陽光ふりそそぐ地中海が原産地だけあって、濃い常緑の葉、真っ赤な実、そして
写真の左上に見えるクリーム色の花のコントラストに、
ミロやマティスにも通じるアートなセンスを感じずにはいられませんが、
「あれ?花と実が同時についてるって不思議!」と思われた樹木通のみなさんも
いらっしゃるはず。
実は、秋に咲いた花が実に熟すまで、ほぼ1年かかるために、
今年咲いた花と、去年の花が熟した実を同時に見ることができるんですねぇ。
花と実を一度に両方楽しめる、良心的な木なんですね!
ところで、「イチゴノキ」というからには、実もイチゴのような味がするのかなぁ?
と思っていたら、樹木鑑賞の先生、arboricultureの先生ともに、
「学名 Arbutus unedo の unedo は「1度」という意味で、
一度食べたら二度と食べたくないくらいまずい!ということからこの学名がついた」
と口をそろえます。ところが、イタリア人のクラスメートのロベルタが、
「おじいちゃんの家の庭に生えているけど、美味しいよ!」と、
みんなの前で実をもぎ取ってパクリ!
ならば私も!と食べてみると、ちょっとジャリジャリするけど、
甘酸っぱくてなかなかイケル!
でもほかのイギリス人のクラスメートたちは「信じられない...」と言った面持ちで
そんなグルメ(?)なイタリア人と日本人を呆然と眺めているんだなぁ。
上記の画像は99年10月末にキュー・ガーデンで撮影しました。
秋から冬にかけて花と実が楽しめます。
(原産地:地中海地方、アイルランド南西部)
(00/02/13)
Copyright(C) 2000 Mari Sato. All rights reserved.