検索エンジンで見つけた北海道植物友の会(http://www.asahi-net.or.jp/‾KC7M-MZSM/index.html)
に掲載されている佐藤謙氏のレポート「北欧植物の旅」
(http://www.asahi-net.or.jp/‾KC7M-MZSM/bota13/sato_ken.htm)に
Betula nana の和名が載っていました。「ヒメカンバ」というそうです。
もっと大きな写真はこのページの下のほうにあります。
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「白樺」といえば、とても可憐で繊細な、女性的なイメージがありますが、
実際には、ナラやブナなどの他の広葉樹が到底生きることができないような、
地球上で最も過酷な地域にも生える、強じんな木なのですねぇ。
アイスランドはおろか、緯度的に森林限界を楽勝で超えてしまっているグリーンランドでも
なんとか生き延びているというから、ますますスゴイ!その根性、見習いたいものです(^v^)"。
もちろん、アイスランドのような極寒の地に生きるのは並大抵のことではないでしょう。
牧畜産業によってほとんど牧場・牧草地になっている大地に吹き荒れる風雪にさらされて
育った樹形は曲がりくねり、樹高も高くはならないようです。
左の写真は、ちょっとしたヨーロッパシラカンバの林ですが、ほとんどの木が3mほどの高さでした。
低地でこの程度ですから、すこし山に登るとあっという間に樹高も30〜50cmぐらいになってしまいます。
右の写真は数百メートルの山の登山道脇で、石を抱きかかえるように生えているヨーロッパシラカンバ。
厳しい気候のせいで、高山植物や地衣類とともに、這いつくばって生えていました。
「盆栽の心、自然にあり」って感じですね。
(原産地:北アジアおよびヨーロッパ、極北圏)
アイスランドにはもうひとつ、とても小さいカバノキがあります。
和名は「ヒメカンバ」英名は「Dwarf Birch(「小人のカバノキ」の意)」、
ラテン名はBetula nanaです。nanaはラテン語で「背の低い、小人の」って意味だそうです。
ヨーロッパシラカンバすら生えないような高山帯に生えているのかと思いきや、
比較的低地の自然散策路の両脇にもけっこう見られました。樹高は20cmほどでした。
小指の爪ほどのちいさい葉っぱがかわいらしい、コロボックルのような木ですが、
他の大きな樹木たちが逆立ちしても生きることができない厳しい場所に敢然と生えている、
木のなかのチャンピオンともいえますねぇ。
(原産地:アイスランド、極北圏)
(99/09/14)
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