2001年4月12日(木曜日)


 今回はちょっと挨拶が長くなります。
 まずは先週のゴミ出しの反響について。先週私の独断と偏見でここ最近購入したアルバムの第1位として坂本真綾の「Lucy」を紹介しましたが、これに対して何と2通ものファンメールをいただきました。また、関連してくそアニメアルジュナについてコメントしてくれたメールも1通いただきました。ほんとにメールどうもありがとうございます(^o^)/
 で、その中の1通から、特にコメントしたい部分があったので引用させていただきたいと思います。

>当時は音楽通だった私は、声優としらずに
>「すげぇーCDがある!」との噂を信じ坂本真綾のCDを買いました。
>そして、それはあまりにショッキングな内容でした。
>つか、その辺から本格的にJ−POPに興味がなくなったような気がします。。。苦笑
>
>(今度、坂本真綾さんの音楽がどれだけスゲェーかについて熱く語りましょう!!
> 世の中には声優のアルバムってだけで凄くないとか言うアホが溢れてます。悲しいです)

 あー、特にこの、後半の括弧書きの部分ですね(^-^)

 気持ちは凄くわかります。でも一応、コメントさせてください。自己弁護も含めて。
 私はもともとJ-POPはそんなに一生懸命追いかけない方でした。でも高校生やってたぐらいまではやっぱりアニメ方面はそれなりに偏見を持っていたのは事実です。作品選びにソースを選ばなくなったのは、大学通うようになったぐらいの頃に盛んに本を読むようになってからか、あるいはそれよりちょっと前、受験期にBoyz II Menのベスト盤リミックスアルバムを買って(確か初めて買った洋楽らしい洋楽だった気がする)貫禄を受けた辺りからだったか、そのくらいだった気がする。あ、もう少し前からアリスソフトのエロゲーには目覚めていた気はしたが(当時現役高校生…犯罪ですね;_;/
 世間では偏見のまなざしを受けていたり、あるいはそうでなくても決して表立って話題にされないジャンルに、実はまだ自分の知らない面白いものがたくさんごろごろ転がっていることに気がついて、それに気づくことが出来たことがまず嬉しかった。そして、何につけても受け身で流されているだけだと、人生凄く損をするって言うことに、それ以来つくづく実感させられた気もする。
 少なくとも私は、現時点でマスコミが凄い凄いと囃し立てるJ-POPやハリウッド映画やベストセラーの本やマンガやビッグタイトルのゲームしかやってない人たちは、本来自分が自由に楽しむべき時間を、無駄とは言わないまでも、ものすごく無難に、とりとめもなく過ごしてしまっていると思っている。それは凄くもったいないことだし、そんな生き方しか出来ない人は本当にかわいそうだ。
 んで、そんなことはまぁ実は結構どうでもよくて、むしろ杞憂すべきは出版業界の仕組みそのものなんじゃないかな。
 たとえば、レコードショップに行ってみる。店内をぐるっと見回してみる。まず入って一番目に付くところに、話題の新作J-POPがでかいポップに飾り立てられて陳列している。それから、J-POPばかりをアーティスト名順に並べた棚があって、それとは別に、洋楽のROCK&POPS棚があって、BLACK&SOUL棚があって、テクノ・ダンス系棚があって、JAZZ&FUSION棚があって、そしてクラシック棚がって、さらには癒し系・ヒーリング棚とか言う見るからに景気よく蹴っ飛ばしてあげたくなるような(死)棚があったりする。
 そんな中で、当然アニメ・声優系も別枠の棚がしっかり用意されていたりする。
 もちろん、そうやってジャンル分けされていることは決して悪いことじゃない。顧客が探しているタイトルが見つけやすいように配置されていることはお店としてはむしろよい事だというべきなのかもしれない。
 ただ現状問題として、あるジャンルの業界は、そのジャンルが好きな人向けにどのタイトルも宣伝していて、それはJ-POPはもちろん、クラシックにしろ洋楽にしろ、そしてアニメ・声優系にしてもそういう売り方はしているわけだよね。J-POPは露骨にあのドラマの主題歌ですとか、あのCMの主題歌ですとか言ってみたり、ある大物の海外留学していた娘さんだとか、あのグループの片割れによる特別限定版だとか、もう終わっちゃったバンドのあの人がプロデュースだとかそういう売り方ばっかりしてるし、そういう意味ではクラシックや洋楽なんかはむしろ顕著にブランド志向を重視した売り文句をくっつけてくる(アメリカのとある雑誌で何位にノミネートしただの、どこどこの楽団で誰が指揮者であるだの、話題の最年少天才うんちゃら奏者がどうのこうのだの)。そしてアニメ系にいたってはもう完全にキャラクターで売っちゃってるのがほとんどだったりするし、だからそれで果たして損しているかって言うと、実際は一部のコアなファン層に対して、無難に売り込み確実に買ってもらうためのビジネス的戦略であるに過ぎなかったりする。
 結局は今のレコード業界・出版業界というのは作品を売っているのではなくて、話題を売っているに過ぎないんだよね(脱力)。どんなに素晴らしい作品であっても、世間一般の興味をバブル的に膨張させる話題性がないことには到底売れないって、どこのレコード会社も出版社もそう思い込んでしまっている(当然バブルはいつかはじけて流行は流れていってしまうわけだけど)。でもそれって、単に企業が、売るタイトル売る作品皆ミリオンセラーにしてとにかく稼ぎまくるんだ、って言う下心丸出しだから、つまり結局は儲け第一主義ですべてが動いているからそうなってしまうんであって、だから逆にどう売ったって絶対にミリオンセラーになんかなりっこない(と売り手に勝手に思い込まれている)作品は宣伝に対して金なんか掛けないし、確実に本数が捌ける畑で需要に十分なぎりぎりの本数だけ生産して確実に儲けになるような売り方をしたりする。彼らにとってどんな作品だって結局は、大量生産して売りさばくいわゆる「商品」に過ぎないわけで。

 結局、売る側が消費者に作品を正当に評価してもらう場を完全に奪ってしまっているわけで、そんな状態で声優やっている人が歌ってるアルバムだけど凄くいいんだぞおまえら買えよとか言ってみたところで振り返る人なんてほとんどいないってのは仕方ないことなんじゃないかしら、と私は悔しいけど納得せざるを得ないわけです。

 ただ、そういう売る組織と買う人間と作る人間の奇怪な三角関係は、ぶち壊そうと思えばぶち壊せるものだと信じているし、それをぶち壊すことが実は私の野望の一つだったりするのは今はまだ秘密だったりするんだけど(笑)、とりあえず今の私にはそれをやってのけるだけの武器も実力もなかったりするわけで、そういうことで悩める皆さんはとりあえずは現状維持で待っててくれ、って感じだったりするわけです(この段落に関するどんな質問・意見・反響もすべて却下させてイタダク ̄▽ ̄)

 ただわかって欲しいのは、誰にだって自分にとって思い入れのある作品というのはあったりするわけで(それがない人は本当にあまりにもかわいそう過ぎると思う)、それは誰がどう見下そうが批判しようがその人にとってはホンモノであることに間違いないってことです。どんな作品であれその素晴らしさに気づき共感し賞賛できることは誇りです。そのことについては胸張ってぜんぜんOKだと思います(*^-^*)


 さて、話変わって。
 年度が切り替わりました。気がつけば私も社会人2年目に入るわけです。とりあえず1年間社会人やっていて、その間懲りずにこんなホームページを更新しつづけてきたということがまずビックリだったりするわけですが(笑)、それ以上に自分ひとりで生計立てて生きていくって言うことがこんなにも辛くて寂しくて充実したものだとは思っていなくて、季節が巡ってしまうのはとても早かったのにやけに長くて内容の濃い1年だったなと振り返ってみると思ってしまったりもするわけです。そう、1日1日の長ったるさに対して、季節の巡る素早さにはものすごいギャップを感じた1年でした(苦笑)
 で、この1年を通して変わったこと。
 まず、大学生が大ッ嫌いになりました。この時期になって急に各方面で同窓会やらなにやらに呼ばれたりしてその度に感じてしまいましたが、もう学生のノリで飲み会なんて2度とやりません(怒)(←何故怒る^_^;。だってこいつら見てると本当に思っちゃうもん。おまえら人生なめてるだろ。ってな。某プリンタメーカーだか時計メーカーだか知りませんが、一流企業に内定決まったっつってそれだけで人生勝った気でいるやつとか、おいらが自分の勤めてる会社の名前を明かした途端に顔色変えて「村山君SEなんだーなんかチョーかっこいー」とか言って囃し立てるいやらしい女子諸君とか(おまえら高校時代ほとんど会話すらしたことねー癖にホントいい身分だよな)、見てると本当に虫唾が湧くし吐き気がするおまえらゴミ出しのバックナンバー全部読み返して自分の将来に怯えてみやがれってんだ。もちろんそんな程度でびびってしまうようでは到底今の日本は生き抜けないだろうけどな。俺だって自分の境遇まだまだぜんぜんアマちゃんだと思ってるし。
 ただ、そんなことを言う私だって一昨年までは確実に(それもかなり)腑抜け大学生だったわけで、それを思えばこれからその腑抜けだった自分を切り替えて社会にはばたく新社会人の皆さんを応援しないわけには行かない気分にもなったりするわけです。複雑だよね、人間のココロって。
 だからこれから書くことは、学生卒業してれっきとしたオトナになる皆さんに送るエールです。それは何も就職する人だけじゃない、今年一年はフリーターやりますって人も、あるいは落ち着く場所を見失ったまま失意の日々を送ろうとしている人も、何も考えずに親のスネにかじりついているだけの日々を送ろうとしている人にも伝えたいことです。
 はっきり言います。人生、ろくなことないです(笑)
 それからもう一つ言っておきます。これから皆さんが送ろうとしている人生は、実は到底余生に過ぎません(爆笑)
 何をやってもうまくいかない人もいるでしょう。あるいは順風万歩に滑り出して、ある日突然足元をすくわれる人もいるでしょう。不幸は人の手によって前触れ無しにもたらされるものです。そして多くの場合、あなたは何も悪くない。
 でもね、どんなに救われない事態に直面しても、決して絶望して、目標とか自分とかを見失って投げやりになって、例えば精神科医が裏口でこっそり手渡してくれるような薬に手を出してみたり、夜な夜な尋常じゃない量のお酒をたしなんだり、幼女を誘拐して歪んだ性を強要したり、手首を刃物で抉ってみたりなんてこと、絶対しないで欲しいです。
 人間、考え様によってはどんな不幸もいくらでも楽しめてしまえるものだし、これがあくまで通り道に過ぎないんだと割り切ってしまえば、どんな試練もいい経験なんです。さっき不幸は人の手によってもたらされるって書きました。それは裏を返せば、不幸は確実にいろんな種類の人との付き合い方を教えてくれるって言うことです。
 どんなに独り善がりな野望を抱いてみたところで、他人様に評価さえされてしまえばまかり通ってしまう世の中です。でもコミュニケーションできない人は、どんなに価値ある貢献をしたところで誰にも相手にされません。
 人生に野望を抱いている人は、それを立派にかなえるべく、たくさんの不幸と付き合って今を生き抜いてください。
 特にこれといった野望を抱かない人は、これから控えるたくさんの不幸をうまくかわす術を巧みに身に付けて今を生き抜いてください。
 どっちもどっちにも引けを取らない、誇るべき生き方だと、私は思っています。

 なーんて、ほんの1年やり過ごしただけでえらそーなこと言えるほど自分、余裕あるわけじゃないんですけどね(苦笑)。


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 おかゆ

ジャンル:実話
危険度:中

 風邪を引いてしまいました。
 もともと季節変わりは結構弱い方で、最近仕事もゆるくなったおかげで気持ちまで緩んでしまったってのもあるんだと思うのですが、派遣という立場上やたらめったら欠勤も出来ないんで健康には結構気を使うんです。
 風邪に気が付いたのはその日の昼頃。体中、特に上半身がうっすらと熱を持ったようにだるくなってボーっとしてしまって、分厚いマニュアルを片手に出荷物の動作確認をしていたのですがマニュアルのどこを読んでいて何を操作しようとしていたのかを3秒おきぐらいに忘れてしまうという酷い頭の腑抜け具合でまったく仕事にならず、それでも定時まで粘っていたのですが最終的にはやっぱりというかなんと言うか風邪特有の寒気がしてきまして。
 しかし何度も書きますが派遣という立場上、やたらめったら欠勤できない。確かに今私の仕事はそんなになくて、大して忙しくもない状況だったりするのですが、かといって周りの皆さんも同じく暇しているかというとそんなことは全然なくて、たまたま私が深く関わらない出荷物の出荷前作業に周りの皆さんは追われている中で私一人ちょっと体がだるいからとか言って休むわけには行かないのでありまして。

 責任感じすぎでしょうか?
 そんなことはありません。

 こんなことがありました。
 昨年私がまだ新人やっていた頃、つまり派遣先に出向になる前の話です。
 新人は率先して電話受け係を務めるものだと勝手に解釈していた私は、その日もかかってきた電話を取ったわけです。電話口からは、体調の悪そうな協力会社の社員の声。つまりうちの会社に派遣に来ている方なのですが、その人曰く、風邪をこじらせてしまってどうしても仕事が出来る状態ではない、担当の方に欠勤すると伝えてもらえないか、ということでした。私はその依頼を快く引き受けて受話器を置き、そして課長の人にそれをまず真っ先に伝えてしまったわけです。報告・連絡・相談は大切なことだよ、ってやつですね。
 そのとき私、課長にこっぴどく(って訳でもないのですが)怒られてしまいました。彼曰く、「どうして出勤を催促しないんだ? どうして欠勤を許してしまったんだ? 派遣社員を簡単に休ませちゃいけない。欠勤するような派遣社員は、辞めてもらわなきゃならない。だいいち彼の居るプロジェクトは今出荷前で一番忙しい時期なんだろう?」と。

 正直私はそのとき、ものすごい責任を感じてしまいました。
 ていうより怖くなりました。改めて、社会の厳しさを実感した瞬間でした。

 今の私の立場は、当時電話をかけてきたこの協力会社の方とまったく同じなんです。
 客先の上司の方に、「辞めてもらわなきゃならない」なんて言われるような評価を下されるわけにはいきません。

 定時でさっさと帰ってきた私はその日、まず2時間ほど布団にもぐりこみました。風邪を治すにはとにかく布団に潜って汗をかくのが一番です。
 体中汗でびじょびじょになって喉もからからになって耐えられなくなって布団から這い出てきたのが夜の9時半ごろ。まず服を全部着替えて、それから湯を沸かします。ホットカルピスを入れて一息つきながら、冷凍庫からおもむろに冷凍ご飯を取り出し、レンジで3分温めます。3分ぐらい温めると大体喰えるぐらいにあったまってくれるのですが、それをお茶碗にあけるのではなく、今度はおもむろに鍋にぶち込みます。
 そう、おかゆを作るためです。
 一人暮らしですから、食う物だって自分で用意しなければいけません。風邪引いているときぐらいは楽したいですが、風邪引いているときに外食する気にはなれないし、ましてやコンビニ飯など喉を通るわけがありません。
 ご飯を鍋にあけたら上から水をぶっ掛けます。ご飯がぎりぎり浸る高さの2倍ぐらいまで景気よく水を注ぎます。素人目にはちょっと多すぎるんじゃないの、というくらいでないと、まともなおかゆにはなりません。
 鍋は落とし蓋がついているものを使用し、火は、最初は強火でがんがん焚き、沸騰し始めたらすぐに弱火にします。本格的に沸騰させる必要はありません。本格的に沸騰する前に、泡が蓋をひっくり返さんばかりに吹き出してきますので、弱火にせざるをえないのです。火は出来る限り弱くしましょう。じっくり時間をかけて煮立てるのが、美味しいおかゆ作りのコツです。
 目安はおよそ15分ぐらいですが、出来上がってくるとわかるように鍋からふきこぼれが出てきて、やがてそれが収まってきます。私はこのくらいのタイミングで卵を落とすのが好きだったりします。おかゆが丁度いい具合になるのと同じぐらいのタイミングで、卵もぽくぽくに茹であがってくれるのです。
 こうして出来上がったおかゆをおわんにあけ、最後に梅干しを落として出来上がりです。卵は梅干しの味で食べましょう。梅干しは土用干しにしてシソでじっくり漬け込んだ、酸味の強いものを使いましょう。スーパーとかじゃまず売ってないですけどね(^_^;)。普通に売られている梅干しは塩漬けで、しかも食べやすさ重視の酸味のない、下手すると甘かったりするものばかりですが、こんなのおかゆのおかずとしてはちっとも役に立ちません。焼酎のお湯割にも物足りないくらいです。
 私が冷蔵庫にこっそり眠らせている梅干しは実家から分けてもらったものですが、この味だけはどこを探してもめぐり会うことが出来ません。お米も実家から分けてもらってますが、お米は多分売ってるものでも別に平気だと思うのです。でもこの梅干しだけは、売り物では我慢できない自信があります。もし将来実家の両親が亡くなってしまったときに、この味も永遠に失われてしまうのかと思うとちょっと未来がいやになってきます。

 実はこれを書いている今もまだ風邪が治りきれていなくて、こんなものを書いている場合ではなくてさっさと寝ないといけないのですが(^_^;)、皆さんは健康にはくれぐれも気をつけてくださいな。自分で作るおかゆってのも悪くはないですが、やっぱりあっついおかゆをふーふーって冷まして口元に運んでくれるかわいらしい恋人でも居ないことには結構辛いものがありますからねぇ。。。