GREEN TEA TIME
イギリス万国樹木博覧会


イチゴノキ
(苺の木)

Strawberry Tree(Arbutus unedo)

名前のとおり、イチゴに似た実がかわいらしいイチゴノキ。
エミリ・ブロンテの「嵐が丘」の舞台になった北ヨークシャーの丘には欠かせない
ヒースたちと同じ、ツツジ科に属します。
でもイギリスのヒースたちを遥かにしのいで、樹高が10mにもなる立派な木に成長します。

陽光ふりそそぐ地中海が原産地だけあって、濃い常緑の葉、真っ赤な実、そして
写真の左上に見えるクリーム色の花のコントラストに、
ミロやマティスにも通じるアートなセンスを感じずにはいられませんが、
「あれ?花と実が同時についてるって不思議!」と思われた樹木通のみなさんも
いらっしゃるはず。

実は、秋に咲いた花が実に熟すまで、ほぼ1年かかるために、
今年咲いた花と、去年の花が熟した実を同時に見ることができるんですねぇ。
花と実を一度に両方楽しめる、良心的な木なんですね!

ところで、「イチゴノキ」というからには、実もイチゴのような味がするのかなぁ?
と思っていたら、樹木鑑賞の先生、arboricultureの先生ともに、
「学名 Arbutus unedounedo は「1度」という意味で、
一度食べたら二度と食べたくないくらいまずい!ということからこの学名がついた」
と口をそろえます。ところが、イタリア人のクラスメートのロベルタが、
「おじいちゃんの家の庭に生えているけど、美味しいよ!」と、
みんなの前で実をもぎ取ってパクリ!
ならば私も!と食べてみると、ちょっとジャリジャリするけど、
甘酸っぱくてなかなかイケル!
でもほかのイギリス人のクラスメートたちは「信じられない...」と言った面持ちで
そんなグルメ(?)なイタリア人と日本人を呆然と眺めているんだなぁ。

上記の画像は99年10月末にキュー・ガーデンで撮影しました。
秋から冬にかけて花と実が楽しめます。

(原産地:地中海地方、アイルランド南西部)


(00/02/13)

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