でもそのうちに、ヨーロッパナラやヨーロッパブナなどの「じっくり我慢型」の木々がどんどん育っていき、
しっかりした大き目の葉をいっぱいに広げるようになると、
地面に日光が差し込まなくなり、特定の草花を残して多くが姿を消していきます。
シダレカンバもまた、仲間のヨーロッパシラカンバ(White Birch(B.pubescens))とともに、
ナラやブナで構成される森林のクライマックス段階を前に消える運命なのです。
でも心配は無用。カバノキの寿命はだいたい20年ほど、50年も生きれば老木です。
もともと短いサイクルで種を持続していく、軽やかな木なんですね。
そして、嵐や雷で樹齢数百年を超すナラの王様や、背高ノッポのブナの女王様が倒れた場所に、
日光が差し込むようになると、ふたたびシダレカンバや草花たち −陽気な仲間たち− の出番です。
こうして森林は再生を繰り返していきます。
ヨーロッパの原始信仰(paganism/druidism)では癒しの木とされ、
細い枝が風にそよぐこと、また湿潤な土地にも生えることから、
空気と水のエレメントを表します。
(アジア北部、イギリスおよびヨーロッパ原産)
(99/08)
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