曲の章−9『蒼天航路1』
89-1(ランディ・ウェストウッド1)
中央にそびえる巨大なドームにある一室。その窓から除く光の柱をランディは睨むように見つめていた。
「ちっ、過去の亡霊…いや、今やただのバグだな。どっちにしろ余計な事をしてくれたもんだ」
そう呟いた後、部屋に立て掛けてあったボウガンを掴む。
「誰の為にこんな回りくどいやり方をしていたと思っているんだかな」
扉を開く。
「…ああ、俺の為だったか」
ランディはニヤリと笑うとそのまま歩き出した。
…殺し合いの大地へ。
89−2(ルシード・アトレー1)
ルシードは持っていた地図をグシャリと握りつぶし、目の前の古びた洋館をみつめた。
ゼファーがビセットを狙撃した場所には既に姿は無く、この場所を示す地図が木にくくりつけてあった。
「来てやったぞゼファー!」
洋館から返事はなかった。
「…入ってこいってことか」
ルシードは持っていた剣を握り締め、洋館の扉を開いた。
ルシードが入っていった古びた2階建ての洋館。
表札には“第四捜査室ブルーフェザー”という文字が刻まれていた。
89−3(クレア・コーレイン1)
「ここ…ですわね」
辿り付いた光の到着点にクレアはいた。クレアの身長の倍以上はあるいくつもの巨大な石が
円を描くようにそびえ立っていた。
「ストーンサークル(石の円)? これがいったい…」
石に触れながらストーンサークルに囲まれた場所を覗く。
「えっ!? シェリルさま?」
ストーンサークルの中央には、何か文字のようなものが彫られたプレートを真剣な表情で
見つめていた少女、シェリルがいた。