ナイスプレー
平成10年5月7日 |
2.良いコーチ多くの偉大なコーチは、良いコーチの条件として、コーチングフィロソフィー(自分なりの指導理念)を持っていることを上げている。 具体的なフィロソフィーとはなにか、デマッサ高校のモーガン・ウットウンコーチが次の様に簡素にまとめている。
同コーチのフィロソフィーの一端を紹介すると次のとおりである。 (1) よりよい指導を行う確実な方法 チームの生徒を「我が子」も同然に扱え。逆を言えば、父親として、我が子を入部させたいと感じる位のコーチをめざせ。 (2) 勝敗とは バスケットボールのゲームに勝ったからと言って、それで終わりではない。人生における戦いに生徒達を勝たせてこそ、本当の勝利になるのだ。だからこそ、そう簡単に相手に勝ちを譲れないのがバスケットボールなのだ。 (3) チームの評価 チームにあっては、「無用の長物」という様なプレーヤーは1人もいない。すべてのプレーヤーはそれぞれが何かの役割を担っている。優秀なチームというのは、すべてのプレーヤーが各人の役割を理解しており、それを見事に果たす場合を言う。 (4) コーチとプレーヤーの関係 どんなコーチであれ、生徒(プレーヤー)の人生をいかようにも左右するほどの重要なインパクトを与えかねないことをどんな時でもしっかりと意識しなければならない。 プレーヤーは、バスケに没頭しているし、情緒面でも複雑な時期にいる。彼らは、コーチの一言一言を神経質なほどに気にしている。コーチの何気ない注意でもプレーヤーの心の奥底にコーチの想像以上に余韻をひく。 いつの時でも、コーチの影響というものはただごとでは終わらないということを絶対に忘れてはならない。 コーチと教え子は、お互いの生涯があるかぎり、いつまでも心の絆で結ばれる様になるのだ。 (5) ゲームは誰のものか ゲームは生徒達のものである。どんなことがあっても主役は、いつでも彼らでなくてはならない。 日本バスケットボール界の今は亡き大御所、吉井四郎氏もコーチングフィロソフィーの根幹は生徒、競技に対する「愛情」であると言い切っている。これは、前記したウットウンコーチと通じるものである。 また、ミニバスの試合では、試合中に怒鳴るコーチが多く、プレーヤーを泣かしているコーチもいる。確率の低い外郭のシュートを嫌うコーチも多い。 この子達は、将来のバスケットボール界を背負っていく大事な素材である。 ミニバスのコーチはほとんどがボランティアであり、貴重な個人の時間を割いてコーチをしている。本当に頭が下がる。しかし、単にバスケが好きだから、上手だから、だけではコーチはできない。彼らが高校・大学で本当に良いプレーができること、立派な社会人になること目指して、今を指導出来るコーチが良いコーチである。 | |||