丸帆亭 萬釣報 #37 2000.3/28 更新                   
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3/27.都議各会派に要請!及び、都庁昼休みデモ
100 余名参加の盛況の中、完遂しました。!!

 本日の都庁デモ、”江戸前の海十六万坪を守る会”の初の実際運動として、
各会派への要請行動と、都議会記者クラブへの問題の詳細発表を行ったのち、
和竿師を先頭に、釣舟の大漁旗を旗頭に、都庁周辺を昼休みデモ行進の実行となりました。
海上デモからの流れとして、ますます一般の方の参加の傾向も強く、この運動が、けして
イデオロギーや一部業者の利益闘争などでは無いと言う理解も浸透してきたようで、
今後の運動の礎ともなる、確実な一歩前進と考えられます。
参加の皆さん、本当にありがとう。都議会の皆様には、そろそろご英断をお願いします。

先日の問題答弁について、”江戸前の海十六万坪を守る会”より、正式見解が出ております。
以下、港湾局のキャリアの皆さんも含め、じっくりとお読み下さい。
有明北地区埋立問題の本質はこの馴れ合い答弁で分かる!
PDF版はコチラから
(3月14日 都議会より)

【大西英男(自民)】
有明北地区は本当にハゼの最後の楽園と言えるのでしょうか。(※1)

私は葛西の漁業組合の顧問をやっているんですけども(※2)、

最近はハゼも釣れればですね、オコゼも釣れて(※3)、

アナゴも釣れてですね、それは東京湾そのものがきれいになってきたから、
今、魚の楽園に生まれ変わりつつあるわけで、あそこだけにですね、特定されたものではないと思うわけでございますけれども、

現行方式と比べてどのような違いがですね、仮に橋をかけるな、(※4)埋立をしないということだと出てくるのか、客観的な事実に基づいて明快な答弁をお願いしたいと思います。

【港湾局長】
はじめに有明北地区のハゼの最後の楽園と言えるのかというご質問でございますが、マハゼは東京港のほぼ全域に生息する魚でございまして(※5)、


また有明北地区は他の地域と比べマハゼの巣穴の密度も少ない状況でございます(※6)。


水質についても夏場に海底付近で酸素が欠乏した状態となり(※7)、水質は夏・冬を通じて富栄養な状況となっているなど、東京港の奥の部分と同様の傾向を示しております。有明北の水域は民有地に囲まれ、一般の都民が立ち入ることができず、ここ数年限られた季節に船で釣りをされる方のみの釣り場として利用されております。


ハゼにとっては釣り上げられ、テンプラにされ食べられるのですから、釣り人にとっては楽園であっても、ハゼの最後の楽園と言えるものではなく、ましてハゼの唯一の生息地という実態にはございません。


次に埋立を行わず親水公園や橋梁方式の道路を作ろうとした場合の影響についてでございますが、埋立造成や道路整備、あるいは護岸整備にかかる費用については、埋立地を処分した収入によって賄うこととしているために(※8)、埋立をしない場合は、橋梁方式の道路の整備、あるいは親水公園や防潮護岸の整備、補償費や調査費などを都民の税金で負担せざるを得なくなります。

(※9)これらの経費を試算致しますと、橋梁の整備費は単純な試算で200億円以上、護岸整備に約250億円、それに100億を超える補償調査費など合計600億円近くを税金で賄うことが必要になります。

(※10)
さらに橋梁構造への変更に伴う設計の見直し、都市計画手続きやゆりかもめの許可手続きのやり直しなどが必要になることから、平成17年度に予定されておりますゆりかもめ延伸や、広域幹線道路延伸が大幅に遅れることになります。ゆりかもめや広域幹線道路の延伸は、有明北地区の街づくり、臨海副都心の開発のみならず、東京全体の交通ネットワ―クの観点からも重要でございまして、その事業の遅れは多方面に大きな影響を及ぼすことになります。

以上のことから、都民の皆さんにお約束いたしましたスケジュールどおりに埋立を実施していくことが、何としても必要であると考えております。

【大西英男議員】
ま、それこそハゼの最後の楽園が、ハゼの最後の処刑場みたいな感じで、(※11)
あのーお話がありましたけれども、その通りの部分もあるんじゃないかなと思いますね。有明北の埋立を行わないとですね、都民の税金を使うことになるわけですね。
2000.3/28  校了
デザイン募集してます。
このサイトの、バナーボタン、シンボルマーク、軽い動き物、
石原都知事の似顔絵アイコン、等、募集します。手が回りません。
デザインに自信の方はお願いします。
当然無報酬、版権なし、軽くて小さい事が条件です。すみません。


正解はこちら!
(江戸前の海十六万坪を守る会)

※ 1…江戸前と呼ばれる水域で、多くの船が集まってハゼ釣りを楽しめる場所は十六万坪(有明貯木場)以外にない。この水域の価値については、マハゼの生息調査に尽力された故・檜山義夫東大教授の研究記録にも残っているはず。

※ 2…そもそも葛西の自然は釣り人が残したもの。葛西の沖に広がる干潟・三枚州は、都の政策により、埋め立てられる計画があったが、その中止を求め、昭和40〜41年に全国の釣り人が65万人の署名を集め、都に提出。それを受けた当時の美濃部都知事の断により、埋め立てが中止になった。

※ 3…江戸前にオコゼなど生息していない。

※ 4…陳情には、「橋を架けるな」などの要望は書かれていない。橋を架けるにしても、35ヘクタールもの水域を埋める必要はないと書いている。

※ 5…ハゼの生息地は十六万坪だけではないが、その多くは台風や大水や青潮の影響で、秋を待たずに大量死してしまう。それは取りも直さず、ハゼの生息に適した浅場を埋め立て、夏に無酸素水域になる深場ばかりにしてしまったことによる。十六万坪は平均水深2〜4mの浅い干潟ゆえ酸素も豊富で、隅田川本流から離れた閉鎖水域ゆえ大水や強制排水の影響も受けない。よってハゼのみならず、ボラ、スズキ、クロダイ、アサリ、カキ、ゴカイ、カニ、エビ、野鳥が共生する。他の水域との違いは一目瞭然である。

※ 6…ハゼの巣穴はすみかではなく、産卵孔である。産卵するのは冬、オスの頭部がシャベル状になってはじめて巣穴が掘れる。つまり、平均水深の浅い十六万坪で産卵孔が少ないのは当然であり、それを魚が少ないとする根拠にはならない。このように論旨のすりかえや情報のごまかしをしてまで埋め立てを行なおうとする姿勢こそ、十六万坪がハゼの楽園であることの何よりの証拠である。

※ 7…都も認めているように、東京湾湾奥は夏場、酸素が欠乏した死の海になる。砂漠の中の小さなオアシス的存在が、酸素が充分に行き渡った水域、すなわち十六万坪である。石原都知事は「ハゼはどこかに行くでしょう」と発言しているが、ハゼはどこにも行けないのである。

※ 8…綿々と釣り人に親しまれている釣り場であり、都内に残された貴重な自然である十六万坪を埋め立て、その収益で賄おうとした発想そのものが常識から外れている。むしろ、このような自然を再生しようとした際に必要な費用、風物詩として根づくまでの年月を計算するミチゲーションこそが世界の常識である。

※ 9…埋め立てをやめれば護岸整備を急ぐ必要はなくなり、既存の企業の移転は最小限ですみ、補償費も削減できる。すでに必要な調査は行なったうえでの計画策定なのだから、新たな調査費用の負担は少ないはず。

※ 10…埋め立てを中止しても、道路建設(橋梁部含む)の費用に違いが出るとは思えない。橋梁部のわずかな面積の水面を埋めるだけで600億円が必要というが、橋梁部を含む道路建設費は、投資型経費として一般会計(税金)からの支出であり、埋立後の土地売却収入で賄うわけではない。公園や道路整備費は埋め立てが行なわれた場合の費用である。企業への補償額も減ることから、全体の費用は半分ですむはず。

※ 11…釣り人への侮辱的発言である。ならば、魚が多く、釣り人に長年親しまれている場所は、埋め立ててなくしてしまうのが魚のためとでもいうのか。釣りは処刑などではない。埋め立てこそ処刑そのものである。船長も釣り人も、生態系を充分に考慮したうえで魚を釣っている。だからこそ、長年の間、当たり前のようにたくさんのハゼが生まれ、釣られ、産卵を繰り返してきたのである。