インターメカニカ・ロードスター356なめらかな流線型と独特のフェィスを持つ、ポルシェ356AコンパーチブルD1959年型「ロードスタ一」のレプリカ・モデル。しかしそれは、生粋のクラフトマンシップの結晶として、他の356レプリカとは一線を画した存在感を放つ、まさに“現代のロードスター”なのである。コンパーチブルDのプロフィールをたどると、1952年に誕生した2座アメリカン・ロードスターに原点を見いだすことができる。そして1954年にセンセーショナルなデビューを果たしたズピードスターを経て、1958年後期から1959年までの間に、わずか1330台だけ生産されたのがコンパーチプルDなのだ。ボディーメーカーがDrauz/ドラウツ社であることから、そのイニシアルの「D」を冠したこのモデルは、スピードスターと基本的に同じポディ、同じ2座であるが、フロントグラスの形やサイドモールで見分けがつけられる。また、より実用的な幌や巻き土げ式のサィドウィンドーが備えられ、日常での耐侯性が大幅に向上されているのも特長だ。そんなヒストリックカーを現代に級密な姿で甦らせたのが、世界的な工業デザイナーであるフランク・レズナー。ハンガリーに生まれ、スイスでファインアート、アメリカで機械工学を学んだ彼は、アポロ、インドーラ、そしてインターメカニカ・ロードスタ一の創作作者として、自動車愛好家達の間に広く知らている。レズナーは、コンバーチブルDの日常の足としての性能の高さに注目。全く独自のノウハウで、ヒストリックカーのロマンを存分に満喫しつつ、しかも毎日の生活において優れた実用性が発揮できる、インターメカニカ・ロードスター356を創りあげたのだ。創作にあたっては、まず、従来の356レプリカで採用されていたVW社製の中古シャーシの使用を否定。角型のオリジナル・チユーブラフレームをベースとしたオリジナルシャーシにより、高い剛性と安定感のあるハンドリングを獲得している。さらに、ボディはFRP製とし、ll回工程で丹念に手仕土げしている。そのため、オリジナルと同様にドアとボディの隙間が一定になるなど、極めて精巧な造りが実現されている。エンジンもリビルト品ではなく、新品のVW製1600cc(85.5×69mm)にソレックス製34NDIXツィンを装備して搭載。ヒストリックカ一でありながらも、新車として、現代のロードにマッチした快適なドラィビングが楽しめる。また、生産は完全なオーダーメィド制。世界でたった1台しかない、自分だけのロードズターをレズナーと共に創れるのも大きな魅力のひとつだ。オリジナルの素晴らしさを最大限に再現し、しかもオリジナルを超えた性能を持つ究極のラィトウェイトスポーツカー、インターメカニカ・ロードスター。ただ単に新しい自動車を求めるのではなく、クルマと対話し、風を感じ、走る快感をじっくりと味わう、真のエンスージアストに、この車を捧げたい。

■主要諸元●全長:3912mm●全幅:1690mm●全高:1250mm●ホイルベ-ス:2130mm●最低地上高:158mm重量:800kg●乗車定員:2名●エンジン:VW製BA型●形式:空冷水平対向4気筒OHV●キャプレター:ソレックス製34ツイン●ボア×ストローク:85.5×69mm●総排気:1584cc●圧縮比:7.5:1●最高出力(DIN):70hp/4400rpm●最大トルク:11.3kgm/3000rpm●燃料タンク容量:40リットル●トランスミッション:前進4段、後退1段●ブロントサスペンション:Wトレ-リングアム+トーションバー●リアサスペンション:セミトレーりングアーム+トーションパー●ブレーキF/R:ディスク/ドラム●ホイル・タイヤ:5.5JX15十165ラジアルタイヤ

■標準装備シートベルト3点式●ダブルフォン.オリジナルタイプシート(356)●2段式ワイバ、5.5JX15+165ラジアルタイヤ、グロムメッキホイル.オートアンテナ.スピー力(ドイツ製)

■オプションオートマチック/7JX15+195/60/四輪ディスクプレーキ/スペシヤルトップ(幌):(ドイツ製)/イタりアン皮内装(各色)/メタリックペイント(各色)/
ブラックエナメルペイント/アラームシステム(防犯用装置)/パワーウインド/ココスマット/FM‐AMラジオ内蔵カセットデッキ各種あり/
エアコンディショナー/スペシャルエンジン110ps/Wバンパ(アメリカンタイプ)
■日本安全保安基準.昭和53年規制クリア

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