GREEN TEA TIME
イギリス万国樹木博覧会


ヨーロッパカラマツ
(唐松)

European Larch(Larix decidua)

ゆんさんのサイト「樹木医のたまご」に紹介されているカラマツですが、
その兄弟がヨーロッパ中部にいます。その名もヨーロッパカラマツで、英名もEuropean Larchです。

イギリス原産ではなく、17世紀前半に上流階級の園芸好きの人々の庭に植えられはじめ、
上質の材が採れるため、やがて林業で植林されるようになりました。

その後、開国後の日本から日本のカラマツ(Japanese Larch (Larix kaempheri))が
もたらされました。ヨーロッパカラマツに比べて痩せた土地でもよく育ち、
がん腫病(canker)に抵抗力のある日本のカラマツはみるみる植林されていきました。

そして、横浜の苗業者から日本のカラマツを持ち帰ったスコットランドの貴族の庭で、
ヨーロッパカラマツをお父さん、日本のカラマツをお母さんとして、種間雑種が生まれました。
その貴族の領地の名前をとってダンケルドカラマツ(Dunkeld Larch (Larix x eurolepis))と
名付けられたその木は、ヨーロッパカラマツの材の良さと日本のカラマツの丈夫さ、
そして雑種ならではの旺盛な生長力を兼ね備え、
現在イギリスの林業分野で幅広く植林されています。

(注:上記の内容はイギリス樹木の権威、故アラン・ミッチェル氏のイギリスでの事情に基づいた記述によるものです。
日本のカラマツの材とヨーロッパカラマツの材の優劣は、植林された土地の地質や気候によるところが
多分にあると思いますので、上記記述が必ずしも日本の事情に当てはまるかどうかは当方も定かではないところです。 )

「地球自然ハンドブック 木の写真図鑑」によると、
日本のカラマツが高さ30mで広い円錐形に育つのに対して、
ヨーロッパカラマツは高さ40mでひょろりと細長い樹形になるそうです。
上の写真はキュー・ガーデンでしみじみとした黄葉に色づくヨーロッパカラマツです。

(ヨーロッパカラマツ:アルプス地方〜ウィーン周辺原産
ダンケルドカラマツ:園芸起源)

日本のカラマツのことが
ゆんさんのサイト「樹木医のたまご」に紹介されています。

いますぐjump!


(99/12/05)

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