取扱説明書には1995年3月発行と記されているから多分その頃で間違いないのだろうと思う。1995年といえばWindows95の登場が控えていて、多分すでにこの頃にはその話題でギョーカイは持ちきりだったはずだ。そういえば私だって高校2年生だったわけだから、私が高校2年生といえば、友達とハードディスクの話題が持ち上がったときに300MBクラスぐらいのが欲しいと私だけ一人で言っていて、友達に「でもそんなに容量があって何に使うの?」とか言われていたような時代だから(その頃パソコンユーザーといえばその多くがPC-98x1DOSユーザーで、HDDを使うあてといえばWindows3.1を導入することとHDDに入れないと遊べないエロゲーをやることぐらいだったわけだ。TOWNSはハマると趣味に走って絵を描いたりアニメーションを作ったりするから容量食うんだよねぇ〜)、多分間違いはないんだと思う。
その頃のたうんずというのは時代もいよいよ佳境、と言った感じで、ついにCPUにPentiumを採用したTOWNS II model HB/HCが登場し、MOなんていうものもいよいよ本格的に使われ始めた時代だ。そんな折、文教モデルという形で、つまり学校の教育用機材として開発され、出荷された、TOWNS史上最初で最後のノート型たうんずがあった。
それが、たうんずノート。正式型名、FM-TOWNS II model SN、なのである。
たうんずノートの何が凄いのか。
性能自体は、実はちっとも凄くない。もちろんそれは今現在の視点で今現在の価値観で見るからであって、当時としてはそれでもかなりの高性能を誇る機種であったことは間違いない。が、CPU性能だけを比べるならば同等以上の機種は当時の段階ですでにいくつか出ていたし、驚くようなものではなかっただろう。
重要なのは、それがたうんずであるということである。先にも書いたように、たうんず市場でノートパソコンと呼べるような代物は、後にも先にもこのSNしかないのである。MARTY(マーティー)というのはあったが、あれは単に筐体を小さくしてテレビにつなげられるようにしたものに過ぎない。モデルSNはバッテリーこそ持たないものの、液晶画面を備えたれっきとしたノートパソコンなのだ。
それまでソフトバンクが発行していた某専門誌上でも、うんずがノートになったらどうなるか、といったようなレビューは何度かされてきたし、ユーザーの声も多かった。それだけに、SNの登場は、うんずがノートになるとこうなるのか、と、多くのうんずファンたちの感嘆の的となった訳だ。
言ってみれば、たうんずノートとはうんずファンたちの夢の一つの形態であったということができる。もちろん、それは私にとっても同じことである。
したがって、月日が流れ、新品のうんずノートが再販されるということになったその日、それを購入する決意を固め、そして購入に至った私の行動は、至極自然の成り行きであったわけである。そうだ! そうであったに違いないッ!!!(苦笑)
たうんずノートの詳しい概要についてはこのページを読み進めていけば大体呑みこめて来るはずである。正式なスペックが知りたい人はここよりむしろニフティーの情報ページをあたった方がよいかもしれない。
ここでは、基本的にはうんずの基礎知識があり(もしくはうんず最盛期にうんずではなくてもパソコンを使っていたいわゆる「古参ユーザー」であり)、そしてうんずノートの存在ぐらいは知っていた人向けに書かれています。でもまぁ、該当しない人も、こんなパソコンもあったんだぁぐらいに温かい目で見守っていただければと思います。