ツェルマットのゲレンデは、大きく分けて、マッターホルンのふもとに広が るマッターホルン・バーン、登山電車で登るゴルナーグラート、地下ケーブル カーで登るスネガの3つのエリアがあります。このうち、マッターホルン・バ ーンは、山の上部でイタリアのゲレンデ、チェルビニア・エリアとつながって います。
いずれのエリアも、森林限界を越えたところ、すなわち、岩場や氷河の上に コースが展開されているので、視界が広い(ただし山の下の方は林間コース)。 また、総じてバーンがよく圧雪され、コブ斜面は少ないので、私などは気持ち よく滑べることができました。この点、鈴木さんはちょっと不満だったようで す。しかし、滞在期間中、天候に恵まれ、アルプスの山々を見ながら滑べるの は最高の気分でした。
リフトは、Tバーが多く、 チェアリフトの比率は高くありません。もっとも メインの登山手段は、ゴンドラもしくは登山電車なので、Tバーを使わなくて も十分楽しめます。
Tバーの中には、全長2.6kmという「世界最長」のものもあります。全区間通 すと12分ほどかかりました。Tバーは2人用ですが、1人用のJバーというのも ありました。これは、先に円盤がついている棒を股の間にはさんで引っ張られ る、というものです。私は最初に使った時、コツがつかめず、棒をがんばって つかんでいたでの、腕がつかれてしまいました。慣れてしまえば、腕に力は 不要です。
ゲレンデでは、老若男女さまざまな人がスキーをしていました。着ている スキーウェアもさまざまで、日本のように、同じような格好をした若者ばかり、 ということはありません。また、テクニックを駆使して滑べっている人はあま り見かけませんでした。皆、思い思いにスキーを楽しんでいます。
持っているリフトチケットを見ると、たいていの人のものが1週間以上の期間
です。それだけ休暇を長くとれるわけで、うらやましい限りです。
(つづく)