ミルト・ジャクソンと言えばかってのジャズファンはMJQを連想される方も多いと思う。MJQのサウンドカラーはピアニスト、ジョン・ルイスのものなのだがミルトのヴィブラフォンなしではそのクールでクラシカルなサウンドは成り立たない。そんなスタンスがあったからこそMJQ以外での彼のプレイは自由でソウルフルさが目立ったのかもしれない。通説どおりミルトのプレイはブルースとバラードが最高である。そのフィーリングは彼にしか生み出せない独特のものだ。わたしはその中でもシンプルな構成の地味な演奏に良さがあると思う。ジャズ・ジャイアントとの共演作の多いミルトだが、このアルバムは同じMJQでもModern
Jazz Quartet ではなくMilt Jackson Quartet
でMJQのメンバーのジョン・ルイスをホレス・シルバーにおきかえただけだがピアニストが変わればこんなにも変わるものかと思うソウルフルでいてリラックスできる真夜中に聴きたいアルバムである。