丸帆亭 萬釣報 #17  page1   99.12/26 更新                   
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釣り人だけにしかわからない自然、もあります
12/19 十六万坪現地取材地元有明の釣り名人お2人から

日曜日に半日ほど、取材かたがた、竿を担いで有明まで行ってきました。
その前の週に、有明手前の橋(朝凪橋)の上から、そこそこのハゼを釣りましたので、
カメラと竿の2足草鞋でしたが、この日は潮の動きが少なく、久々のボウズを食らいました。
お台場でもそうなのですが、私の釣り姿は、よほどヘボに見えるらしく、
「これは捨ててはおけない」と、地元名人の方が声を掛けてくれる事がしばしばで、
今回も、この人徳のおかげか、或いは、江東区の地域的な人情味なのでしょうか、
幸いに2人の地元釣り名人の方と知り合う事ができまして、お話しを伺いました。

例の桟橋で竿を準備しているところに、手ぶらで現れたのが、
自称”有明の釣りのぬし”と、おっしゃる”Kさん”。
近くの釣具店の釣友会の会長を、長くなさっていたとの事で、
「この辺の釣りの事なら何でも聞いてくれ」とは心強い限りでした
その後、金網越しに声を掛けて頂き、これまた手ぶらで現れたのが、Kさんのお仲間の
Aさん(仮称)で、近くの雑貨店のご主人でした。

恐れながらと、埋立問題に話しを向けてみますとお二人とも反対の立場との事で
いろいろと話しをしてくれましたが、地元人口の少ない事もあって、
当然利害関係も複雑らしく、残念ながら地元からの反対運動は起こりえないといった
ニュアンスが伝わってきました。
以下、その時の会話をメモから抜粋しておきます。

丸帆亭>
中洲が気になっているのですが、渡った事はありますか?
Aさん>



あるよ、昔はこの桟橋から有料でハゼつりの渡船があった。
もう10年以上前だと思うけど沢山の人が中洲に渡って釣ってたんだ。
中洲の幅は20m位かなぁ、夏場はヘビが沢山居るらしいよ。
Kさん>



今は野鳥の楽園だろうね。青首のカモを誰か捕って食おうとしたらしいが、
臭くてダメだってさ。中に繁っている木々の高さは、せいぜい10mぐらいだと思う、もう誰も入らないからわからないけど。多分、鵜も多いんじゃないかな。
丸帆亭> こちらでは、どんな釣りをやってきたのですか?魚種は?
Kさん>


当然ハゼが中心だけど、あとはボラとフッコは今でもガンガン釣れるよ。
キスもまじるし、あとはカイズかな?。ウナギなんかも季節によっては出る。
フッコのルアーマンもよく来てるよ、デカイのが足元の澪沿いで釣れる。
Aさん>
昔はアナゴのデカイのが、随分釣れたんだけどね。最近は聞かないなぁ。 
Kさん>



そう言えば、ハゼの生息孔ってのは、どんなのか知らないけど、
ここのお台場寄り方の底は、砂地だよ。アナゴはそっちだったかな。
綺麗な浅い砂地が続いているんだ。こちらの奥の方の底は泥だけど、
昔の材木とか破片が積もっている所も多いね。投げると根掛かりも多い。
(ポンポンと、目の前を荷を積んだ和船が通る。)
丸帆亭> 何の船ですか?
Aさん>

弁当運び、と言う事は乗合船が来てるね。どこの船宿かな?。XX屋かな?。
ざっと見ただけでも50人分位弁当積んでたね。残念、死角で見えねぇや。
丸帆亭> えー、釣れてるんでしょうか?
Kさん>

今日の潮じゃ、まず不漁だろーね。今は夜釣りでもしなくちゃ無理だよ。
昨夜は、この2人で3時間程で25匹、一荷が何度もあってさ!ははは。
丸帆亭> ハゼは日が落ちたら釣れないと言う、古来からの教えは?
Kさん> それはウソ、それはシロート、はは。
(足元に50cmクラスのボラが群れている。)
丸帆亭> 大きいボラですね?しかし水の透明度も、スゴイですね。
Kさん>


もっと大きいのがいくらでも居るよ。一匹だけ、主みたいな奴も、
必ず回って来る。ボラは風船仕掛けの掛け鉤で、良く釣った。
今でもやってる人もいるよ。
Aさん> 冬場のボラは美味かったよ。最近は食べてないけど。
Kさん>



ここの水の綺麗さは夏場でもかなりなものだよ。近くの他の運河や海とは
比べ物にならない。真夏に覗いてごらんよ。
そこの桟橋脇の浅瀬では、すごく良いゴカイが掘れるよ。今年は随分採った。
ところで、今日は何処からこの場所に入ったの?
丸帆亭> あそこの金網を乗り越えて、ですけど。
Kさん>


あそこはグラグラで危ないだろ、チャンと俺が入口と道を作ってあるのになぁー
それに君の持ってる竿だと、お台場で穴釣りしてたのか?、
その釣り方を持ち込んだのも俺だったりして!はは。
丸帆亭> 脱帽!!
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