ロンドンでは長距離列車の駅がいくつも分散して存在する。この日の訪問先に向かう列車の出る駅はMarylebone。ホテルから駅へ徒歩で向かう途上、この公園に寄った。朝7時過ぎに、30分ほど「リスがいないか」と思って観察した。
この公園には落葉樹が多い。落葉樹にも何かが巣をかけているのがよく見られる。おそらく鳥であろう。常緑樹の割合は5%以下と思われる。リスがいるならばニホンリスと同様に常緑樹に巣があるだろうと思って常緑樹のかたまっているところを探す。
ここには常緑樹がかたまって生えていた
すると、芝生を横切って木に登りかかるリスを発見。写真を撮って、追いかける。リスは、近くの建物を囲う塀の上に移動。ニホンリスと比較すると、動きはやや遅いように感じられる。人が近づいても、あまり怖れないようだ。なるべく近くで写真を撮ろうとするが、ある程度近づくと逃げてしまう。塀の上には、もう1頭、別のリスも現れた。なかなかうまく写真を撮ることができない。常緑樹の枝に巣を確認した。
いた!
拡大図
夕方16時頃、駅からホテルに戻る際に、もう1度公園に寄ってみた。朝方にリスを見掛けた辺りで、またリスを発見。今度は割と近くで写真を撮ることができた。この付近でリスは少なくとも3頭見掛けた。大きさはニホンリスの成獣と同じくらい。そのうち1頭は、交通量の少ない公園内の舗装道路を横切って、向かいの屋敷の茂みに逃げていった。常緑樹上の巣は、4ヶ所確認できた。
夕方は近くで撮影できた
リスが逃げ込んだ向かいの屋敷
こんな巣をすぐ近くに4つ確認した。同じ木に複数ある
公園の野外劇場裏手に沿って歩くと、木立の下で、リス2頭が追いかけあっているのを発見。間近である。暖かいので発情を迎えたのだろうか。さっき見たリスよりも体格が良く、体重は500g程度ありそうである。写真を撮りたいが、フィルムが終わってしまっている。あわてて売店へ買いに行く。自動販売機でフィルムを買うための両替に手間取り、リスが追いかけあっていた場所へ戻れたのは約10分後。リスはもういなかった。
仕方なく歩き続けると、茂みの奥にリスを発見。さらに歩いて行くと、大胆にも人の目の前で、芝生を掘っているリスを発見。これも大きい。貯食を掘り出しているのか。近づいても逃げないので、写真を撮るのは簡単だ。この辺りには、公園内の道路の反対側に大きなマツボックリを付けた松がある。他にどんな食料があるかは分からない。
貯食を探しているらしい
大きいマツボックリをつけていた松の木
この公園では、常緑樹の密度と比較してリスの密度が非常に高く感じられた。朝方にリスを複数目撃した際は、「ここには常緑樹がいくらかかたまっているから2頭は生息できるとしても、他にこの公園内で生息できるところがあるか?」と思われたが、夕方にはこの予想を裏切り、どこに巣があるのか分からないが、多数のリスを目撃することができた。樹木がまばらで、しかも常緑樹が少ない植生を見て、「リスが生息できるのか?」と思ったのだったが、「イギリスの公園でリスは珍しい動物ではない」というのは本当だった。
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