古いネタ帳


 かつて改装前に隠しページとして書いていた内容です。
 一応ここにある内容を、このコーナーでのモラリズムの基準にしようと思っています。


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 ロリータ

ジャンル:フィクション
危険度:大

 気になって気になって、仕方のないことがあった。
 自分が青くて臭かった頃は、当たり前のように気になっていたことだった。
 20にもなればそんな青臭い記憶はいつの間にか薄れてしまう。
 いつの間にか僕は、自分と同世代かそれ以上の女性のそれで、満足していたのかもしれない。

 僕が本当に気になっていたのは、
 あのとき僕と同世代だった少女達の、
 そう、少女達のすべてだったのだ。

 海外では猟奇的な犯行と共に社会問題となり、日本でもこういった表現に対して新たに規制が敷かれようとしていた。
 僕には本格的な犯罪を犯す勇気も無謀さもない。金がないしオヤヂじゃないから援助交際もできない。
 メディアを通じてこの目に焼き付けるのは、もう今しかない。

 僕は急いでバイクに乗り、地元のビデオ・ショップへ急いだ。
 「未成年者お断り」と札の掲げられたその店で、それらしいパッケージをいくつかみつけ、その一つを手に、カウンターへ。\3,900-という価格には少々躊躇したが、これで念願が叶うのだ。

 部屋に戻った僕は、水を一杯飲んだ後、武者震いを起こしながらテレビを点け、ビデオデッキにそのカセット・テープを流し込んだ。
 真っ黒い画面のテレビが発する電磁波ノイズと、ビデオデッキの中でテープが回り出す音との中で、僕は興奮した状態のまま、ハーフパンツを下ろし、ティッシュ・ペーパーの箱を取った。

 ブラウン管の向こうで裸にされて悪戯されているのは、間違いなく知的障害を持った少女だった。

 僕は唖然とし、僕の純情な下心は完全にぐったりと萎えてしまった。

 日も暮れて、すっかり暗くなってしまったその部屋で、唯一光るテレビ画面の前に、ハーフパンツを下ろしたまま、考え込んでいる男がいた。訳も分からず泣きべそをかいているブラウン管の少女を目に焼き付けながら、罪悪感と自己嫌悪に頭をもたげ、脱力の中、もう二度とロリータ・ビデオなんかに手を出すものか、と僕は誓った。


 ムカデ

ジャンル:実話
危険度:無

 私はムカデがキライだ。

 どのくらいキライなのかといえば、それはもう、あまりの恐怖と興奮のために、やつとの格闘の後、曲ができてしまうくらいにキライなのである。

 ムカデに対して恐怖を露わにした一番旧い記憶は、小学校の時の林間学校だった。
 やけに安っぽいホテルなんだか収容所なんだかわからないところに入り(林間学校と言うにはまさにふさわしい場所だった)、班毎に部屋に入って荷物をベッドに置いてこれからくつろごうか、というときだった。とびっきり元気のいいそれが突如足下のベッドの蔭から姿を現したのである。そのとき私は、恥ずかしながら鳴き声を上げてベッドに飛び乗り、他の勇敢なる悪ガキどもがそれをビニール袋で器用に捕獲し、トイレに駆け込んでペーパーナイフで八つ裂きにして流した。

 あれから幾年の月日が流れ、あのころ住んでいた町よりもさらに田舎の町の一軒家に引っ越していた。

 昨年の5月だった。私はもう19、いちおー大学生だ。この月に入って私は立て続けに3度もこのムカデと対戦し、そしてあの名曲「MUKADE」が生まれた。
 当時の経緯については、「MUKADE」の圧縮書庫パッケージにあるドキュメントの方を参照していただきたい。ただ、今言えることは、今年は何故か家に一匹もムカデが出てこなかったことが、返って不気味に思えて仕方がない、ということだ。


 亜美ちゃん

ジャンル:実話・評論
危険度:中

 アダルトアニメは、個人的には結構ハマっているジャンルである。

 現在でもピンクパイナップルや大映、TDKコア、ビームエンターテイメント、波素館などといった(俺もよく知ってるなぁ)ブランドが数多くのタイトルを排出しているが、その多くがパソコンのアダルトゲームソフトやコミックなどからの移植で、特に淫獣モノはどれをとっても個性がまるで感じられないと言うのがほとんど、というのが現状のようだ(そんなに数多く漁っているわけではないので断言はできないが)。

 ところが世の中には、フェアリーダストのくりいむレモンという素晴らしいブランドがかつて存在し、そこから数多くの個性的なアダルトアニメビデオが排出されていたことは、一部のマニアの間では至極有名どころかむしろ歴史的常識にさえなっている。

 かくいう私もこの「くりいむレモン」にはまった人間の一人であり、特にシリーズの処女作品である「媚・妹・Baby(び・まい・べいびぃ)」にはすさまじいまでの衝撃を受けたのであった。

 そう、あれはまさに衝撃だったのである。
 処女作にしていきなり「中学生」という、もろロリータ入りまくり、趣味偏りまくりのジャンル選びに挑戦的意欲を感じ取った、というのも少しはある。もっともこの作品が排出されたのは今から10年ほど前のまさに「ロリータブーム」真っ盛りであり、これがもっとも受ける可能性の高いジャンルであったことは確かだし、それ以前に僕がこの作品を見た当初はそんなこと(処女作である、ということ)など全く知らなかったのでつまりそれは後になってそういえばそうだなぁと思ったことにすぎないのである。
 もとより衝撃的であったのは、あの終わり方である。ラストスパート、あとちょっとで第2ラウンドもめでたく果てそうだっ、というときに、突然!ものすごいボリュームでドアを叩く音がし、母親がドア越しに二人を呼び続ける、というシーンで幕が下りるのである。さすがの僕も発射秒読み状態であっただけに、真夜中のリビングで「なにっ!」と声を上げてしまい、あわててイヤホンを片方はずして後ろを振り向いてしまったほどである(最低だ、、、)
 絵柄、アニメーションの時代的なレベルとしては、「タッチ」とか「小公女セーラ」なんかがだいたいあって来るんじゃないかと思う程度ではあるが、近頃の、効果ばかりは派手に振る舞って肝心な部分で動きに手抜きがあるんじゃないかと思ってしまうようなモノとは違って、この作品はどのシーンをとっても細かく、そして大胆な描写が、動きにも、カメラ位置にも如実に工夫が凝らされており、今世に送り出しても十分通用するどころか、逆に天下を取ってしまうのではないかと言うくらいに完成度が高い。

 私が見たのは「亜美・青春グラフィティー」というパッケージであり、一本で「媚・妹・Baby」、「亜美・AGAIN」、「亜美III」の3つの亜美ちゃんが見れるという超お買い得品だったので(買ったのではなく借りたのだが)、シリーズを通して鑑賞した私はすっかり亜美ちゃんの虜になってしまい、レンタルビデオ屋でさらに全4巻の「亜美〜それから」の1,2巻までを鑑賞し、3巻からパッケージの絵柄が突然変わってしまっていて今はちょっと躊躇しているところだったりする。

 亜美ちゃんシリーズ以外にも、たとえば「なりすスクランブル」や「ももいろバニー」などといった、エロを超越して作品としても十二分に楽しめる非常に個性的な作品が勢揃いなので、お近くのレンタルビデオやさんにくりいむレモンの作品を見かけたら是非とも借りて鑑賞してみて頂きたい。アダルトアニメがちょっと気になる、という人にはお勧め。
 ビデオCDで復刻版が出ているので、それを集めるのも良いかもしれません。