辻井達一氏は著書「日本の樹木」のなかで、日本北限のブナがある北海道黒松内町では
「木へんに貴」という漢字を当ててブナで町おこしをしているとおっしゃってます。
建築用材として使われなかったために「木で無い」と書かれたブナも、
昨今のブナへの注目とともに、照葉樹林の保護のシンボルへとプレゼンスが上がっていますねぇ。
Philip Heselton氏によれば、ブナはヨーロッパでも、「同地方の原始信仰(paganism。ケルト文化)の名著
「The White Goddess」のTree Calendarに入っていないため、
現代のpaganistたちの間でも「二流の木」とあしらわれているが、
実はブナは全ての木を超越した存在とみなされていたため、
Tree Calendarに入れるにはあまりにも特別で神聖で重要過ぎたのだろう」と解釈されています。
日欧両地域で実際にプレステージの高いブナに「木へんに貴」という漢字はピッタリかも!
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北ヨーロッパで文字が刻まれた最初の板がこの木で出来ていたといわれ、
「太古の昔より伝わる知恵」の使者という側面もあります。
空気と土のエレメントを表すそうです。
上左の写真はWinchester郊外のMicheldever Forestにある夏のブナ林。
歩くだけで、とても安らかな気持ちになります。
上右はブナの葉と実の写真です。
(ヨーロッパ・イギリス原産)
(99/08)
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