmatum 'Atropurpureum')。和名も「ムラサキイロハモミジ」っていうのかな?
(どなたかご存知のかた、教えて下さい(^v^)")

そんな日本のモミジやカエデたちの紅葉を楽しみながら歩いていると、黄色とオレンジの
素晴らしい紅葉(いや、この場合は黄葉かな?)をみせている、スラリとした大柄のカエデが!
「このカエデの名前は...」と、あまりの美しさ思わず引きつけられて名札をさがすと、
カナダの国旗にはためくサトウカエデの亜種で、ひときわ鮮やかな黄葉で知られる
Chalk Maple (Acer saccharum sbsp. leucoderme)でした。サトウカエデといえば、
いままでメープルシロップのイメージしかなかったのですが、まさに花も実もある、いや
葉も蜜もある、ステキな木ですね!

雄大な紅葉を見せる堂々とした大陸のカエデたちと、繊細で鮮やかな紅葉で人々を魅了する
日本のモミジやカエデたちの葉っぱを拾ってきました:

上から イロハモミジ、ヨーロッパカエデ(大きな葉、小さめの葉)

最初に掲載したのと同じ写真です。








上から セイヨウカジカエデ、コブカエデ、ハウチワカエデ

イギリスの環境保全分野では悪者扱いのセイヨウカジカエデですが、クリーム色の黄葉がなかなかチャーミングじゃないですか。
イギリス唯一の在来種、コブカエデは、世界のカエデやモミジたちの間で、いまひとつ華に欠けるといった感じは否めませんが、コブカエデについては近日中に別途upしたいです。
イギリスで紅葉といったら何といっても日本のイロハモミジとその園芸種たちですが、おなじ日本のハウチワカエデも負けていませんね。


上:ヨーロッパカエデの園芸種、左下:モミジイタヤ、右下:サトウカエデ

大柄なヨーロッパカエデですが園芸種もたくさん。深い切り込みが入った葉っぱがエレガントな Acer platanoides 'Lorbergii'です。
地中海から中国西部まで幅広く分布する、 モミジイタヤ (Cappadocian Maple (Acer cappadocicum))は、Westonbirt秋の紅葉ウォークでも紹介されている、イギリスで人気のカエデです。ぽったりした葉っぱの可愛らしさもさることながら、毎年バター色の素晴らしい黄葉を見せてくれて、人々の期待を裏切りません。
サトウカエデの本種の葉です。ちょっと形がかわった葉っぱを拾ってしまいましたが御愛敬(^v^)"。

上から サトウカエデの亜種、 サトウカエデ、 ヨーロッパカエデ

鮮やかな紅葉で定評があるサトウカエデの亜種 Chalk Maple と、サトウカエデの本種、そして、葉の形が似ているのでよく混同されるヨーロッパカエデの葉っぱです。ヨーロッパカエデは葉の先のポイントが尖っています(裂片には数個の細くとがる鋸歯がある)が、サトウカエデは葉の先のポイントが丸いです。

(写真を撮ったときスタンドの明かりの影が入ってしまってわかりづらいかもしれませんがご容赦をm(^v^)m)




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(99/10/24)

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